![](https://ncc-3clab.com/wpdir/wp-content/uploads/2020/06/c-mix.jpg)
羽がないのに、なぜ混ぜられるの?
「C-MIX(シーミックス)」の最大の魅力は「遠心撹拌」にあります。それを可能にしているのが、この穴の空いた回転体。こちらを液体の中で回転させることによって遠心力が発生し、液体を均一に混ぜることができるのです。
この「遠心撹拌」という新技術の開発者にお話をお聞きしたところ、その方はもともと塗装をされており、様々な塗装不良に悩まされていた実体験を山のようにお持ちでした。この現場のお困りごとをなんとか解決したいと試行錯誤を繰り返し、やっと辿り着いたのが遠心撹拌という新しい撹拌方法だったのです。
とはいうものの、まったく新しい技術なので、とにかくデータがない・・・ということで、埼玉大学の協力を得て、数々のエビデンスを取得することができました。その中でも特にお伝えしたいのが、次の2点です。
「均一性」に関して分かったこと
C-Mixが回転し、横の穴から噴流が放出され、その噴流が流体に振動を与え混ざります。流体はその後槽の壁面に沿って底面の隅にまで到達、底面上を中心付近まで移動した後、再び吸入流に吸い込まれ、C-Mixに帰るように循環され、槽内全域が隅々まで均一に撹拌されることがわかりました。
吸い上げに関して分かったこと
上昇流の強さは、C-Mixの方が羽根タイプの撹拌期よりも強いことを確認できました。羽根の場合、上下両方向から吸入されますが、吸入の力はC-Mixに比べ弱いものでした。
C-Mixは強い吸入と放出される噴流によって広い範囲での循環が作られることにより槽内が撹拌されます。
こうした研究結果から、きちんとした撹拌が可能であることが証明されました。
羽がないことのメリット
「羽がない」ことで、よいことがたくさん起こります。わかりやすいように箇条書きにしてみました。
●よく混ざる
C-Mixが回転することで生まれる旋回流と、下から吸い上げる吸入流が同時に発生するので、容器の中の液体が上下入れ替わり、立体的な撹拌流が生まれます。容器の隅々まで液体がよく動き、均一な撹拌が実現します。
●低せん断
回転体に突起物がないので、液体の含有物をせん断したり、痛めたりすることなく、均一に混ぜることができます。たとえば、おしるこを作る時に、ふっくら炊けた小豆を潰さずに砂糖と混ぜることができる・・・というシーンを思い浮かべていただくとイメージしやすいでしょうか。
また、羽の回転による摩擦熱も起こらないので、液体自体の温度の上昇を抑え、塗料の劣化を防ぎます。
●空気が入らない
回転するときに空気を巻き込まないので、塗料に空気が入りません。気泡による塗装不良の軽減に貢献します。
また、高速回転することによって発生するマイクロキャビテーションにより、気泡=泡が発生することがあるのですが、低速回転で撹拌するため、キャビテーションが発生しにくく、気泡による塗装不良の発生低減に貢献します。
●安全
羽がないので、万が一、撹拌中に回転体と接触しても安全です。また、槽内面への接触による削れ等を防ぎ、異物不良が発生しにくくなります。
●メンテナンスしやすい
シンプルな構造なので、使用後は洗浄液の中で回転させるだけで、回転軸や穴の溝までキレイになります。
他人とは思えない!愉快な「遠心撹拌戦隊マゼンジャー」にも注目
ほかにもたくさんの魅力を持つC-Mixですが、開発元の株式会社アクアテックス様のWebサイトの中で最もシンパシーを感じたのが、「遠心撹拌戦隊マゼンジャー」の存在。「マンガで知る!C-Mix」のページでご覧いただけます。
マゼンジャーはレッド・ブルー・ピンク・グリーン・イエローの5人。この感覚、仲良くなれないわけがありません(笑)今後、「遠心撹拌戦隊マゼンジャー」と私たち3Cラボの「ラボレンジャー」との夢のコラボが実現・・・するかもしれませんよね。
様々な用途で活用!羽根のない撹拌体の意外な使い道、ご紹介!
-
アルカリ脱脂層の撹拌
前処理のアルカリ脱脂は、薬液の混ざりやスラッジが沈殿しやすく、ヒーターパネル等に付着し熱効率が落ちたり、付着物になり塗装不良の原因になることがあります。羽根の無い撹拌体を使うことにより、そういった問題が解決した事例があります。
-
廃水処理の高分子凝集剤の撹拌
廃水処理の反応槽ではいち早く薬品をかき混ぜ均一に反応させる必要がありますが、羽根式の撹拌羽根では空気の巻き込みや撹拌不足により、処理が不十分で薬品の使用量が増えてしまったり反応が弱い場合がありますが、解決した事例があります。
-
メッキ槽の撹拌とメッキ薬剤の連続供給装置
-
ゴム製造工程
→離型材の撹拌用途
-
飲食料品
→ドレッシング液の撹拌、生卵の撹拌、豆乳とにがりの撹拌等