ゴミ・異物を運ぶ春の嵐を撃退!3つのおすすめ手法

 【今月のお悩み】

プリント基板の製造工程を担当をしているのですが、一気に春らしい陽気となったり、強く南風が吹く日もあったりして舞い上がった花粉やホコリに困っています。

そのため工場内に入り込まないよう搬入口のシャッターや扉は開けたら直ぐ閉めていますが、工場全体はホコリっぽく、工場内のクリーンエリアに影響が無いか心配です。

 

それが原因となっているのか原因不明のゴミ・異物不良が増えてきたと報告も上がっていますし・・・

これって風の影響なんでしょうか?何か調べる方法はないかな~?

 

教えて~、3Cラボ〜!!

 

シーファー

博士ぇ〜、春になってから原因不明のゴミ・異物不良が増えて

困っている人からのSOSをキャッチしたのだ!

なにやら風の影響かどうか調べて欲しいみたいなのだ~

 

博士
(ラボボス)

それならさっき、わしに直接電話が有って

クリーン化オレンジを現場に向かわせたところじゃ!

 

その頃、現場では・・・

相談者A

はぁ~・・・。
風の影響で何か不良が発生しているのは予想がつくけど、
明確にするためにはどうやって調べたらいいんだろう。

 

クリーン化
オレンジ

春になり原因不明のゴミ・異物不良が増えてお困りということで掛けつけました!
その原因が「風」の影響だと考えているんですね?

 

相談者A

はい、そうなんです。

風の強い日は、排気ダクトから“ゴーゴー”と音がする時もあるんです

 

クリーン化
オレンジ

なるほど!

その音がする“排気口”や“給気口”を見せてください。

 

相談者A

位置ですか・・・?

そのダクトの位置が影響しているんですか?!

 

クリーン化
オレンジ

風上に位置していると様々な影響が出やすいんだ!

一緒に調べてみよう!

 

相談者

改めて、ゴミ・異物が発生するのは様々な要因があることが分かったので

早速対策をしてみようと思います!

 

「風」が生産現場に与える影響

工場の排気ダクトや給気口がどの方向を向いているか気にしたことはありますか?

 

給排気ダクトの出入り口が風上側を向いていると、風が吹き込みダクトや給気フィルタなどを振動させ工場内にゴミ・異物を撒き散らします。

ダクトの接続状態や構造などによって影響の出方は様々ですが、多くの方を悩ます要因となっていることには間違いがないため設計時や改修時の際には、「風」の影響を考慮した位置に変更したり設置することをお勧めしています。

 

 

給排気口が造られてしまうと位置の変更が難しいため諦めがちですが、原因物質を運んでくる「気流」を管理することが出来れば遠く離れた生産現場へ風にのって運ばれたゴミ・異物から製品や作業現場を守ることができ、異物不良や堆積することも防ぐことができます。

 

その他にも、風によって飛散した花粉、黄砂、土ぼこりが通勤中の人に付着して工場内に持ち込まれたり、シートシャッターの開閉時に風によってゴミ・異物を含んだ外気が工場内に吹き込まれるなど、風が影響するゴミ・異物不良の火種はたくさんあります。

 

気流を把握しよう!

気流の流れを管理するためには、気流をつかむことが重要です。

ですので、誰でもできる簡単な方法と精密に調べる方法の二種類をご紹介いたします。

 

1つ目は工場内の気流を把握するためや、外の風の強弱で工場内の気流に変化が無いかを調べるためには必殺!「ピロピロ吹き流し棒」を使うと手軽に調査ができます。

 

「えっ?こんなのでいいの?!」と思う方もいると思いますが、いいんです!(笑)

 

この吹き流し棒をゴミ・異物が増えているラインや現場で使用してみてください。

そうすることで、ゴミ・異物を運んでくる気流の判断ができるため、風の流れに合わせたゴミ・異物対策が出来ます。

 

2つ目はより精密に調査ができる「3次元超音波風向風速計」です。

3軸の超音波センサーと気流可視化ソフトを用いることにより、「風向」「風速」「温度(風温度)」を同時に測定できるため一目で気流の状況を把握することができます。

 

 

風の影響を軽減するために

風とは何か?を考えてみると、“空気が移動すること”と考えられます。

 

つまり、空気が移動できない方法を考えれば風の影響を少なくできるということなんです。

その空気の動きを防ぐ方法を具体的にご紹介いたします!

 

 間仕切り

一番簡単でコスパも良い方法は、ビニールシートなどで間仕切りを設置し風よけを作る方法です。

 

 

設置した間仕切りのビニールカーテンにフィルターや、粘着シートを取り付けることで同時に除塵も行うことができます。

単純なことではありますが、どのくらい効果が得られるかは必殺技でご紹介いたします♪

 

 エアロックの活用

エアロックとは気圧の異なる場所を人や物が移動するときに、隣り合う室内の圧力差を調節する機能を持った出入口として使用する通路や部屋のことです。

つまり、部屋と部屋の空気が直接出入りするのを防ぐ構造になっています。

 

エアーシャワーやパスボックスはエアロック設備になります。

この構造の場合は、2枚の扉を同時に開放しないとが重要です。

 

同時に開放しないことで、クリーンな部屋へ外部の空気が流れ込まないようにすることが出来ます。

エアーシャワーのように外部の空気をクリーンエアーに入れ替えることで更に効果は増します。

エアーシャワーの効果にはクリーンウエアの除塵の他に、持ち込まれる空気をキレイにする効果もあるのです。

 

「エアロック」については用語で詳しく解説いたします。

 

3.陽圧化

風の影響を減らす方法として、部屋の陽圧化も有効です。

排気量より給気量を増やすことでクリーンエリアの気圧が高くなり外部からの吹き込みを防止することが可能になります。

 

但し、どの程度のクリーン環境にするのか熱効率なども含め事前に設定しないと、コスト負担の割に効果が発揮されない可能性もあります。

検討する場合には、専門家に相談することをお勧めします。

 

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クリーン化
オレンジ

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