陽圧と陰圧
大気圧に対してある空間の圧力が高い状態を陽圧、低い状態を陰圧と呼びます。
天気予報でよく耳にする高気圧と低気圧の関係と性質は同じですが、これらは自然現象であるのに対して陽圧と陰圧は人が作るという違いがあります。
陽圧と陰圧で、どのような環境の変化があるのでしょうか?
空気は圧力の高い方から圧力の低い方へ移動する性質がありま す。
部屋が陽圧になると部屋から外へ向かって、陰圧になると部屋の中に向かって空気の流れができます。
ですので、繊維ゴミなどの粗大粒子も風に乗って浮遊するので、部屋を陽圧にすることで侵入を防ぐ効果が期待できます。
例えば病院では、菌を嫌う手術室やICUといった無菌室は陽圧、逆にコロナウィルスのような感染症拡大防止のための隔離室は陰圧にするといった対策がとられています。
陽圧化
部屋の陽圧化は、風の影響を減らす方法として有効です。
一般的には排気量より給気量を増やすことで部屋の気圧を高くする方法がとられます。
そのためクリーンルームでは、外気に対して部屋の圧力が10pa~20pa程度になるように調整されています。
ただし、どの程度のクリーン環境にするのか、熱効率なども含め事前に設定しないと、コストの割に効果が発揮されない可能性もあります。
もう一つの陽圧化できる手法が気流をぶつける方法です。
例えば、オープンクリーンシステムKOACHは気流をぶつける事で、囲わず陽圧化を実現できる画期的な装置です。
特殊な整流機構で、フィルターから吹き出したプッシュ気流が中央で衝突し、気流が外側に流れて粒子の侵入を防ぎ完全なクリーンゾーンが形成されます。