中東情勢の影響により使用している塗料やシンナーの入荷が不安定となり、在庫切れで塗装業務が停止してしまうのではないかと不安なご相談者さん。
今ある在庫を長く使用したいと考えていますが、品質を下げずにどのような方法で対応すればよいかお困りのようです。

現在の社会情勢的に塗料やシンナーの供給が不安定なことは理解していますが、もうすぐ在庫がなくなりそうで、塗装業務が停止しそうで不安です・・・

(ラボボス)
塗装業界のみならず様々な場面で影響が出ているのじゃ。
一刻も早く以前のような供給体制に戻ってほしいのじゃ。

弊社でも以前のように塗料やシンナーを入手できるまでは、なんとかあるもので繋いでいきたいと考えています。
そこで、塗装品質を下げずに使用量を抑える方法はないのでしょうか?

(ラボボス)
塗装グリーン出番じゃ!

お任せください!
意識することで使用量を抑えられ、なおかつ現場で簡単に始められる施策がありますよ!

急務な問題なので、現場内で始められるのはありがいたです!
ぜひ教えてください!
塗料やシンナーの使用量を少なく抑える工夫
中東情勢の影響により塗料やシンナーの原材料の入手が難しくなっていることから、各メーカーからの供給が不安定な状況です。
従来より入手できる量が少なくなり、塗装業務が以前のように進められないという不安や心配の声を様々のお客様から伺います。
一方、そんな状況だからこそ塗料やシンナーの使用量削減を進めるには絶好のタイミングです。
塗料やシンナーの使用量を削減するには、以下の3つのポイントを見直しましょう。
- 塗着効率を上げる
- 塗料ロスを少なくする
- 塗装不良を削減する
塗料やシンナーは塗膜を形成するために必要不可欠な材料です。
しかし、ワーク表面に付着しなければ意味がなく、塗膜の形成に寄与できない塗料やシンナーはムダとなります。
このムダを削減することが重要なのです。
①塗着効率を上げる
塗着効率とは、“塗装時に使用した塗料”と“被塗物に付着した塗料”の比率のことで、どの程度塗料がムダなく付着したかを表す指標です。
塗着効率を上げるには、“オーバースプレーを減らす”観点と“付き回りをよくする”観点から様々な方法があります。
オーバースプレーを減らす
- スプレーガンの距離を近くする
- スプレーのエアー圧を下げる
- パターンを絞る
- ワークに対して垂直に塗装する
付き回りをよくする
- ワーク同士の距離を近くする
- 静電塗装を行い塗着効率を上げる

オーバースプレーがどのくらい発生しているか、クリーンチェックライトで見える化することにより手軽に効果を確認できます!
オーバースプレーによる塗料ミストの付着を防ぐことで、塗装不良だけでなく再塗装に掛かる塗料・コスト・手間も削減!
②塗料のロスを少なくする
普段当たり前に行っている行為が塗料ロスに繋がっていることがあります。
小さなことですが、積み重なると意外と大きな容量の塗料が捨てられている場合がありますので、この機会に普段の業務を見直してみましょう。
塗料の使用量を減らす
- 色替えを少なくする
- 特に2液型塗料などを余らせない
- 塗料ホースを短く、細くする
洗浄工程の工夫
- 色替えの際、3方弁等を組み合わせ、塗料配管内にエアーを入れることで残っている塗料を排出した後、シンナーを通す
※塗装機器が破損する可能性もあるため、塗装機メーカーへ事前に要相談 - 洗浄シンナーを荒洗浄用、仕上げ洗浄用に使い分ける
- 洗浄時にシンナーをバブリングさせる
- 使い捨て容器を使用する
- 洗浄性の良いポンプやホースに変更する

バブリングとは、塗料配管内に洗浄用シンナーとバブルエアーを交互に通す方法で、物理的洗浄に近い効果を発揮します!
塗料粘度の高いものや空気と接するところで硬化するタイプの塗料には不向きなので要注意です。
③塗装不良の削減
“塗装不良”と一言で表しても、ゆず肌、ハジキ、スケ、タレなど様々ですが、今回はゴミ・異物が付着するゴミブツ不良の削減について着目します。
ゴミやブツ不良を削減するには、シンナーの乾燥速度や希釈率を最適化することで効果が見込める場合があります。
代替シンナーを使用する際、基本的には溶解や乾燥速度等が合っていれば代替シンナーとして利用できる可能性がありますが、以下のような場合は注意が必要です。
- ウレタン塗料:アルコール系の溶剤が入っていると硬化不良が起きます。
- 静電塗装:静電用シンナーは塗料の電気抵抗値を適切な範囲に調整するという役割を担っており、適切ではないものを使用すると付き回り性や通電エラーが起きる可能性があります。必ず塗装機メーカーへ抵抗値を確認しましょう。
しかし、現在においてはシンナーの切り替えは難しいため、その他の対策もご紹介します。
気流管理
塗装後の製品が風下で保管されていると、気流に乗ったゴミ・異物が塗膜に付着し不良となります。
ピロピロ棒や気流可視化装置、見える化ライトを使用して空気の流れを把握し、レイアウトを変更しましょう。
静電気対策
静電気は衣類の摩擦や剥離といった日常的な動きの中でも発生します。
製造現場においては、金型を樹脂からはがす工程や塗装工程では特に大気中の湿度が低い冬場に製品や人体に溜まりやすくなります。
製品が帯電しているとゴミ・異物を引き寄せてしまいますので、以下のような除電対応や静電気を発生しにくい環境づくりが必要となります。
- 床や塗装ブース前に水を散布
- 加湿器等を設置し、加湿する
- 治具にこびりついた塗料を落とし導電性を良くする
- エアーブローガンを除電仕様に変える
- 除電型の拭き取り洗浄剤を使用する
塗着効率向上や塗料ロス削減の施策においては、塗装品質に関わるため、必ず実施する前にテストを行ってください。

塗料やシンナーの使用量を抑える方法はこんなにたくさんあるんですね!
生産性に影響しそうな施策もあったので、ぜひ社内で実施してみます。
早速、以前から現場の課題でもあった塗着効率の改善に取り組もうと考えていますが、教えてもらった以外に他の方法はありますか?

今回は中東情勢の影響に対応するため、迅速に実施できる施策をご紹介しましたが、通常の塗装業務でも貢献できるスプレーガンを必殺技でご紹介します!

お問い合わせ・ご相談はこちらなのだぁ~!
