「制御風速」(せいぎょふうそく)
制御風速とは、局所排気装置の能力を決定する基本要素で、すべてのフードを開放した状態の風速を指します。
その数値はフードの形式及び吸引形式に応じて異なり、囲い式フードでは毎秒0.4m(m/sec)以上と定められています。この風速は、囲い式やブース式のフードで発散すると思われる最も遠い地点、すなわちフード開口面における最小風速のことを言います。
なぜ局所排気装置が必要か?
それは有害物の発散から労働者守り、健康障害を防ぐためです。
有機溶剤を使用する労働環境では、局所排気装置を備えることが特化則、有規則で定められています。
条件によって異なる制御風速
法的に規制されている制御風速は0.4m/sec以上ですが、お客様の使用環境によって最適な速度は様々です。
たとえば、風速が遅すぎると色とびの原因や塗装ミストが製品に付着することで肌荒れなどの塗装不良の原因となります。逆に風速が速すぎてしまうと、塗料が製品につかず、塗着効率が上がらない(膜厚がつかない)と言った悪影響を及ぼします。
一般的なスプレーガンやスピンドル塗装などガンの霧化圧が高い場合は、吹き返しが高くなるため、風速を0.6~0.7m/secにするといった調整をします。一方で、低圧霧化ガンなどは霧化圧が低いため、ブースの風速も同様に低くすることで塗着効率が大幅に向上します。
このように、制御風速は塗装方法やガン、製品の大きさや形状などによって最適値を見極める必要があります。