洗浄には欠かせない水。でも、一言で「水」といっても、実はいろんな種類があります。身近なところでは、水道水、天然水、ミネラルウォーター、海洋深層水などがありますが、工業の分野でも水は様々な場所、場面で使われています。今回は、存在が当たり前過ぎてスルーしがちな「水」について、改めて考えてみたいと思います。
シーファー、水は「H2O」だってことは知っているよね?
では、問題です。ミネラルウォーターには水の他に
何が含まれているでしょうか? わかるかな?
う〜ん、ミネラルウォーターだから、ミネラル・・・とか・・・?!
正解!!
え? 正解なの?! やったー!
ははは。でもね、シーファー。
ミネラルは、人にとっては体に良いものというイメージだけど、
工業製品を洗う場合、邪魔になる場合もあるんだよ。
ミネラルは、言い換えると不純物だからね。
ええっ? ふ、不純・・・物・・・!?
今までそんな風に考えたことがなかったのだ・・・
たかが水、されど水じゃ。よし、丁度良い機会じゃ。
シーファー、水がいかに大切かを、ブルーによく教えてもらうのじゃ。
様々な場面で活躍する「水」
工業の分野でも水は様々な場所で使われています。洗浄のすすぎ水、薬品や水溶性加工油の希釈水、加湿など業界によっても様々です。これらの水は水道水が使われることもありますが、精密な工程であるほど「純水」や「超純水」と呼ばれる水が使用されます。
「純水」については「3Cラボ的用語解説」でも詳しく
語っているので、合わせて読んでみてください!
「純水」とは読んだ字のごとくピュアな水、つまり不純物の少ない水”のことです。では、どのくらい少ないのか、水道水・純水・超純水に含まれる不純物の量を比べて見てみましょう。
50mプールいっぱいに入れた場合の不純物の量が以下になります。
こう見ると、如何に純水や超純水に含まれる不純物が少ないかがわかるのではないでしょうか。
なぜ、手間とコストをかけてまで「純水」を作るのか?
このようにイオンや異物を除去して純水や超純水が作られます。では、なぜこのように手間やコストを掛けてまで、純水や超純水を使用するのでしょうか。
純水や超純水が使用されている主な工程は以下のようになります。
料理をされる方は金属食器や透明なグラスを洗ったまま放置した時に、白い模様(ウォーターマーク)が出てしまった経験はないでしょうか。あのウォーターマークは水が乾燥した後に、水道水に含まれるカルシウムなどの不純物が残ってしまうことで発生する現象です。
金属製品であれば問題にならないこともありますが、表面に光沢のある部品やレンズなどではそのウォーターマークが大きな問題となってしまいます。そのため、洗浄する際に純水や超純水を使用して、表面に不純物を残さないようにします。
洗浄用途ではすすぎとして純水が使用されることが多くあり、食品、特に飲料や医薬品では、品質の安定のために純水を使用されるケースが多く見られますね。
例えば、清涼飲料水を作る際に、水に不純物が含まれていると、同じ分量の甘味料を入れても味が若干ブレてしまいます。ごく僅かな違いであっても、そういった品質の安定という理由から、純水が使用される場合が多いのです。
また、昨今では製品の加工精度の向上やサビ対策に純水を使用したり、配管内部の劣化を防ぐためにチラーの水に純水を使用するケースもあります。
NCCではオーセンアライアンスと協働で純水製造装置の製造・メンテナンスやイオン交換樹脂の詰め替えなど純水に関わる業務を行っております。興味はあるけれど、今まで試したことがないお客様への簡易純水器の貸し出しなども行っておりますので、ご興味があればぜひお問い合わせ下さい。
今回の必殺技では、NCCグループ「オーセンアライアンス」についてご紹介します。
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