金属加工後の洗浄工程に携わっています。
先日元請け先の監査時に「洗浄品質の管理方法について」聞かれ、回答に困ってしまい「次の工程で不良が出ないようにしています。」と答えましたが、どのように答えたら良かったのでしょうか。
見た目は綺麗に洗えているし、汚れが取れていれば大丈夫だと思っていたのですが・・・誰か教えてくださ~い!
ひっひっひ、見た目がキレイならよく洗えていなくてもバレないはず。
これはムダを増やすチャンスですね~、いーっひっひっひ!!
現場にて・・・
安心してください、キレイですよ!・・・いや、なんて言えば良かったんだろう?
洗浄工程や洗浄剤を一から説明してたら時間も無いしなぁ。
いひひっ!その通り、見た目がキレイなら何も問題ございません!
私がお持ちしたこのワークをご覧ください、簡単な水洗いですが見た目はとても良いでしょう?いひひひっ!
確かにうちの洗浄後ワークと同じくらいキレイに洗えているように見えますね。
やはり見た目以外で判断する方法がわからないので、今後もこのままやろうと思います。
お待ち下さい!
目視だけでは不十分な場合は、清浄度評価を検討してください!
清浄度?評価?それはなんですか?
元請け先の監査時の明確な回答になる、製品の洗浄品質を表す方法です!
ある程度の洗浄品質が要求される場合、目視だけでは後工程で不良が発生する危険性があります。
この私が解説致しましょう!
え、本当ですか!
ちょうど今そのことで悩んでいたところなんです。
ぜひお願いします!
く、くそ~あと少しだったのに!
おのれラボレンジャー、次はこうはいかないぞ~!きぃ~っ!
清浄度とは?
あなたがレストランに行った際、「洗浄済み」と書かれたコップを見たことがあると思いますが、このコップがどのくらいキレイなものかわかりますか?
「スポンジと水道水で手洗いしたもの」や「温水を使い食洗機で洗浄したもの」、「業者に洗浄を委託したもの」など、洗浄方法や人によってイメージできるキレイさは違いますよね。
ですので、洗浄されたものがどのくらい「キレイ」なのかは、洗浄済みのコップ自体を検査して誰でも共通認識できるような形で評価しないといけません。
上記の例だと、どの洗い方でも人体に影響がないレベルのキレイさだと思いますが、工業洗浄の場合そうはいきません。
製品によってはわずかな異物でも誤作動を起こす危険性もありますし、その場合決められた基準以上のキレイさで洗浄する必要があります。
そこで役立つのが、清浄度です。
洗浄後の清浄度とは、一般的に洗浄した製品の表面など、対象として考えている物体・物質のキレイさのことで、一定面積または一定容積中に含まれる汚染物の寸法と数または質量によって表されます。
評価方法の選定について
洗浄後の清浄度評価といっても様々な方法がありますが、洗浄方法や製品形状などにより決まっておらず、一概にこれで良いというものはありません。
洗浄後の品質基準や後工程の作業内容・作業性等を考慮して使い分けましょう。
清浄度の評価方法は、大きく2つにわけることができます。
- 定性評価
- 定量評価
これらについてご説明します。
定性評価と定量評価の違い
定性評価は感覚的な評価方法ですが、定量評価は汚れの度合いを数値化できるため、洗浄品質の向上と安定した管理に繋がります。
洗浄後に切削加工するため切粉が取れていれば良い場合は目視などの定性評価をおこないますが、洗浄後の製品が汚れ(汚染)により接着不良や塗装不良、さらには製品の動作に影響を及ぼす不具合を引き起こす危険がある場合は分析機器などを使用した定量評価が必要となります。
定量評価を実施した方が良い場合の一例として、
- 電子部品など目に見えないサイズの異物や油分が残っていると誤作動を起こす危険性がある場合
- 納品先より洗浄品質に指定がある場合
- 加工図面に残留油分や付着異物に対する指示(50μm以下の異物無き事等)が書き込まれている場合
・・・などが挙げられます。
また、新規で洗浄機を納入する場合には、残留油分や異物の指定があるため必ず洗浄デモを行い定量評価で清浄度を評価します。
次の監査までには清浄度評価を行い管理体制を整えたいと思います!
でも、当社の場合どんな方法が適しているのでしょう?
ご安心ください!
清浄度評価の具体的な種類や方法について必殺技で紹介致します!
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