【今月のお悩み】
超音波洗浄機を使って洗浄しているのですが、以前と比べて洗浄品質が悪くなってしまいました。
早急に問題を解決したいのですが原因がわかりません。
助けて~ 3Cラボ~
洗浄する製品は今までと汚れの程度も変わらないし、
使用している洗浄剤も従来通りの物を使用しています。
超音波洗浄機の設定変更もしていないのに・・・
もう、どうしてこうなってしまうのかわかりません。
洗浄不良のことなら私にお任せください!
お任せしたいのですが、洗浄工程は何も変わっていないのに
洗浄不良の原因がわかるのですか?
それでは超音波洗浄機の超音波が機能しているか確認してみましょう!
洗浄不良の原因がすぐに解明できるかもしれません💡
ありがとう♪
超音波の確認が簡単にできるなんて知りませんでした。
問題解決に向けて期待が持てそうです。
そもそも洗浄の原理ってどういうものなの?
工業分野の洗浄工程は、おもに【洗浄剤(化学的要素)】と【洗浄機(物理的要素)】を組み合わせて洗浄を行います。
油分などの汚れを溶解させるためには、洗浄剤の使用は不可欠です。そして、洗浄剤と併せて製品の隅々まで洗浄できるように、超音波やシャワーなどを搭載した洗浄機を使用します。
洗浄剤と洗浄機が持つ機能バランスが崩れてしまうと洗浄不良が起こりやすくなります。
その要因のひとつが超音波の減衰や故障です。今回は超音波にフォーカスして、なぜ洗浄不良は起こるのか、洗浄品質を保つためにはどうすればいいのかを、噛み砕いてお伝えしていきます。
超音波洗浄とは?
工業分野での超音波を活用した洗浄は、洗浄槽に超音波振動子を設置し、超音波により洗浄剤を振動させ、
製品に付着した油分や異物・汚れなどを『キャビテーション』で洗浄します。
キャビテーションとは、水中で超音波振動を与えると超音波振動の収縮振動により液中の気泡が膨張し、急激に収縮して爆発する現象です。その衝撃波により洗浄が可能となります。
逆に、超音波に不具合があると、洗浄に活用している物理的効果が衰えてしまうため、洗浄不良の要因に繋がります。
キャビテーションについての詳しい情報は
3Cラボ的用語解説の超音波洗浄の仕組みを見て下さいね!
超音波の不具合を発見するには?
ご存知の通り、超音波は「人間の耳に聞こえない音」なので、聞くことも見ることもできません。
そこで、洗浄効果の指標として用いられているのが「音圧」、簡単に言えば「音の大小」です。
超音波洗浄機では、洗浄槽の形状、洗浄剤の種類、量、使用する超音波の周波数等により、洗浄槽内で音圧分布を生じています。洗浄機の中で超音波の減衰や故障があると音圧は低下するので、日々音圧管理をしていれば洗浄不良も未然に防げる、というわけです。
この音圧の変化を「見える化」するのが『音圧計』です。
精密洗浄が求められる昨今、『音圧計』は、超音波洗浄機の維持管理等に最適なアイテムです。
音圧計の詳しい情報は必殺技で公開中です!
※掲載写真及び一部技術内容は、オタリ㈱様より提供されております。
著作権により、本内容の一部または全部を無断で複写・転載することを禁じます。