ついに完成した「低コンタミ炭化水素洗浄システム-ACSys-」のデモ機。
汚れが再付着してお困りの方、より環境に配慮した洗浄をお考えの方など多くの方に使っていただけるように、このコーナーではさらに詳しい仕様を説明いたします。
まずは、従来の洗浄方法と何がどう違うのかを比べてみました。
従来の洗浄方法と弱点
現在多くの洗浄工程で採用されている、ごく一般的な炭化水素洗浄装置では、洗浄液の入っている槽にワークを入れたカゴを浸漬させ、超音波で洗浄します。
循環経路にはフィルターが設置してあり、ポンプを使って常時洗浄液を循環させることで、持ち込まれた切り粉や金属粉を除去し、洗浄槽内をクリーンに維持します。
しかし、この方法にはいくつか弱点があります。
1)全液を濾過するまでにタイムラグが発生してしてまうこと。
2)槽内にどうしても異物が滞留してしまう部分ができてしまうこと。
3)洗浄液を長く使い続ければ続けるほど、槽内に異物が滞留し、蓄積してしまうこと。
異物の滞留は、水の流れと洗浄槽の形状により、どうしても避けることができません。
しかしながら、この異物の滞留がが汚れや異物の再付着の最たる原因になってしまうのです!
さらに、溜まってしまった汚れは、自動的にキレイになることはありませんから、定期的に洗浄槽の中を清掃する必要も出てきます。
そこで、「コンタミ除去洗浄システム」は、その弱点をどんな方法でカバーしたのか?!
2020年2月のブログ記事【本邦初公開】低コンタミ炭化水素洗浄システムでも解説しておりますが、今一度復習すると・・・
1)1回洗浄が終わるごとに、別のタンク(バッファタンク)に洗浄液をすべて送ります。
2)新たなワークをカゴに入れ、洗浄槽にセットします(このとき洗浄槽は空です)。
3)設置してあるフィルタを通って、すべての液が再び洗浄槽に戻されます。
それでは、今回完成したデモ機の仕様について、詳しくご紹介いたしましょう!
実はコンタミ除去洗浄システムのほかにも「新機能」を搭載していますので、ぜひご覧ください。
デモ機の工程フローと詳細
今回のデモ機では、2段階の洗浄と乾燥までを一気に行います。
【粗洗浄】⇨【仕上げ洗浄】⇨【ベーパー真空乾燥】
洗浄液
<炭化水素系洗浄剤>
現在はノルマルパラフィン系第2石油類でご用意しておりますが、指定の炭化水素系洗浄剤をご支給いただいてのテストも対応可能です。
カゴサイズ
<350×450×300H または 回転カゴ215×315L>
専用治具や専用カゴのご希望がございましたらご相談下さい。
洗浄液供給系ろ過フィルター
<0.5~100μm 250L×4本>
洗浄液の供給経路は粗洗浄と仕上げ洗浄で別れているため、フィルターのろ過精度を選択して使用することも可能です。
洗浄液排出系フィルター
<鉄磁ろ過フィルター>
磁力を利用して大きな鉄粉や切り粉を効率的に除去するフィルターです。
真空ポンプ
<低速スクリュー式ドライ真空ポンプSSTシリーズ>
従来の炭化水素洗浄装置で使用されている、ドライ真空ポンプと水封式真空ポンプの良いとこ取りをした真空ポンプとなっており、装置全体の省スペース化と省メンテナンス性を実現しました。
熱媒油ポンプ
<AY2251 マグネットポンプ>
従来の熱媒油ポンプで懸念されていた軸シール部分からのオイル漏れを、シールレスタイプを採用することで解決しました。
熱媒油
<テクチルHF47>
当装置に使用されている熱媒油テクチルHF47は、日本の消防法上非危険物で、なおかつ自己消火性を持っています。指定数量の圧迫を抑え、より安全に使用して頂けます。
その他にもメンテナンス性やトレーサビリティを考慮した機能を多数搭載しております。
8月からは「洗浄テスト」や「見学」、さらには「オンライン相談会」も
随時受け付けます! お気軽にお問い合わせください。
お待ちしております!