
【今月のお悩み】
自動車部品の塗装工程を担当しています。
クリーンルームを導入直後は歩留りも安定しとても楽だったのに、気付けば日常的にゴミ・異物不良が発生しその対策に追われる毎日・・・。
正直、疲れました・・・。
パーティクルカウンターを使用し定期的に測定しているけど、本当に管理できているのかわかりません。
何を管理すればゴミ異物不良が無くなるの?
助けて~、3Cラボ〜!!

博士ぇ〜、クリーンルームのゴミ・ブツ不良を無くすために、
「何」を「どのように」管理すれば良いか迷子になっている人の
SOSをキャッチしたのだ!

(ラボボス)
なになに、ゴミ・ブツ不良を無くすための管理で悩んでいるんじゃな。
よしっ!クリーン化オレンジ。早速現場に急行するのじゃ!!!

オレンジ
ガッテン承知!!
現場管理のことならオイラにお任せ!
それじゃぁ、行ってきま〜す♪
その頃、現場では・・・

パーティクルカウンターを使い毎週測定している数値は以前と
変わらないのに、ゴミ・ブツはどうして増えたんだ??

オレンジ
パーティクル測定は、いつ行っていますか?

週初めの始業時で、作業者が来る前に行っているけど・・・?

オレンジ
なるほど!
だからいつも数値が安定しているんですね。
本当に管理しないといけないのは作業中のパーティクルなんですよ。

えっ?!
でも作業中に測定しても数値が安定しないし、管理にならないのでは?

オレンジ
ちがう、ちがう!!その思い込みは大問題!
よしっ!オイラにまかせて!!
落下塵カウンター 発動!!

えっ!?何が問題なの?
クリーン化オレンジ、詳しく教えて~。
「クリーンルームを管理する」とは、どう言うことだろう?
クリーンルームと聞くと「常にキレイな部屋」と思いがちですが、実際は「いつもキレイにする部屋」のことなんです。(詳しくは用語解説で)
クリーンルーム内に浮遊している粒子は、フィルターを通して濾過されるため、室内の空気はきれいになります。
ですので誰もいない状態であれば、パーティクルカウンターの測定値は良い数値を示されるのです。
しかし、人が作業したり装置が稼働すると人や物から発塵し、それらが動くことで発生する気流によって、堆積していた粗大粒子が舞上り部屋全体へ飛散します。
作業中にパーティクルカウンターで測定すると、とても多い値になることがあるのはそのためです。
つまり、作業中の測定値が安定しないのは粗大粒子が多く発生しているサイン!
決して数値が暴れて管理不能な状態ではありません。
正確な数値管理を行うには、クリーンルームが稼働している時間に測定を行い、作業中の発塵状況と回復状況を把握することが最も重要です。
粗大粒子を管理しよう!
作業中に粗大粒子が増加する最大の要因は、人からの発塵や持ち込みと言われます。
人からの発塵は、主に以下の3つに分けられ、それぞれゴミ・異物の種類が異なります。
①脱落し落下堆積するもの ②接触転移するもの ③飛沫として付着するもの
- 脱落し落下堆積 ⇒ 皮膚片、毛髪、衣類からの繊維
- 接触して転移 ⇒ 手に付着した微生物など
- 飛沫として付着 ⇒ 唾液、汗
この内、粗大粒子として多く見つかるのは繊維、皮膚片(タンパク質)、毛髪です。
これらは人から脱落して落下堆積するので工程内に飛散し床などに堆積し、塗装工程で起きる不良原因にもなります。
そんなときに活躍するのが落下塵カウンターです。
作業中と作業を行っていない時間帯の比較や、清掃前後の変化を調査することで、作業エリアに堆積する粗大粒子を把握できます。

落下塵をカウントするのは今まですごく面倒だったんだ。
何しろテープにくっついた粗大粒子を、顕微鏡でいちいち数えていたんだからね!

ひ~!!それは時間がかかるし、作業する人が大変でかわいそうなのだぁ~
何とかしてあげてほシーファー。
そんな落下塵のお悩みをズバリ解決!するのが、この「落下塵カウンター」。
10μm以上の粗大粒子を分級してカウント、数値化し、測定結果はパソコンに表示・保存。
前回のデータと対比することも簡単にできます。

オレンジ
落下塵カウンターなど、粗大粒子を管理するために開発された測定機については
「必殺技」で詳しく紹介するぞ!!