撹拌の世界は奥が深かった!〜適材適所の撹拌のススメ〜

塗料と撹拌(かくはん)—–。塗料本来の持ち味を「生かすも、損ねるも撹拌しだい」といっても過言ではないほど、塗料にとって撹拌は大切なものです。

 

3Cラボではいち早くその撹拌の重要性に着目し、「その塗装不良、【撹拌不足】が原因?!」(2019年12月18日 公開)の記事では、「撹拌不足」が原因で塗装不良が起こっている事実をお伝えしました。

 

 

その後も撹拌についての研究を、バカがつくほど真面目に進めてきた結果、新たにわかったことがあります。

それは「撹拌によって塗料が壊れる」という衝撃の事実です!

 

 

といっても、すべての塗料が壊れてしまうわけではありません。一体どんなケースで、撹拌によるダメージが起こってしまうのでしょうか?

 

 

 

シーファー

え?! なになに? 撹拌によって塗料が壊れるのか?

撹拌不足で塗装不良が出るのとは、真逆なのではないのか?

う〜ん、わからない・・・もっと教えて欲シーファー!

 

博士
(ラボボス)

ははは。シーファーがとまどうのも無理はなかろう。

撹拌の世界は想像以上に奥が深いからのぅ。よし、良い機会じゃ。

塗装グリーン、再び「撹拌」について熱く語るのじゃ!

 

塗装グリーン

承知しました! 

私の塗装人生をかけた研究の成果を発表させていただきます!

シーファー

塗装人生って・・・グリーン、やや大げさなのだ。

撹拌の世界は奥が深かった!

 

塗料は、固形物の顔料、つや消し剤、溶剤、樹脂などが混ざったものです。撹拌の目的は、そのバランスを塗料製造時の状態(=出荷時の状態)に戻すことです。前回の記事では、塗料を「使う前」に撹拌することの重要性、さらには、「使っている最中」の撹拌も大切だということをお伝えしました。今回も「使っている最中の撹拌」に関するお話なのですが、

 

 

塗装グリーン

なんと!激し過ぎる撹拌が逆効果になることが、

さらなる研究の結果、明らかになったのです!

 

 

 

特にメタリック、パール、濃彩色、高光沢といった高外観を求められる塗料、高意匠性の塗料は、撹拌によるダメージが大きいことがわかりました。なぜなら激しく撹拌し過ぎてしまうと、パール顔料などが砕け、調色時の色彩が変わってしまったり、樹脂がゲル化してしまったり、逆に顔料が再凝集してしまうこともあるからです!

 

 

すでに述べたように、本来、塗料を使用する前と使用中に撹拌する意味は、塗料のバランスをメーカー出荷状態に戻すのが目的です。それなのに撹拌によってそのバランスが変わってしまっては、本末転倒です。

 

 

なぜ、本末転倒が起こるのか?

 

ではなぜこういった事が起きてしまうのでしょうか? それは撹拌するスピードと、撹拌の方法が問題でした。

 

撹拌体(羽)を高速で回転させてしまうと、その際に顔料の樹脂がたたき付けられて粉々に砕けてしまったり、分散していた顔料などが再度くっついて凝集してしまったりするのです。

 

また、高速で撹拌をすると、その摩擦熱で塗料が発熱してしまいます。これにより樹脂が変質しゲル化してしまうのです。

 

 

塗装グリーン

つまり、間違った撹拌をしてしまうと、「撹拌が塗料をダメにする

という衝撃の事実が起こり得るのです!

 

シーファー

へぇぇ〜、そうだったのかぁ〜!

塗料をダメにしない撹拌のポイント

 

では、そうならないためにはどうすればよいのでしょうか? そのための撹拌のポイントは次の3つ。

 

  • 均一にかき混ぜられること
  • 空気を巻き込まないこと
  • 低速でかき混ぜられること

 

この3つのポイントを全てクリアするためには、今までのような羽がある撹拌機ではダメだということがわかりました。

 

こういった問題を発生させないため、羽の無い撹拌体は非常に効果的です。

 

前回ご紹介した「ベルヌーイ流撹拌体 BEAG(ビーグ)」も羽のない撹拌機ですが、「羽を使わずに、塗料を効率良く、楽に、均一に混ぜる」という同じ志を抱いた開発者と衝撃の出会いがありました。

 

それが、株式会社アクアテックスが開発した「C-MIX(シーミックス)」です。

 

 

「C-MIX」の「C」は、「遠心」を表す「Centrifugation」のC。名前の通り遠心力を使った「遠心撹拌」という新技術を使って撹拌します。詳しい構造については、「今月の必殺技」で説明しますが、私たちも初めて見たときは、正直言って驚きました。というか、不思議でした。

 

 

「本当にそんなに低速で、3つのポイントをクリアできるのか?」と。

 

 

でも、百聞は一見にしかず! まずはこちらをご覧ください。

 

 

 

 

はい。ご覧の通り、きちんと低速で撹拌できました。これが「遠心撹拌」のパワーです。

 

 

「羽がない」という点では「BEAG(ビーグ)」と同じですが、「C-MIX」は回転部分の形状や液体の動き方、液体の流れなども違います。撹拌機も塗料と用途によって選ぶ時代です。実際にテストしてみた結果、C-MIXは水系塗料の撹拌、メタリック・パールの撹拌、分離・沈殿しやすい塗料の撹拌などに適していると思いました。塗料の種類や、色替え時の洗浄性など様々な条件で考慮いただき、ぜひ、羽のない撹拌体をご検討いただきたいと思います。

 

 

そして、このように便利で優れた道具をキャッチアップしたら、まずは自分たちで試し、納得が言ったら直ちにご紹介していくのが、総合商社である私たちNCCのミッションです。これからも「おおっ!」と胸がときめく出会いがあるたびに、ブログ等でご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。

 

 

 

塗装グリーン

塗装の世界に生きるものとして、道具の選択は大切です。

今や撹拌機も「適材適所」で使い分ける時代です。

お客様ひとり 一人にピッタリの製品は何か、一緒に考えていきましょう!

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