【今月のお悩み】
印刷や塗装などの表面処理作業を行っていますが、このところゴミ不良が減るどころか、逆に増えて困っています。朝と昼の2回清掃をしているし、クリーンウエアもクラス1000対応のつなぎタイプに変えたのに。どうして減らないのでしょうか。
助けて~、3Cラボ〜!!
その頃、3Cラボでは・・・
博士ぇ〜、ゴミ不良が増えて困ってる人からのSOSをキャッチしたのだ!
おお、ゴミ不良か・・・。最近はポカポカ陽気の日も増えて花粉も多く飛んでるし、
持込み対策は特に重要じゃな。
よし、クリーン化オレンジ、早速現場に急行して、困ってる人を助けるのじゃ!!!
よっしゃ〜、ガッテン承知!!
粗大粒子のことならオイラにお任せ!それじゃぁ、行ってきま〜す♪
その頃、現場では・・・
う〜ん、困った。いろいろ対策したのに、ゴミ不良が減るどころか増えている。
塗装室も、印刷室も毎日掃除しているのに、どうして?
あれぇ~?
不良の原因となっているゴミの大きさや形って調べてるの?
以前不良の原因となっていたのは繊維くずのようなゴミだった気が・・・。
その前は、忙しくて良く見て無いかも・・・。
やっぱり、ダークムーダーさんから紹介された測定装置が必要なのかな。
高くて手が出ないけど。
ちょっとまったー!!
必殺!ウエハ~ビーム!!
粗大粒子は、ウエハでサンプルして顕微鏡で調べれば分かるよ。
えっ?そうなの?!
高い測定装置を買わなくても済むんだ!
クリーン化オレンジさん、その方法をぜひ教えて下さい。
ゴミ・異物(粗大粒子)はどうやって調べる?
作業現場で、粗大粒子がどの程度飛散しているのかを調査する方法として2種類の方法をご紹介します。
1.粘着シート法
粘着シートを調査したい場所に置いてサンプルする方法です。
粘着シートは、サンプルしたゴミ異物を目カウントで数えるのが手っ取り早い方法ですが、複数ケ所を調査する場合は効率的ではありません。
そんな時に活躍するのが「ダスカー」です。粘着シートをスキャナーで自動カウントできるので効率的にデータ分析を行う事ができます。
2.プレート法
お勧めなのが「シリコンウエハ」でサンプルする方法です。
専用のトレーで持ち運びし易く、トレーが置ければどこでもサンプルは可能です。
「クリーンチェックライト」で確認することで、堆積状況の目視確認がとても簡単にできます。
装置の中や、クリーンブース内などの狭いエリアをサンプルしたい、と言った場合に活躍するのが「2インチウエハ」です。直径50mmのサイズなのでちょっとしたスペースがあればサンプリングは可能です。
顕微鏡でゴミ・異物の特長をとらえる
集めたゴミ・異物の大きさや形状を見る方法についてご紹介します。
1.USBカメラ
粘着シート法で集めたゴミ・異物を簡単に見るための必需品がUSBカメラ。「Dino Light」が有名ですね。
パソコンに接続して、専用ソフトでお手軽に解析できます。
モバイルパソコンとセットで持ち運べるので、現場で製品の保管状態や処理前後の表面観察などもできます。
イオナイザーの針先の確認や、ワイパー、手袋などの繊維の状況も簡単に見ることができます。
2.顕微鏡
シリコンウエハでサンプルしたゴミ・異物は、USBカメラで見ようとするとLED照明が写り込んで思ったように見ることができません。
そこで活躍するのが顕微鏡です。
分析手法については「今回の必殺技」をご覧ください。