剥離(はくり)とは
はがすこと。はがれること。塗装業界剥離といえば、金属製品、部品の塗装や樹脂を剥がす作業のことをいいます。塗装を剥がす方法は、物理的方法、熱的方法、化学的方法の3種類に分類されます——–なんていうと難しく聞こえますが、噛み砕くとこんな感じになります。
●物理的方法・・・ヘラなどで削り落とす。砂などを吹き付けて研磨(ブラスト処理)する。スクレイパーで削り取る。要は力づくで塗装を剥がす方法です。
●熱的方法・・・500度前後の熱で加熱し剥がす方法です。塗装を熱で分解し、取り去ります。
●化学的方法・・・シンナーでふき取ったり、「剥離剤」を使って塗装を取り去る方法です。剥離剤については続きをどうぞ。
剥離剤について
塗装を除去する際には、「剥離剤」と呼ばれる薬品で塗装膜を「剥離」します。剥離剤は塗装面と素材表面の隙間に浸透し、塗膜を膨潤させ浮き上がらせて剥がすことができます。取り除かれた塗膜はフィルム状で再付着しにくくなるため、その後の処理が簡単になります。
シンナーで溶かすんじゃだめなの?
塗膜を取り除く場合、剥離しないで「シンナーで溶かしてしまえば良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。もちろんシンナーでOKの場合もありますが、シンナーは万能ではなく、対応できるものが限られているんです。
たとえば、溶剤が乾燥して塗膜となる「ラッカー系塗料」や「合成樹脂塗料」などであれば、シンナーで再溶解し取り除くことができます。ところが、硬化剤を混ぜて硬化している「2液型塗料」や、熱をかけて硬化している「熱硬化性塗料」については、シンナーに浸しても再溶解しません。
またシンナーで溶解しても、シンナーが蒸発すると塗膜が残ってしまうため、完全に取り除くには何度も洗浄する必要があります。
剥離と溶解は似て非なるもの。剥がすものの状態を見て、どんな方法をとるのか、きっちり見極めましょう。
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