局所排気装置とは、工場や作業現場、実験室で発生する有機溶剤や粉塵などの有害物質が空間に蔓延したり、作業者が吸い込むことを防ぐためにダクトや排気ファンで屋外に排出する装置のことです。
有害物質が発生する近くへ設置したフード(吸い込み口)で吸い込んだ汚染された空気はダクトを通り、排気ファンから屋外へ排出します。この時、何もせず排出してしまうと大気汚染の原因となってしまうため、集塵機や排ガス処理装置といった空気清浄装置のダクト設置が一般的です。
しかし、現場にあったサイズや仕様でないと屋外へ有機物質が漏れてしまったり、室内に蔓延する可能性があるため、メーカーや設備に詳しい担当の方へ設置前に確認することが大切です。
局所排気装置に関する法令
労働安全衛生法には、「事業者は、労働者の危険または健康障害を防止するためにの措置を講じなければならない」と定め、局所排気装置の設置を含めた措置によって危険を防止し健康を守る必要性を示しています。
これはすべての現場で必要であるということではなく、特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則に該当する特定化学物質や有機溶剤を取り扱う場合には設置の義務が生じ、さらに該当する物質によって求められる局所排気装置の基準は変わります。
労働者のために有害物質を吸気するだけではなく、排気することによって起こる環境や近隣への影響にも考慮する必要があり、労働安全衛生規則では「事業者は、有害物を含む排気を排出する局所排気装置その他の設備については、当該有害物の種類に応じて、吸収、燃焼、集塵その他の有効な方式による排気処理装置を設けなければならない。」と定めています。
必要な届出
局所排気装置を設置、または移設や変更する際には、工事開始の30日前までに労働基準監督署に届け出をしなければなりません。
届け出には記載しなければならない内容が決まっていて、漏れがあると設置の許可がおりないため、提出前に念入りに準備しましょう。
届け出の内容は下記のとおりです。
- 設置届
- 摘要書
- 計算書
- 各種図面
- 作業場所の平面図
- 設置場所と周囲の関係
- 作業現場への案内図
計画通り装置が設置できるよう、どの届出をいつまでに提出しなければならないのか、書類に不備はないかなど確認は十分に行いましょう。