塗装の見直しでムダが減る?
前回の解説【塗料を捨てていた?無駄にしないコストダウンの魔法】で、塗装現場のコストダウンをするためにはまず塗着率と塗料のロス量を知ることが大切だとお話ししました。
塗着率は塗料使用量と製品付着量の測定値から計算することが可能で、吹き捨ててロスになっている塗料を減らすと塗着率は向上します。
今回は、そんな塗料ロスを減らすために、機器の能力を最大限発揮させる塗装の二つの”見直し”をご紹介します!
あれ、おかしいなあ・・・
この前、コストダウンするには無駄に吹き捨てている塗料を減らして
塗着効率を上げることが近道と聞いたので、より塗着率の高い機器に新調したんですが・・・
塗着率があまり改善されない、ということですね?
そうなんです!
塗着率を計算してみても機器に設定されている数値に届いていないようです。
それは機器の能力を最大限発揮できていない証拠!
どれ、機器を貸してみてください。
グリーンが塗装するのだ~?ムダのない塗装を見てみたいのだ~!
よし、皆さんに塗装の見直しでどれくらい塗料ロスが減るのか確認してもらいましょう!
使用している塗装機器の仕様を見直す
機器の能力を最大限発揮させるためには、使用している塗装機器の使用条件確認から始めましょう!
今回はスプレーガンの最適な使用条件から見ていきます。
スプレーガンはそれぞれに「最適なスプレー状態」になる条件が定められています。
図(参照:アネスト岩田 様)をみていただくとそれぞれに標準条件が設定されていることがわかります。
この条件を基本として最も確認する必要があるのは以下の4点です。
- 吹付空気圧力
- パターン開き
- 吹付距離
- 塗料粘度
様々な要因により使用条件を変更してあることもありますが、基本とされている標準条件から大きく外れている場合は危険です!
条件値を大きく外れていると気づかないうちに多くの塗料を捨てていた・・・なんてことにもなりかねません。
ガンの種類や塗料供給方式の違いによりこれらの数値は違うため、大きく違う数値に関しては標準条件に戻して使用することで塗着効率が向上する場合がありますので一度戻してから使用してみください。
塗装のやり方を見直す
標準条件の確認をした上で、更に塗着効率を向上させるには塗装方法を見直す必要があります!
塗装方法を見直すことで塗料の付着量が変わり塗着効率が向上に繋がります。
そのポイントは3つ。
- スプレーガン角度
- スプレーパターン幅
- スプレーガン距離
これらをポイントに「まっすぐ」「狭く」「近く」することで、無駄に吹き捨てることが減少します。
見直すことでどのくらい減少率に変化があるのかは下記の図を参考にしてください。
特に「まっすぐ」「狭く」を改善するこで削減される塗料比率が多く、見直すことですぐに塗料ロス削減に直結することが分かると思います。
しかし、塗着効率が向上しても塗膜品質が良くなければ意味がありません。
ここまでを改善した上で塗装品質も向上させるためには、スプレーガンを環境や被塗物に合わせ設定、調整し最適化させる必要があります。
スプレーガンの標準条件を基本的な設定とした上で、「霧化エアー圧」「吐出量」等を調整してください。
スプレーガンの各項目を変更した際に出る影響は表を参考にしてください。
「まっすぐ、狭く、近く」を基本とした上で各項目を試しながら調整し、塗膜品質も良くするために環境や被塗物に合った黄金比を見つけてくださいね♪
また、これらを突き詰めていくと、現在使用している塗装機がベストではない可能性もあります。
特に「狭く」「近く」の場合には塗装機の種類によって大きく影響が出ますので、塗装機の見直し、変更も視野に入れてください!
何事も「基本を見つめなおす」ことが重要です!
シーファーも本当にそう思うのだ~!
スプレーガンを見直したけど、更に良くするために簡単な方法はないの~?