今回の必殺技では、気流を見える化する2種類の技術を紹介します。
一つめの方法は、ミストトレース法です。
今月の「ズバリ解決!3Cラボ」では、小さな粒子は気流に乗って流れると説明しました。
この原理を応用して空気の流れを見える化するのが、ミストトレース法を使った「気流可視化装置」です。純水のミストをトレーサー*1)にして、空気の流れを見える化します。
*1)トレーサー;流体の流れを追跡するために使われる微量な物質。
気流可視化装置『エアーフローチェッカー』
クリーンルームやゴミ・異物を嫌う現場では、不良原因となるゴミ・異物の発生源を特定することが重要です。
そして、その特定は非常に困難で対策に時間を要し、根本的な問題解決に至らないケースが多いのも実情です。
ゴミ・異物の発生源の特定を妨げる要因のひとつとして、『気流』が影響していることはご存じでしょうか。
ゴミ・異物は生産工程で発生するだけではなく、生産現場の遠く離れた場所から風によって運ばれ、製品や作業場の重要な箇所に付着し堆積してしまいます。つまり、根本的な原因を明らかにするためには、原因物質を運んでくる「気流」を管理することが重要となります。
しかし、「気流」は目で見ることはできません。風速計等で風の強さや方向を測定しても点としての情報であり、気流を立体的で且つ視覚的には確認することができません。
そこで活躍するのがトレーサーに純水を使用し、大量の微細ミストを発生させ、空間内の気流を立体的に可視化することができる気流可視化装置『エアーフローチェッカー』です。
トレーサーに純水を使うため、工程の汚染の心配が無く作業エリアの調査や製造装置の稼働中の調査も可能です。
クリーンチェックライトを併用することで気流の変化をより見やすくできます。
持ち運び可能なコンパクトな気流可視化装置『 AVIS(エイヴィス) 』
同じ純水ミストを使用するモバイルタイプのAVIS。バッテリー内蔵のコンパクトなボディは、簡単に持ち運びができるので、測定場所を選びません。
手持ち、肩掛け、ベルトやスタンドへの装着も可能。現場間の移動や海外工場への送付が容易にできるよう専用アルミケースも標準装備しています。広範囲のエリアや、狭い場所などさまざまなシーンで使用できます。
作業している時の気流の流れや、装置が動いた時の気流の
変化など、調べてみると、想像と違う現象が起きてることが
あるよ。
▼もっと詳しく『AVIS』を知りたい!なら・・・
微細水蒸気ミストで気流の見える化 『 AVIS(エイヴィス) 』
二つめの方法は、速度分布の測定による気流可視化法を使った超音波風向風速計です。超音波を使って風速と風向を測定し、空気の流れを見える化します。
目に見えない気流を見える化する『三次元超音波風向風速計』
こちらは水蒸気ではなく、「超音波」を使って、目に見えない気流を”見える化” します。
3軸の超音波センサーと気流可視化ソフトを用いることにより、「風向」「風速」「温度(風温度)」を同時に測定できる優れモノ!! 気流を数値化して記録する事や、三次元的に可視化することができます。
水分を嫌う環境や、タフト法(細い糸や、ピロピロ吹き流し棒 など)・スモーク法・熱線式風速計では難しかった場所での測定に適しています。
部屋の中の気流の速さと向きをベクトル図で可視化でき、場所の温度も色で表現されるので一目で気流の状況が分かります。設備の移設前後での気流の比較や、吸気と排気のバランスなど部屋全体の気流の流れを見える化できます。
現場の気流がどうなっているのか、全体像を把握する時に
とても便利な可視化技術だよ
▼『三次元超音波風速計』をもっと知りたい!という方は・・・