前回のあらすじ
前回の3Cブログ塗装編「塗料の溶解状態がブツ不良に繋がっていた!」にて、シンナーの種類を減らすべく安いものへとまとめてしまおうとしていた困ったさん。
そこへ現れたダークムーダの巧な話術で誘導されそうになるものの、塗装グリーンの登場により気付かされ、塗料の希釈に用いる「希釈用シンナー」について、塗料にあわせたシンナーを使用する重要性を学びました。
しかし、塗装不良を減らすには使用する”道具”もシンナーで綺麗にする必要があります。
ですので今回の塗装編はそんな”洗浄用途”のシンナーについて解説しちゃいます♪
前回希釈用シンナーについては詳しくわかったけど・・・。
道具を洗うシンナーは捨てるような物だから再生品の安いやつで
問題ないんじゃないの?
確かに再生品でも綺麗になります。でも本当に綺麗になっていますか?
意外と目の届かないところに塊が残り、それが原因で塗装不良になっている
ことも多いんですよ!
目の届かないところに?!
そういえば・・・、洗浄しているはずなのにブツ不良が多い気が・・・。
洗浄不足が原因?
その可能性は否定できません!
洗浄不足だとしても・・・、わざわざ洗浄用のシンナーを使うのではなく
塗料にあった希釈用シンナーを使えばいいんじゃないの?
希釈用シンナーについて知るとそう思いますよね?ですが、実はそうではないんです!
洗浄用・希釈用との違いを私がわかりやすく解説します!
そうだったんですね!
洗浄用シンナーを用いる理由がよくわかりました!
洗浄用シンナーは安い物で良い?
塗装後・色替え時など様々なシーンで行われる洗浄ですが、「洗い流すだけだから、出来るだけ安いシンナーで済ませたい」と比較的安価で気軽に使用できるシンナーを”洗浄用シンナー”としている現場が多くあります。
その中でも多いのが”再生シンナー”です。
再生品のシンナーは様々なシンナーを再生しブレンドしているため、溶剤の種類も様々なものが含まれています。
ですので、ある程度塗料を溶解する力はありますが、一見綺麗に洗浄できているように見えても、分解してみると配管内には塗料がコレステロール状に固まっていることがほとんどです。
この“塗料カス”が堆積、離脱することにより様々な「塗装トラブル」の原因となっているのです!
物理的に洗浄(擦り洗い等)が出来れば、再生品や溶解力が多少低いシンナーでも綺麗に洗浄することは可能ですが、塗料配管内などの手の届かない箇所はシンナーの溶解性が非常に重要となります。
「再生品=ダメ」ではなく、洗浄性を確認したうえで最適化された成分であれば問題ありません。
洗浄不足による多いトラブル
- 塗料の硬化物によるブツ不良
- 塗料経路に塗料カスが溜まり、塗料の供給が安定しない事による塗装ムラ
この様なトラブルが起きる・起きている場合は一度、洗浄用シンナーを見直し、使用している塗料にあわせたものにする必要があります。
洗浄用シンナーを用いたほうがよい理由
希釈用シンナーは塗料を適切に溶解するよう調整されています。
ですので、溶解性だけではなく、“乾燥性”や“導電性”を調整するための溶剤も加えられていたりと、溶解性以外よう要素も含まれます。
希釈用シンナーを洗浄用シンナーに用いることは可能ですが、洗浄用シンナーがもつ乾燥性や溶解力は希釈用とは違うため洗浄用は別に用意しておくことをお勧め致します。
塗料の種類によっては、洗浄シンナーとして使用すると硬化不良が発生する場合もあります。
例えばウレタン塗料を使用している場合は、硬化剤に使用されている“イソシアネート”は水やアルコールと反応しやすい性質をもっているため、洗浄用として多く用いられるラッカーシンナーとは相性が良くありません。
ラッカーシンナーにはアルコールが含まれることが多いため、配管内などにラッカーシンナーが残っていた場合にはイソシアネートと反応してしまい、ウレタン塗料の硬化疎外を起こす可能性がありますので、ウレタン塗料を使用する場合はアルコールを含まない洗浄用シンナーを選択したほうが良いなど塗料との相性も関係していきます。
洗浄用シンナーを選ぶPOINT!
様々な塗料を使用している現場では、それら全てに適したシンナーを選定することでまとめることが可能です。
塗料の種類によっては溶解できないシンナーもありますので、溶解が難しい塗料に合わせて選ぶことがポイントです!
各塗料とシンナーの相溶性は下記表を参考に使用塗料との組み合わせを考えてみてください(*^^)
塗料とシンナーの組合せを確認したあとは、洗浄性の確認が必須です!
ご使用の塗料各種と洗浄性を確認することで溶解不足によるトラブルを防げ、作業時間のシンナー使用量を減らすことが出来るため、洗浄性の確認も大きなポイントとなります!
洗浄性試験を見てみると、シンナーと塗料の相性が
一目瞭然じゃな!
ほんとなのだあ~!
この二つのポイントを知ったうえで、より効果的に洗浄できる方法を
「必殺技」でご紹介致します!