【今月のお悩み】
樹脂成型品の表面処理業者です。静電気には悩まされ続けているため、静電気対策は入念にやっています。
塗装前にはしっかり除塵を行い、除電ガンを使った静電気除去にも抜かりはありません。
なのに、なのに・・・! いつまでたっても「塗りムラ」や「くもり」などの塗装不良がなくなりません!!
もう、どうすりゃいいのか・・・。助けてぇ〜、3Cラボ〜っ!!!
静電気テストをすると、値はゼロ!
なのにこのムラは、一体何なんだ???(ムラムラ~)
その頃、3Cラボでは・・・
博士ぇ〜、助けてコールがガンガン鳴っているのだ!
今回は「静電気問題」みたいなのだ。
成型加工に静電気はつきものじゃが、今回の敵は、あれじゃ!
あまり知られていない「隠れ静電気」じゃな!
よし、オレンジ、お前の力で隠れた敵をやっつけるのじゃ!
任せて、博士!静電気退治はオイラの得意技さ。
よ〜し、がんばるぞ〜〜〜っ!!
その頃、現場では・・・
どうしよう。 もっと性能の良い除電ガンを買うべきか?
それとも高価なイオナイザーに変えればいいのか?
うーむ・・・でも、今のままでも静電気はゼロって出るんだよなぁ〜(困)
お待たせっ!
この問題はフツーの静電気除去じゃ解決しないよ。
問題はそこじゃないんだ。
あっ、クリーン化オレンジ。来てくれたんですね、よかった〜♪
でも、フツーじゃ解決しないって、一体どういうこと???
「スタティックマーク」って知っているかい?
3Cラボでは「隠れ静電気」って呼んでいるんだ。
今回の「塗りムラ」や「曇り」は、それが悪さをしているんだよ。
なぬ? 隠れ静電気?! それは初耳!!
高いイオナイザーを売りつけようとやって来たが、
オレンジの話しをこっそり聞いてしまおう。ひぃ〜ひっひっひっ
不良の原因は「隠れ静電気」だった!
プラスチックなどの樹脂製品は、成型機でいろいろな形状に加工されています。 成型機では、金型に熱を掛けて樹脂ペレットを溶かして形を成型し、形が整った ところで温度をさげて金型を樹脂から剥がします。 この、剥がれる時に発生する剥離帯電が大きいと静電気放電が発生し、 成形品表面に細かな静電気帯電が残ってしまいます。
この「静電気帯電」、すなわち「スタティックマーク」こそ、今回の犯人です。「スタティックマーク」は正と負の帯電が細かに入り組んだ状態で相互に電界を閉じてしまうため、外部からは検知することが難しく、このため除去も困難なのです。
静電気測定器ではゼロと出た部品に、特殊なトナーを振りかけてみるよ。
ほらほら、よ〜く見てごらん。アメーバというか、花火のような模様が
浮かび上がってきたでしょ。これが「スタティックマーク」だよ。
あ、ホントだ!!
これが今回の犯人、「スタティックマーク」だよ。
残念ながらこいつは、電位測定機では見つからないし、
一般的な静電気除去装置じゃ、細か過ぎてやっつけられないんだ。
えっ?! そんな静電気があるんですか(驚)?!?!
全然知りませんでした!
そうなんですよー。業界でもまだあまり知られていないんですー。
だからこそ、おいらの出番さ!! 危ないからちょっと下がって!
いくよ! 高密度除電処理び〜むっ!!
ああ、消えた! スタティックマークが綺麗に消えました!
スタティックマークは一度除去したら、二度と発生しないんだよ。
これでもう大丈夫! 引き続き良い製品をつくってください。
スタティックマークに強い「成形品用高密度除電処理システム」
そこで今回、オレンジが使ったのは「成形品用高密度除電処理システム」です。
プラスチック成形品表面のスタティックマークを除去し、成形品加工工程の〝困った〟をズバリ解決します!
使い方、装置の詳細については「今月の必殺技~高密度除電処理システム~」をご覧ください。
スタティックマークはコピー機のフタの裏とか、プリンタの用紙トレイなんかにも、
見られるよ。ホコリでモヤモヤっ と描かれた黒い模様がそれ。ついでに見てみて〜。
おお、あのモヤモヤ模様もスタティックマークなのか!
うっかり勉強になってしまったではないか。
今回は出番なしで悔しいけど、その知識、敵ならがあっぱれだわ