粗大粒子(そだいりゅうし)

粗大粒子とは?

「粗大」とくれば「粗大ゴミ」。そんなイメージを持っている方が多いと思いますので、粒子といえども粗大がつくと、ずいぶん大きな粒子を想像されると思いますが、実はめちゃめちゃ小さくて、ざっくり言うと「目に見えるギリの大きさ」と解釈するとわかりやすいかと思います。それでもチリや埃の世界では、だいぶ大きんですけどね。

 

 

「落下塵(らっかじん)」でも解説していますが、肉眼で見える粒子の大きさは10μm以上だと言われています。

一般的に10μm以下の粒子を「微小粒子(パーティクル;particle)」と呼び、10μm以上は「粗大粒子」と呼ばれます。

 

 

『JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語』には、以下のような定義がなされています。

  • 粗大粒子 「粒径が10μm~100μm程度の粒子」
  • 微小粒子 「一般に、気体中または液体中に浮遊し、ほとんど沈降しない粒径が1μm程度以下の粒子」

 

 

注目すべきは微小粒子が「気体中または液体中に浮遊し、ほとんど沈降しない」というところ。

その反対に粗大粒子は「浮遊せず、沈降する」のです。

 

つまり『空中に漂う』微小粒子と、『地上に落ちる』粗大粒子の違い・・・

こう書くと粗大粒子が「地上に落ちた天使」のイメージとかぶるのは、飛躍しすぎでしょうか。

 

 

ここ、大事なところなので、覚えておいてくださいね。

 

 

 

粗大粒子と微小粒子 材質による挙動の違い

 

では、素材による違いはどうでしょうか?
粒子が同じ大きさでも、金属などの質量の重いものと、繊維や紙粉のような軽いものでは落ちやすさが違います。

 

『重くて、表面積が小さいもの』は速く落下し、
『軽くて表面積の大きいもの』は気流の影響を受け、ゆっくり漂ったり落下したりを繰り返します。

 

【重さ】と【形状】が挙動に違いが発生するポイントです。

 

特に繊維ゴミは要注意です。
100μm以上の大きなゴミでも、落下したものが気流で舞い上がり気流に乗って広範囲に飛散します。

当然、微小粒子も浮遊して壁や天井に付着することはもちろん、静電気などの引力で粒子を集めて大きくなり落下する現象が起きます。これはやっかいですね。でも、その性質を私たちが変えることはできませんが、「ハナっからそういうものだ」と思って付き合っていけば、対処する方法が見えてくるのです。

 

 

粗大粒子と微小粒子の対策ポイント

 

以上の「粗大粒子」と「微小粒子」の対策ポイントをまとめると、こんな風にスッキリします。

 

  • ”落下する粗大粒子”は、床下へ落とす(グレーチング構造)か、清掃して除去をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ”漂っている微小粒子”は、フィルターで空気をろ過し除去をする。

 

 

漂ってる微粒子を測定するパーティクルカウンターでは、地上に落ちる粗大粒子の測定は難しいので、そんなときは落下塵カウンターで測定します。

 

 

 

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