スケールとは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムといった無機塩類が水から分離して固まったものです。
一度カルシウムやマグネシウムが析出してしまうと、勝手に再度水に溶けることはほとんどありません。
このスケールが設備や配管内にこびりついてしまうと、金属ブラシ等を使用しても除去することは難しいと言われています。
ですが、何も対処せず放っておくとさらにスケールが固着し配管内を閉塞させ、最終的には設備故障の原因となります。
スケールの種類
①カルシウムスケール
カルシウムスケールは、水中のカルシウムが二酸化炭素などの他の不純物と結びついて析出することで生まれます。
カルシウムは温度が高いほど、また水がアルカリ性に傾くほど析出しやすくなります。
身近な例としてはトイレの尿石や水垢などが当てはまり、非常に硬いためブラシで擦ってもなかなか落とせないのが特徴です。
②シリカスケール
シリカスケールは、水中のケイ素がカルシウムやマグネシウムなどの成分と結びつき発生します。
珪素(シリコン)と酸素が化合したシリカはガラスの成分としても知られており、シリカスケールは窓ガラスや鏡などに特に付着します。
非常に硬く除去することが困難であることはカルシウムスケールと同じですが、高温の水やアルカリ性の水では溶けやすく、低温や酸性の条件下で生成されやすいという特徴は異なります。
スケールの除去方法
カルシウムスケールの場合、塩酸に溶けやすい性質を持つことを利用し酸性洗浄剤を使用することで除去可能です。
シリカスケールの場合、非常に硬く塩酸では溶解できないため、塩酸にフッ化水素酸を添加した特殊な洗浄剤などを使用する必要があります。
どちらのケースでも、洗浄後はアルカリ性洗浄液で中和処理を行い、酸やフッ化水素酸の残留がないことを確認し、産業廃棄物として処分しましょう。
また、塩酸やフッ化水素酸を含む洗浄剤は毒物や劇物に該当しますので、取り扱いには十分注意し、安全対策を徹底してください。