今回の必殺技では、繊維ゴミを『見える化』する2種類の技術を紹介します。
一つめの方法は、UVライトを使った方法です。
UVアーテルS
繊維ゴミは、そのほとんどが衣類から脱落した繊維です。
白色系の衣類に使用される繊維は、白さを保つために蛍光増白剤で処理されています。
そして、洗濯で使う家庭用洗剤にも蛍光増白剤が含まれています。
蛍光増白剤は波長300 – 400nmの紫外線を吸収し1)、400 – 450nmの青色の可視光線に変えて放出する性質を持っています。
1)蛍光増白剤の種類によって多少波長は異なります。
白色のコピー用紙なども蛍光増白剤で処理されているので同様の反応をします。
そのため、繊維ゴミにピーク波長が365nmのUVLEDライト「UVアーテルS」のUV光を当てると、発光して良く見えるのです。
そして、可視光をカットするフィルターを装着しているので、蛍光発光するものを選択的に『見える化』できます。
今回ご紹介するもう一つの方法が、「ダスカー」を使った数値化による『見える化』です。
ダスカー
10~100μmの粗大粒子の測定は、シリコンウエハでサンプルして「落下塵カウンター」で数値化できます。
しかし、繊維ゴミは100μm~数mm程度と大きな物が多く、シリコンウエハでのサンプルには不向きです。
そこで活躍するのが、専用の粘着シート「ダストサンプラー」で捕集し、数値化する「ダスカー」です。
以前は300μm以上を測定できていましたが、最新のもので100μm以上までの測定が可能です。
シリコンウエハと違い、粘着シートでサンプルするため飛散して来た繊維ゴミも確実に捕獲できます。