【今月のお悩み】
新型コロナウィルス感染防止で新しい生活様式にも慣れて来て3密対策もバッチリ! と、思っていたけど、暑くなって来てマスクは熱中症の心配もあるし、今やっている換気の方法もこれでいいのか不安だなぁ。 う〜ん、困った。助けてぇ〜、3Cラボ〜!!
その頃、3Cラボでは・・・
博士ぇ〜、換気の方法が分からなくて困ってる人からのSOSをキャッチしたのだ!
換気の方法じゃと?! 3密対策で換気は重要じゃからのう。
こんな時こそお役に立つのが、我ら3Cラボの使命! よし、クリーン化オレンジ、
早速現場に急行して、換気対策で 困ってる人を助けるのじゃ!!!
ガッテン承知!換気のことならオイラにお任せ!
それじゃぁ、行ってきま〜す♪
その頃、現場では・・・
う〜ん、困った。こんなに暑くなっては、マスクなんかしてられない。
換気したいけど、風の流れがどうなっているのかさっぱり分からない。
う~ん・・・何か良い方法はないものかなぁ〜?
ございますともっ!! 私が来たからには、もう大丈夫。ご安心ください。
私の持つ特別な測定機で、風の流れは完ぺきに分かります。
しかも、シュミレーションまでできる優れモノ! さっそく1台ご購入を。
そりゃ〜あったら便利だろうけど、高いんじゃないの?
そこまでは必要ない気もするし・・・。
何をおしゃっているんですか。一瞬で全体の流れが掴めて一目瞭然です。
これを使わない手はありません。さぁ~、さぁ、ご決断を!
ちょっと待って!!
そんな高級品を使わなくても、簡単にわかる方法があるよ!
ええい、黙れ! クリーン化オレンジめ!
お客様、そんなことはございません。こんなヤツのたわ言になど耳を貸さずに
ささ、商談を進めましょう。ささ、ご購入を・・・!
オイラが来たからには、そんなことはさせないぞ!
くらえっ! 気流可視化ビーム!!!
ぐぬぬ・・・もうちょっとで究極のムダ遣いをさせられるところだったのに・・・
ちっ、覚えておれ、クリーン化オレンジめ。
ありがとう、クリーン化オレンジ。すんでのところで助かりました。
気流を見る簡単な方法があるんですね。ぜひ、教えてください!
そもそも換気とは?
「換気(かんき)」とは、部屋の空気を入れ替えること。「汚れた空気を綺麗な空気に入れ替える」ことが目的ですね。
今回のコロナ禍で生まれた「新しい生活様式」では、感染予防策のために厚生労働省から換気について、『機械換気による方法』と、『窓の開放による方法』について指針が出ています。
窓を開放する場合は、
① 換気回数を毎時2回以上(30分に1回以上、数分間程度、窓を全開にする)とする。
②空気の流れをつくるために、 複数の窓がある場合は二方向の壁の窓を開放する。窓が一つしかない場合は、ドアを開ける。
この2点が求められています。
換気回数と聞くと、「一日に何回窓を開けたか?」と誤解されている方もいるかと思いますが、換気回数とは“1時間当たりで部屋の空気を何回入れ替えたか”を示す指標です。
厚生労働省の指針は、空気の流れを作って窓を全開にして、部屋の空気を完全に入れ替えることを1時間に2回実施することなので、窓を開けるだけでは不十分と言うことになります。
換気についての詳しい内容は、日本建築学会のホームページでご確認ください。
こちらのPDFファイルも参考になります。
▼新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して/「換気」に関するQ&A
空気の流れを知る
よどんだ空気の中に長時間滞在しなければならない・・・なんてことは、誰もが避けたいことだと思います。でも、空気の流れは「肌で感じる」事はできても、「目で見る」ことが難しいですね。
そこで、風向きや風の流れを知る知恵として、「吹き流し」や「風見鶏」を思い出す方もいると思います。
そうです。 風に乗って流れて行くものを見ることで、空気の流れを知ることが出来るのです。
最近はモクモク煙を出す工場や、タバコの煙なんかも見る機会が減って来ましたが、 煙の粒子は非常に小さくて、気流に乗って流れて行きます。ですから、「煙の動きを見る=気流を見る=空気の流れを知る」ことができるのです。お湯の煙(湯煙)もそうですね。
空気の流れを見るもっとも簡単な方法
今回は職場や自宅で簡単に空気の流れが分かる方法をご紹介します。
最も簡単な方法は、以前塗装グリーンがご紹介した「ピロピロ吹き流し棒(ピロピロ棒)」です。
棒に取り付ける薄いフィルムを更に細くしたり、フィルムを棒に一定間隔で取り付けるなど 工夫すると、部屋の空気の流れを見ることができます。空気が、窓から入っているのか、出ているのか確かめて見ましょう。
部屋の中で、空気の流れが無い場所があったら、窓の開け方や扇風機などを使って空気の流れを工夫してみると良いですね。
窓の無い部屋の場合は、ドアの内側に扇風機を2台、高さを変えて逆向きに置くことで、部屋に入る流れと、出る流れを作ることができ、効率的に換気ができます。試してみて下さい。
目に見えない粒子を利用して、空気の流れを知る
ピロピロ棒や細い糸などを使って気流を見る方法を「タフト法」といいます。とても手軽で簡単に気流がわかりますが、空気の流れが弱い場所では上手く見ることができないのが弱点です。
そこで、もっと繊細に気流を「見える化」するために、タバコの煙や霧(水の小さい粒の集まり)を利用する方法があります。
下の表をご覧ください。タバコの煙の粒子は0.01~0.1μmと非常に小さく、一つひとつの粒子を見ようとしても人の目で見ることが出来ない大きさです。
しかし、煙状に多量の粒子が重なり合うことで、光を反射したり、遮ったりすることで、煙として見えるようになります。しかも、小さく軽いため、空気の流れと一緒に移動します。
この原理を応用して、純水ミストを使って 可視化する装置が『気流可視化装置』です。
そうです。クリーン化オレンジが今回繰り出した必殺技です。
タフト法(細い糸やピロピロ棒など)に比べると、純水ミストは数μmの粒子なので、風速の弱いところでも空気の流れを見ることができます。
ちなみに、なぜ純水を使うのかというと、不純物が少ないからです。純水が無い場合は、精製水でも大丈夫です。
水道水だとカルキ分が有るので汚染の原因になります。
純水ミストを使ってクリーンルームで気流を可視化してみよう!
クリーンルームはある程度、空気の流れを考慮して設計されています。そのため、漂っている小さな粒子(1μm以下)は気流に乗って除去されるようになっています。
ところが、製造現場で問題になる10μm以上の粗大粒子は、重さがあるので、気流に乗り切れずに工程内に飛散して堆積します(これらがのちに製品等に付着し、製品不良となるのです)。
粗大粒子の挙動には空気の流れや、乱れが大きく関係します。
気流は、装置が動いている時、止まっている時、人の動作などで複雑に変化します。実際に気流可視化装置を使って調べてみると、思っていたのとは違う気流が起きているってことも良くあります。
気流を知り、気流を改善することが、ゴミ・異物不良を減らす近道になるのです。
空気の流れを知ることは、とても大切なんだね。
皆も調べてみてね。困ったらいつでも助けにいくよ。