塗装の前処理にはワークを洗浄する目的もありますので、洗浄工程と混同されがちですがこの二つの違いについてご説明します。
”前処理”の正しい知識で錆も剥がれも撲滅だ!のページで解説したように、前処理には
- 油や汚れなどの不純物を取り除く
- 塗装との密着をUPさせる
- 素材の酸化を防ぐ(金属素地)
以上の3つの目的があります。
これに対して、洗浄工程は塗装の有無に関わらず
- 不純物の除去
のみが目的となります。
ですが、洗浄工程も塗装工程の前に行う処理であるため、前処理工程と言えるでしょう。
しかし前処理でも、
2. 塗装との密着をUPさせる
3. 素材の酸化を防ぐ(金属素地)
この2つは金属素材のものに対しての目的であることが強いので、プラスチック素材やガラスなどの無機物などは洗浄工程後はすぐに塗装工程という場合もあります。
しかし、一部のプラスチックは塗料の密着が難しいため、プラズマ処理などで表面改質をする場合があります。
これらの様に塗装を行う素材によって“前処理”の内容は異なるため、違いを明確に把握し自社の前処理は何かを正確に把握しておきましょう。