
塗装業界の剥離とは、金属や樹脂に付着した塗料を剥がす作業のことを指します。
剥離方法は、物理的方法、熱的方法、化学的方法の大きく3種類に分類されます。
物理的方法
砂などを吹き付けて研磨したり(ブラスト処理)、サンドペーパーやスクレイパーで削ったり、カップワイヤーブラシを用いて剥がしたりと、力を加えて剥離する方法です。塗膜は力を加えることで剥がれますが、製品を傷つける可能性があり作業にも手間がかかります。
熱的方法
500度前後の熱で加熱し剥がす方法です。
熱を利用した剥離は塗膜が発火するリスクがありますが、最近では熱的方法の中でも「熱分解式剥離」という方法も生まれ、塗膜を灰化させることで高い安全性と剥離品質を実現しています。この方法では特定の化学薬品や溶剤を使用しないため、環境に優しく製品を傷つけることなく剥離できます。
化学的方法
剥離剤で塗料を取り除いたり、シンナーで拭き取ったりする方法です。
剥離剤は塗装面と素材表面の隙間に浸透することで、塗膜が膨潤し浮き上がって剥がすことができます。剥がれた塗膜はフィルム状で再付着しにくいためその後の処理が容易になる反面、液体分を含み産廃量が増えるという特徴があります。
わざわざ剥離剤を使用しなくても、シンナーで剥離できると考える方もいらっしゃるかもしれません。たしかにシンナーで剥離することは可能です。しかし、シンナーは万能ではなく対応できる塗料の種類が限られています。
例えば、溶剤が乾燥して塗膜となる「ラッカー系塗料」や「合成樹脂塗料」などであれば、シンナーで再溶解し取り除くことができます。ですが、硬化剤を混ぜて使用する「2液型塗料」や熱をかけて硬化している「熱硬化性塗料」などは、シンナーに浸しても再溶解しません。これらの塗料には、シンナーによる剥離は適さないので注意が必要です。
また、シンナーで塗膜を溶かした場合でも、シンナーが蒸発すると塗膜が再び残ってしまうことがあります。そのため、完全に取り除くには、何度も洗浄を繰り返さなければなりません。
