製品を洗浄後、エアブローを利用して乾燥しています。
ですが製品の溝まで完全乾燥させることができずそれどころか、製品表面に白い跡が残り塗装不良を引き起こしたり、工程によっては再洗浄もしくは不良品として廃棄となってしまいます・・・。
何か良い乾燥方法ありませんか?
色々な乾燥方法を試しているのに、
洗浄後の製品にどうしても水分が残って白い跡がついてしまい、
不良を引き起こします・・・。
水分を完全に乾燥させることは意外と難しいですからね~
これ以上不良品を減らすことはきっとできませんよ~ヒヒッ
試行錯誤した結果だからきっと今の状態が1番なのかな・・・
間違いありません!このまま乾燥作業を続けましょう!
(今日も不良品だらけだぞヒーヒヒヒッ)
待てぃ!ダークムーダー!
不良発生の手助けはさせない!
出たな、洗浄ブルー!
お客様の乾燥作業を邪魔しおって!
邪魔をしているのはあなたの方です。
乾燥をしっかりとすることで不良削減が叶うかもしれません!
私が乾燥について1から詳しく教えます!
不良削減が実現するかもしれないんですね!?
乾燥についてお話し聞きたいです!!
今回こそはうまくいくと思ったのにぃ~!
クゥーーーーー覚えておれーーーーー!!
乾燥とは?
乾燥という言葉は「肌が乾燥している」「空気が乾燥している」など日常的に皆が使用する言葉ですが、乾燥度合いをイメージするには曖昧な表現です。
しかし、ものづくりの洗浄工程においては、製品に付着した水分や溶剤分を完全になくすことを指します。
一般的な洗浄工程は「洗浄→すすぎ→乾燥」と構成されていますが、なぜすすぎの後に乾燥作業が必要となり完全に乾燥させることが求められるのでしょうか?
乾燥作業の必要性
乾燥作業の有無が製品の仕上りに左右するの?と正直疑問に感じますよね。
実は乾燥作業で水分を100%取り除かないと、水分のシミが見た目に影響したり、製品を腐食させてしまいます。
例えば雨が降った次の日に車には水の跡が白く残りますが、これは表面に付着していた汚れが水と混ざりあうことで浮き、シミのように白く残るからです。
ワークの乾燥作業も同様に、水分を完全に取り除かないと水分や溶剤分の跡が残り、洗浄したにも関わらず製品の表面に汚れが付いているように見えます。
またワークが金属の場合、水分の乾燥が不十分だと付着している水分へ金属イオンが溶け出し、酸素と水が結合することで錆が発生してしまいます。
樹脂製品のように錆が発生しないものもありますが、銅製品、鋳物などの鉄製品、番手によってはアルミなど金属は錆びる可能性が高い製品が多いため要注意です。
腐食してしまったり汚れが付いてしまうと再洗浄もしくは不良品として廃棄するため、余計な手間とコストがかかり、生産性の低下を招きます。
では、どのように乾燥させれば乾燥不十分による不良発生を防ぐことができるのでしょうか?
不十分な乾燥による不良品を減らすためにも、乾燥方法について教えます!
乾燥方法を選ぶ前に
水分や溶剤分を完全乾燥させないと、塗装前なら塗装不良、仕上げ工程なら洗浄不良となり“再洗浄”もしくは“不良品”となります。
不十分な乾燥にならないよう、最適な乾燥方法を選ぶために考慮すべき5つの項目をご紹介します。
条件 | 条件内容 | |
① | 使用する洗浄剤 |
水系、準水系、炭化水素系、 フッ素系、塩素系、臭素系など |
② | 乾燥時間 | 短い~長い |
③ | 処理量 | 少ない~多い |
④ | 洗浄後の品質 |
製品にシミがないこと、 油分がないこと、錆がないことなど |
⑤ | 洗浄設備との組み合わせ |
乾燥前の洗浄およびすすぎ方法が 選択した乾燥方法に最適であること |
以上の5項目をもとに、最適な乾燥方法を選びます。
乾燥時間や処理量は一見関係にないように思いますが、乾燥時間が短いと十分に乾かない可能性もありますし、処理量が多いと全製品に対して効果がいきわたらないかもしれません。
しかし、どのくらいの時間が短くてどのくらいの量が多いのか漠然とした表し方なので分かりにくいですよね。
乾燥時間においては極論を言ってしまえば1秒でも乾燥させることはできますし、ずっと置いておけば何時間でも何日でもかけて乾燥させることができます。
また処理量も乾燥時間と同様に、1gから1tまで処理することは可能ですので、「短い~長い時間」や「少ない~多い量」を明確な数値で表すことは難しいです。
細かいポイントですが、これらを考慮することで適した乾燥方法を選ぶことに繋がり、不良品発生防止へと繋がります。
洗浄剤との関係
乾燥方法の選別に関する項目の中に「使用する洗浄剤」がありましたが、洗浄剤と乾燥方法には適した組合せがあり、下記の表がその組み合わせを記載したものになります。
乾燥方法 | 洗浄剤の適性 | |
① | 熱風(温風)乾燥 | 水系、準水系、炭化水素系 |
② |
熱風(温風)吸引乾燥 | 水系、準水系、炭化水素系 |
③ | べーパー(蒸発)乾燥 | 塩素系、臭素系、フッ素系 |
④ | 真空べーパー乾燥 | 炭化水素系 |
⑤ | その他の乾燥方法 | 全般 |
上記の表に沿わない洗浄剤の使用であっても洗浄は可能ですし、乾燥もできます。
しかし、完全な乾燥状態を実現するとなると難しい部分があるため、適した洗浄剤の使用をおすすめします。
5つの条件について考えないまま乾燥方法を試していたので、
満足する効果がありませんでした。
乾燥方法についてさらに詳しく知りたいです!
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