色ができるまでの工程とは?

色を数値で伝える!?色見本帳を使って認識ずれを防ごう!のページでもお話ししたように、色を相手へ正確に伝えるには色番号を活用することが一番です。

また、この色番号を使うことで“既製品には無い色”や“好みの色”をオーダーし作ることが出来ます。

これを調色と言います。

 

では、調色のオーダー後どのように色は作られるのでしょうか?

 

調色品が出来上がるまでの流れ

色ができあがるまでには様々な工程があり、下記の図のように色は作られています。

 

 

 

 

相談者

なるほど!これが調色なのですね。

でも、分からない用語がいくつかあるな~・・・

 

塗装グリーン

そうですね。あまり聞きなれない単語がいくつかあると思いますので、

一つ一つ解説いたします。

 

  • 配合算出・・・色を作るために、どの塗料がどれくらい必要なのか計算すること
  • 攪拌(かくはん)・・混ぜて容器の中で分離している可能性がある塗料を均一にする作業(攪拌については以前記事にしているのでぜひ参考にしてください。)
  • 色差検査・・・見本帳に掲載されている色もしくは見本として預かったものと、完成した色にずれがないか確認する検査
  • 塗板・・・完成した色を塗った色見本となる板

 

また、調色工程は1度作成したことがあるリピート品なのか、初めて作る新色なのかにより変わります。

 

新色の場合

色見本帳やお客様から預かった色見本となるものを測色計という機器を使い色を測定・数値化した後、混ぜ合わせる原料の種類や量をPCシステムで計算します。

色が完成したら見本となるものとの色差検査を行いズレが無いかを確認しますが、この際に色差が許容範囲内であれば合格となりお客様が事前に確認出来るよう、見本板を作成し添付して出荷となります。しかし、許容範囲を越えると不合格品となり、再調色と再検査を行います。

 

リピート品の場合

前回いつ出荷したのかを確認しその際作成したデータで調色を行います

調色後は新色と同様に検査を行い合格品は出荷となり、不合格品は再調色となります。

 

 

どんな色でも作れる訳ではない?

色の調色工程について説明しましたが、調色はただ原料を混ぜ合わせれば色が完成するという訳ではありません。

テクノロジーが発達し、測色計やPCシステムを使用することで今まで以上に幅広い色を再現できるようになりましたが、塗料の原料や種類によって作成できる色の範囲は変わります

 

一般的に再現できる色の範囲は、原色の数が豊富な自動車塗料が最も広く、続いて工業用塗料、建築用塗料となります。

例えば、とある自動車用塗料の原色数は50色近くあるのに比べて、工業用塗料は15色程です。

ですので、自動車用塗料よりも原色の少ない工業用塗料では、スポーツカーのような赤色を作ることはできません。

また、各原色の数だけではなく彩度や明度も関わってくるため、塗料によって作成できる色の範囲は限られてくるのです。

 

光の影響

これまで色には番号がついていることや、原料を混ぜ合わせることで好みの色や指定の色を作れることをお伝えしてきましたが、色差のずれがない状態でも色が違って見えることがあります。

 

それは見る環境により光の影響が異なることが関係しています。

例えば赤色に見えるのは“赤以外の色を光が吸収”するからです。光の一部は物体に吸収され、吸収されなかった光が肉眼で“色”として認識されます。

つまり光源の色により見える色が変わってくるということです。

最近では少なくなりましたが身近なところですと、トンネル内でオレンジ色のライトに照らされると色が分からず白黒に見えることがあります。

これが光源による影響です。

 

このように調色をした塗料も太陽光下で見たときと蛍光灯下で見たときは色が少し違って見える場合があり、これをメタメリズムといいます。

仕入れた塗料の色と製品を見比べる際などは、光源も考慮することを覚えておきましょう。

 

以上のことに気を付けてNCCではこのように調色作業をしています。

 

塗装グリーン

調色についてお話ししてきましたが、いかがでしたが?

 

相談者

こんなに細かい部分まで注意を払っているなんて知りませんでした!

ぜひ自社の製品用塗料の調色をお願いします。

 

塗装グリーン

承知しました!お任せください!!

 

博士
(ラボボス)

ご相談・お問い合わせはこちらからじゃ!!

 

 

記事一覧