塗装のゴミ・ブツ不良が全然減らない!

【今回のお悩み】

電装盤パネルなどの大きな鈑金加工品の平面塗装をしているのですが、繊維ゴミやブツなどによる塗装不良が多発して困っています。できるだけクリーン対策品を使用するようにしていますが、あまり効果を感じません。塗装不良はすべて塗り直し。もう手間がかかって、ほとほと困り果てています。なんとかなりませんか? 助けてぇ〜、3Cラボ〜!!

 

 

 

相談者A

しっかり対策はしているつもりなんですよ。ちゃんとクリーン対策品を使ってますし。

でも全然「ゴミ・ブツ不良」が減らないんです。もうどうしたもんやら・・・はぁ〜

 

 

シーファー

だいぶお困りの様子ですね。博士ぇ〜力になってあげてほシーファー♪

 

 

博士
(ラボボス)

粗大粒子が引き起こすゴミブツ不良は、なかなかやっかいな問題じゃが、

よく相談に来てくれた。もう大丈夫。大船に乗った気持ちで見ておられよ。

 

よし、塗装グリーン、早速現場に飛んで発生箇所を突き止めるのじゃ!

 

塗装グリーン

任せてください! 私の「塗装愛」で見事解決して見せます!

 

現場到着

 

 

相談者A

はぁ〜、またゴミブツ不良が出た・・・。手直しのサンドペーパーがけが

大変なんだよなぁ~。手間も時間も塗料代も無駄になっちゃうし、

良い事なしだよ・・・

 

 

ダーク
ムーダー

ゴミブツ不良が出るのは、クリーン対策グッズがまだまだ足りないからです。

身の回りの資材を全部、ぜぇ〜んぶ、隅から隅までクリーン対策グッズに

変えればいいんです。これであなたの問題はすべて解決!! 

ささ、早く買って! ささ、ここにサインして    ム~ッヒッヒッヒ・・・

 

塗装グリーン

待ていっ! またお前か、ダークムーダー。

ダメですよ、ヤツの口車に乗ってしまっては。

クリーン対策グッズを買うより先にやるべきことがあるんです!

 

 

相談者A

えっ?! そうなの?!

対策グッズに変えるだけじゃダメなの?

 

塗装グリーン

その通り! 気流を制すもの、粗大粒子を制す。 

くらえっ!本日の必殺アイテム、

「ピロピロ吹き流し棒」だぁ〜っ!

 

 

ダーク
ムーダー

はぁ〜っはっはっは〜。笑止千万とはまさにこのこと! 

その子供のおもちゃみたいなもので何がわかるというのだ。

まずはお手並み拝見といこう。

 

 

 

 

 

 

塗装ブースが工場全体のゴミの集積所になっていませんか?

 

ゴミブツ不良は、様々な原因で発生した粗大粒子(糸ゴミ、砂、皮膚片、塗料ミスト等)が塗装面に付くことにより発生します。不良原因になる粗大粒子の大きさは、塗装膜厚にもよりますが、約10μm程度で、通常目で見ることはできません。しかし、塗装前や塗装中にこれらの粗大粒子が付着した上に塗料を重ねてしまうと、もともとの粗大粒子より約3倍もの大きさのブツブツになってしまうのです。

 

 

お客さまからゴミブツ不良対策の相談をいただき塗装現場に伺うと、何らかの対策が施されています。なのに塗装不良が減らない・・・その理由のひとつに「対策していない箇所がゴミブツ不良の発生源」となっているケースが多いのです。

 

 

なぜこのようなことが起きるのか? 

原因は気流(風の流れ)です。

 

 

塗装ブースはいわゆる局所排気装置です。どんどんブース前の空気を吸い、屋外へ排出しています。そのため塗装ブース周辺の空気がブース方向へ気流(風)となって集まってくるのです。なんとなく風を感じることがあると思いますが、どんなふうに気流が流れているかわかっていないことが多いのではないでしょうか?

 

もしも風上に粗大粒子を多く発生させる場所や、ホコリ等が堆積している場所があれば、現場だけ対策しても意味がありません。そのためにはブース周辺の気流を知ることが必要になります。

 

 

気流を知る最も格安・簡単な方法

 

気流の流れを知るための装置もありますが、大まかに気流を知るだけであれば、格安で簡単にできる方法があります。それが「ピロピロ吹き流し棒(ピロピロ棒)」です。構造はいたって簡単で、棒の先端に薄いフィルム状のものを取り付けただけです。すごく簡単なものですが、これが効果的なのです。この「ピロピロ棒」を持ってあちこち見て回ることでいろいろなことがわかります。

 

 

ピロピロ吹き流し棒の作り方

詳しくは「今月の必殺技」で解説しています。

 

まず確認してほしいのが「塗装室の出入口」です。塗装室の外から影響を受けているかどうかがわかります。気流確認の方法は、塗装ブースを稼働させ出入り口の開口部に「吹流し棒」をかざしてください。風が塗装室内に流れ込んでいる場合は、吹流しが塗装室側に引っ張られます。吸気装置を付けていない場合、ほぼ室内側に引っ張られているはずです。その場合塗装室外にも不良の発生原因がある可能性が高いです。そのまま風上を探っていってください、そこに原因となる作業や物があるはずです。

 

 

 

気流を見える化(気流可視化)をするには、他に「見える化ライト」や、気流確認用の発煙管、ミストトレーサー(ミスト発生装置)等がを使うと、さらに詳しく調べることができます。特に「見える化ライト」を使って、「そこが本当に発生源であるかどうか」を確認すれば、より正確を期すことができます。詳しくはまた別の機会にご説明します。

 

 

塗装グリーン

ほら、ご覧ください。侵入経路はここです、ここなんです! 

対策エリア外にある空気孔から粗大粒子が侵入しているんです。

 

ここさえきちんと防げば塗装不良はかなり減らせるはずです!

むやみにクリーン化グッズを買う必要などないのです!!!

 

 

ダーク
ムーダー

ぐぬぬぬ〜 こんなピロピロ棒ごときにしてやられるとは〜っ!

お、覚えておれ〜っ!!

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