【レポート】クリーン化技術セミナー2019

9月13日(金)安曇野サンモリッツにて、クリーン化技術セミナーを開催いたしました。

 

おかげさまで満席となり、会場を埋め尽くすほどの多くのお客様にご参加いただきました。

ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

 

お忙しい中ご参加いただき感謝なのだ

 

 

 

 

これまでのNCCクリーン化技術セミナーは、

  • クリーン環境の構築と局所クリーン化(2016年)
  • 現場リーダーが知って得するゴミ・異物対策知識とノウハウ(2017年)
  • ゴミ・異物対策のための局所クリーン環境構築テクニック(2018年)

現場を管理する方も、現場で実際に作業をする方も、全員でゴミ・異物不良の低減に向け、私たちも一緒になって解決していきたいという思いから技術セミナーを開催してまいりました。

 

2019年、今回のクリーン化技術セミナーのテーマは、不良ゼロ、ゴミ・異物低減の具体的アプローチ「異物不良の本質と気流制御の重要性」ということで、第1部は「ゴミ・異物不良の本質を知る」第2部は「気流を手なずける知恵」についてお届けいたしました。

 

 

 

 

 

ここからはダイジェストでお届け♪

 

第1部「ゴミ・異物不良の本質を知る」

ゴミ・異物による外観不良や機能品質不良は、これまでもこれからもずっと続く課題です。なぜ難題になるのでしょうか。それは、ゴミ・異物が小さく見えず、どこからそしてどこにあるのか分からないからです。そのため、解決にはまず本質を知る必要があるのです。

 

本質を知るとは何なのか。

  • ゴミ・異物は何なのか知ること
  • 発生メカニズムを知ること
  • ゴミ・異物を捉える感性を鍛えること
  • 感性を鍛える術を知ること → 見える化
  • 見ることで、実態を把握する
  • 実態を改善するためのアクションを組む

ということです。

 

 

ゴミ・異物にはどんなものがあるのか、どこから発生するのか、どうやって発生するのかを実際の写真・動画を交え学びました。人間は最大の発塵源と言われますが、発塵源の調査を行った過去の事例では約54%が人間に関わることが要因になっています。特に皮膚から脱落する総皮脂量は1日に約7.7g!!これらが製品に付着して不良につながることがありますので、ウエアの着方・動作には要注意です。

 

このように不良原因は発塵源から異物が発生し、空気の流れによって作業点・搬送点・保管場所の製品に付着したり、固着したり、内部に入り込んでしまうのです。そのため生産環境の正圧化が必要となります。作業環境がゴミ・異物を吸い込んでしまうような負圧にはなっていないでしょうか?今一度現場の状況を確認してみましょう。

 

 

突然ですが、シーファーからの問題なのだ。

 

【質問】ゴミ・異物がある程度の時間、空気中を浮遊できる大きさは概ね100μm程度です。高さ2mからゴミ・異物が床面に落下するまでの時間はどのくらいでしょうか。

 

100μm(直径0.1mm)は、終端速度25cm/秒とすると滞留時間は8秒です。

 

では、10μmの場合、4μmの場合ではどうでしょうか?

 

  • 10μmの場合 終端速度3mm/秒   ⇒ ○○分?
  • 4μmの場合 終端速度0.mm/秒   ⇒ ○○時間?

→答えはページ下に!

 

 

ゴミ・異物の大きさによって空気中の振る舞いはどのようになるのかを知っておきましょう。

 

本質を掴むためには、何といってもまずは見える化です。見えないものを見えるようにすることで、これまで感じていなかったゴミ・異物に対する感性が目覚めます。見えることで、存在を認識し、ゴミ・異物対策の道へつながるのです。これらは管理者一人だけでは成し得ないことです。携わるすべての方の認識がここには必要です。

 

 

第2部「気流を手なずける知恵」

手なずけるとはどういう意味か。大辞林 第三版によると…

 

てなずける【手懐ける】

  1. うまく扱って、なつくようにする
  2. さまざまな手段を使って、味方に引き入れる

現場で不良につながる要因として、気流(空気の流れ)は非常に大きな影響を与えます。ゴミ・異物対策をしてくためにも、気流を手なずけ歩留り向上、直行率アップにつなげましょう。

 

気流はどのような影響を与えるのか。ゴミ・異物は、人や製品への付着と落下、気流などの伝播経路(※)で運ばれます。目に見えない気流は、伝播経路として分かり難く見つけ難いので、気流を制御する必要があります。

(※)伝播経路とは、伝わり広まること、広く伝わること、広く拡散することを言います。

 

 

ゴミ・異物の伝播経路のイメージ

浮遊するゴミ・異物は時間とともに重力で落下して、床面や作業台、製品などに付着します。一度付着したゴミ・異物も気流などの外力によって、再浮遊して移動し、汚染の原因となります。

 

 

気流を手なずけるには、気流の性質を知り、現場の状態を把握すること。ゴミ・異物の伝播経路を塞ぐための局所クリーンの事例を交え気流の手なずけ方を学びました。

 

 

 

会場にはミニ展示コーナー!ゴミ異物対策に役立つグッズの展示を行ったのだ

 

まずは見える化!クリーンチェックライトシリーズ

10月には新商品「ZEUS」と「UVアーテルS」の2機種を発売いたします。

 

 

 

 

オープンクリーンシステム KOACH

約1分でスーパークリーン環境を構築することができます。スタンドタイプと卓上タイプと種類は様々。

 

 

 

 

気流可視化装置 エアーフローチェッカー

純水ミストを使用して、気流の見える化を行います。

 

 

 

はじめての異物調査に ダスカー®200

200μm以上の繊維ゴミや金属くず、樹脂片などの異物調査にお使いいただけます。

 

 

 

 

 

 

問題の答え

  • 10μmの場合 終端速度3mm/秒  ⇒ 11分
  • 4μmの場合 終端速度0.mm/秒  ⇒ 1時間7分

 

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