工場でご使用の「コンプレッサーエアー」はキレイですよね?

【今月のお悩み】

季節の変わり目には、なぜか塗装不良が発生しやすくなるんだよねー。特に「ハジキ」や「肌感」の不良が多くなる。

シンナーの乾燥速度も気温に合わせて変えてるのになんでだろう? いろいろ対策してもなぜか改善しないんだよな~。

う~ん、困ったな。助けて~ 3Cラボ!!

 

 

 

相談者A

季節の変わり目は「ハジキ」や「肌感」不良が増えて、なかなか改善しないんだよな~

塗装グリーン

それはコンプレッサーエアーの汚れが原因かもしれません!

相談者A

あ、塗装ブルー、早速来てくれたんですね!

コンプレッサーエアーの汚れ?? 考えてみたこともないけど、

きちんとドライヤーやフィルターで対策しているから、大丈夫だと思ってますが・・・

塗装グリーン

本当に? 大丈夫ですか??

それではエアーを“見える化”してみましょう!

相談者A

え~っ! こんな状況なの!?
知らなかった・・・ 今まで知らずに使っていたなんて・・・(愕然)

なんでこんなことになってるの??

塗装グリーン

ご覧の通りコンプレッサーエアーの中に水分や油分が含まれていることが

意外と多いんです。これが「ハジキ」の原因かもしれません!
きちんと問題点を見える化して的確に対策していきましょう!

 

 

相談者

まさかコンプレッサーエアーに問題が潜んでいたとは!(驚)

希望が見えてきました! いろいろと教えてください。

 

 

 

 

なんでコンプレッサーエアーが塗装不良(ハジキ)に影響するの?

 

「ハジキ」による塗装不良は、簡単には解決しづらい上に、突発的に発生することが多くあります。

ハジキ不良を確認してみると、エクボのようにいきなり凹んでいる場合があります。

 

 

まずは証拠写真をご覧ください。

 

                                      ↓  ハジキ写真  ↓                                                                        ↓  拡大写真  ↓        

      

 

 

 

この凹みの原因は、主に「水分」や「油分」です。

コンプレッサーのエアーの中に水分や油など塗料と混ざりにくい物質が含まれているために、このようなハジキが発生しているのです。言い換えるとハジキの元凶はコンプレッサーエアーだったのです!!

 

 

 

塗装の高品質化に伴い、光沢や平滑性を高めた塗料が増えてきました。

そのために塗料のレベリングを上げ、塗装直後の塗膜流動性が増されています。

 

そこに水分や油分が入ると、その周りの塗料が逃げて、エクボ状のハジキが発生しやすくなるのです。

特にウレタン塗料などのようにアルコール系の溶剤が入っていない塗料は、顕著にこの傾向が出ます。

 

また、粉体塗装などを行われている場合も同様です。

タンク内の流動エアーや搬送エアー等に水分等が入ると、ホース内で塗料が固まったり、ダマになったりする問題が発生します。

 

 

 

塗装グリーン

塗装にとって、エアー中の水分も油分も、悪いことばかり!

だからこそ、コンプレッサーエアーの「質」に注目して欲しいのです!

 

 

 

 

エアコンプレッサーの「質」ってどういうこと?

 

エアーの質は、「粒子状物質」「水分」「油分」の3つの物質が問題になります。

 

様々な分野でコンプレッサーエアーが使われていることから、ISOでも規定されていますので、詳しいことは「3Cラボ的用語解説」にて説明いたします。合わせて読んでみてください。

塗装分野で特に注意が必要なのは、冒頭でもお話しした「水分」と「油分」です。

 

エアーの「質」についてお話をすると、ほとんどの方が「〇〇µmを99%カットするフィルター付いてるから大丈夫」とか、「エアドライヤーをつけているから大丈夫」と答えられますが、実際に見える化すると、その汚れにびっくり!ということは珍しくありません。

 

 

改めて考えていただきたいことは、コンプレッサーエアーと素材や塗料は、様々な場面で接触しているということです。

 

「コンプレッサー」といっても、いろんな種類があり、例えば、研磨工程でのエアツール排気、除塵・除電のエアブロー、塗料撹拌用エアモーター排気、塗装スプレーエアーなどなど、細かく挙げればもっとあると思います。

 

この接触機会の多いエアーが汚れていたら・・・どんな結果になるか、容易に想像できるはずです。

まずは、「ここは大丈夫だから」といった先入観を捨てて、実際に見える化してみましょう!

 

 

 

怪しいぞ?! コンプレッサーエアーを“見える化”する3つの方法

 

コンプレッサーエアーの見える化が重要であることは理解していただけたと思います。
しかし実際に見える化しようとすると、自己流ではなかなか難しいのが現実です。

 

スプレーノズルから霧状のエアーが出るなど、明らかに「何かおかしいぞ?」と思えるような場合は、わざわざ見える化するまでもありませんが、注意が必要なのは、良さそうに見えて「質」の悪いエアーです。といっても、コンプレッサーから出るエアーにふくまれてる油分や水分は、粒子が小さすぎて人の目には見えませんが(笑)。

 

 

 

これらを見える化するためには、以下の3つの方法があります。

 

①パーティクルカウンターを使った粒子測定

 

 

露点計を使った水分(露点)測定  ← 3Cラボおススメ!

