コンプレッサーエアーは食品、医療、半導体から、建築、工場など様々な現場で使用されています。それぞれの分野でコンプレッサーエアーに求められる品質は違ってきますが、ISOではコンプレッサーエアーの品質基準が規定されています。
それが「ISO8573-1(2001)/ JIS B8392-1(2003)」です。。
規格は「粒子」「露点」「油分」について定められていますが、それぞれの分野で求められる一つの基準となっています。
では、「塗装分野」という視点で見た場合、どのような等級を目指すべきなのでしょうか?
固体粒子の等級
固体粒子はパーティクルカウンターで測定します。
塗装分野で、ゴミブツの原因となる粒子径は膜厚にもよりますが、10μm程度以上のサイズが問題になります。
従って、このISOの基準で規定されているサイズでは問題にならない事が多いはずです。
ただし、5μm程度の粒子が増えてくればそれ以上の粒子も相対的に増加します。
また、小さな粒子であっても、それが塗料のハジキなどに影響する物質(水、油、シリコーンなど)の場合、少しでもあればハジキが発生しNGとなりますので、それらも考慮し自社の基準を検討ください。
湿度と水分の等級
露点温度に関しては、露点計での測定が容易に行えます。
「ズバリ解決!3Cラボ」でもご説明しましたが、塗装において水分は悪い事ばかりです。できるだけ少ないに越したことはありませんが、現実的には限界があります。外気温や室温にもよりますが、露点温度は1桁温度以下、できれば氷点下にしたいところです。等級では3から4等級となっています。できるだけこの数値に近づけられるよう管理してください。
オイル濃度の等級
オイル濃度に関しては、検知管を用いた方法でしか正確に測定できません。
塗料にオイルが入る場合、ハジキの原因になる可能性が高いため、少しでも入って欲しくないところです。
コンプレッサーが「オイル式」か「オイルフリー式」かにより、この濃度も大きく影響を受けます。塗装に使用するコンプレッサーエアーはできるだけオイルフリー式のコンプレッサーを推奨いたします。