今回のズバリ解決!3Cラボでもお話ししましたが、洗浄工程に炭化水素系洗浄剤、リンス・乾燥工程にフッ素系洗浄剤を用いる洗浄をコ・ソルベント洗浄と言います。
この洗浄方法はあらゆる汚れの洗浄が可能で、高効率・高品質を叶える洗浄方法ですが、実際どのように洗浄剤を使い分ければ良いのでしょうか。
ここではコ・ソルベント洗浄の基本的な運用方法をお伝えします。
コ・ソルベントシステムの基本的な運用方法
洗浄工程は大きく分けると『 洗浄 ⇒ リンス(すすぎ)⇒ 乾燥 』の3工程で構成されますが、コ・ソルベント洗浄は、2種類の溶剤を洗浄工程とリンス工程で使い分けます。
溶剤を使い分ける意味として、洗浄工程では、製品に付着した汚れ物質を対象物表面から脱離させる効果があり、リンス(すすぎ)工程では、洗浄工程で使用した洗浄剤をワーク表面から脱離させるとともに、混入している汚れ物質を再付着させないという効果があります。
コ・ソルベント洗浄の運用例は以下の通りです。
洗浄剤の使い分け
コ・ソルベント洗浄には炭化水素系洗浄剤(またはグリコールエーテル系洗浄剤)×フッ素系洗浄剤以外の組み合わせはありません。
洗浄工程で使用する洗浄剤
炭化水素洗浄剤またはグリコールエーテル系洗浄剤
リンス(すすぎ)工程で使用する洗浄剤
フッ素系洗浄剤
適応分野
液単価の高いフッ素系洗浄剤を用いるため、ランニングコストは多少高くなります。
そのため、
- 単価の高い部品
- 油脂洗浄力の必要な機械加工部品、プレス部品、ベアリング、HDD部品
- フッ素の細部浸透力の高さを活かした細穴や狭い隙間がある部品
- 沸点の低いフッ素だから可能な、高温で洗浄できない部品
- 洗浄力の高い炭化水素の強みである精密洗浄が要求される部品、接点部品、プリント基板、接着剤除去
・・・等、ランニングコストに見合うワーク洗浄での運用を検討してください。
洗浄システムの例
ここでは、コ・ソルベント洗浄システムの一例を紹介します。
【工程】
- 洗 浄(炭化水素):浸漬超音波で、製品に付着した汚れ物質を脱離させる
- 洗 浄(炭化水素):浸漬超音波で、製品に付着した汚れ物質を脱離させる
- リンス(フッ素):浸漬超音波で、工程①、②で使用した洗浄剤を脱離させる
- リンス(フッ素):蒸気洗浄で、工程③で混入している異物等の汚れ物質を脱離させる
- 乾 燥:蒸気洗浄後、工程④で製品に付着した洗浄剤を揮発させる
こちらで紹介した洗浄システムはあくまでも一例となります!
コ・ソルベント洗浄をご検討の際は、お客様の洗浄品質に見合ったシステムを提案致しますので
こちらまでご相談下さい!