 

 

 

検知管等を使った油分・水分測定

 

 

 

 

①と③は測定に特殊装置や特別なノウハウと技術が必要なので、プロとタッグを組んで本格的な調査が必要になりますが、比較的簡単にできるのが、②の露点計を使った方法です。

 

 

3Cラボでは今回、コンプレッサーエアーの計測器Walcom® MTチェッカーを使用して、実際に測定してみましたが、これなら自社でも手軽に「見える化」ができると実感しました。

 

詳しい測定法検査については『今月の必殺技』で説明しておりますので、合わせてお読みください。

 

ここでは

 

「見える化」には3つの測定方法があること

●自社で手軽にできるのは露点計を使った方法である(3Cラボおススメ)

 

この2点をおさえていただければと思います。

 

塗装グリーン

見える化の具体的な方法は『今回の必殺技』で熱く語りました!

そちらを読めば対策もさらにバッチリ!!

 

 

 

エアーの質が悪いという結果に。じゃあどんな対策をとればいいの?

 

見える化した結果、エアーの質が良くなかった場合、当然対策が必要になります。

 

しかし、どの程度の数値であればOKで、どこからがNGなのかはケースバイケース。一概に言えないところが、また難しいのですが、3Cラボの調査では、露点計で測定をした数値が室温や外気温より高い場合に、霧状のエアーが噴出される可能性が高くなることがわかりました。

 

従って、露点温度は1桁台の温度以下が望ましく、理想は氷点下にしたいところです。

 

 

 

そこを踏まえた上で、対策のポイントをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

 1.基本構成にのっとった仕様になっているか?

まずは下図のように、コンプレッサーのエアラインの基本構成に則った仕様をお勧めします。

ご覧の通りそれぞれの装置にはきちんとした目的があります。基本に沿った構成になっているか確認してください。

 

 

基本構成図↓

     

機器名 働き・機能

①コンプレッサー →空気を圧縮し、圧縮空気を作る
②エアタンク →圧縮空気を貯め圧縮空気の圧力や流量の変化を抑える
③メインフィルター →不純物(微粒子、オイル等)を取り除く
④エアドライヤー →圧縮空気中を冷却し、水分を取り除き、乾燥した空気にする
⑤エアレギュレーター →使用に適した圧力に減圧・調整する
⑥エアフィルター →配管内で発生した不純物(微粒子、オイル等)を除去する

 

 

また、その際にエアーの使用量や圧力も確認しておきましょう。構成はあっていても、処理が追い付いていない場合もありますので、各機器の能力確認をお願いします。

 

 

 2.メンテナンス状況の確認

コンプレッサーオイルの状況、液化されたドレンの排出状況、フィルターの交換頻度、冷却ガスの量など、それぞれの確認をお願いします。

 

 

 3.周囲の空気の「質」の確認

構成やメンテナンスが大丈夫でも、コンプレッサーが吸っている周辺空気の「質」も大きく影響します

高温高湿な空気やオイルミストやほこりを吸込んでいないかなどもチェックしてください。

 

 

 4.コンプレッサーの設置場所とエアーを使用する場所の距離

ここも意外と見落とされがちなのですが、コンプレッサーからエアーを使用している場所が離れている場合場合、エアラインの配管内でドレンや異物等が発生することがあります。大切なのは使用する直前にドライヤーやフィルターが設置されているかどうかです。

 

もし、付いていなければ、付けていただく必要がありますが、取付の際には圧損等を考慮した上でフィルターを選定してください。

 

3Cラボのおススメは、3in1マルチドライフィルター」です。

こちらのフィルターについては『今月の必殺技』で詳しく説明しておりますので、そちらもご覧ください。

 

 

 

 

以上です。

このようにキチンとした構成と、定期確認と定期メンテナンスを行うことで、コンプレッサーエアーを原因とする不良への対策につながります。

 

 

 

自分でできる! コンプレッサーエアーの状況セルフ・チェック

コンプレッサーの状況を確認すると、問題があるかどうかが見えてきます。チェックリストに1つでも×があれば、コンプレッサーエアーの「質」が良くないかもしれません。まずは、ご自身で確認してみて下さい。

 

  • コンプレッサーの周辺はキレイで熱が籠らない状態でしょうか?

外気を取り込みますので、吸込む空気の質も影響します。コンプレッサー周辺の空気は清浄でしょうか? 

加工油の油煙が入ったり、水蒸気やほこりなどが吸い込まれるような状態ではないでしょうか?

 

  • タンク、ドライヤー、フィルター等のドレンは溜まっていませんか?

空気は温かいと多くの水分を含んでいますので、冷やして結露させ取り除きます。
結露させた水分(ドレン)をきちんと除去する(排出)ことが重要です。残った状態では配管を通って末端まで運ばれてしまいます。

※ドレンには油分が含まれる場合がありますので、きちんと処理して排水してください。

 

  • 使用する末端近くで再度フィルターにて濾過されていますか?

広い工場ではコンプレッサーエアーが作られた場所と、使われる場所が離れていることが良くあります。

そうするとせっかく質を良くした「エアー」が再度結露したり汚れたりすることがあるので、

使用する直前にレギュレーターやフィルターを取付け「質」を良くしましょう。

 

  • フィルターエレメントの交換は定期的に行っていますか?

フィルターエレメントの定期交換がされていなければ、フィルターから再汚染する可能性や圧損が発生している場合があります。

 

 

測定や対策にご興味ある方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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