蒸発とは液体が気体になる現象であり、乾燥とは湿気や水分がなくなる・乾く現象です。
この2つの現象は日常の生活の中でも体験することが多いでしょう。
例えば、お皿の上の水滴がいつの間にか消えていることは、蒸発・乾燥現象です。
蒸発・乾燥する液体は水だけではなく洗浄剤も含まれますが、洗浄剤は水より蒸発・乾燥するのに時間がかかるのでしょうか?
一般的に液体の蒸発速度の値が高いほど、蒸発・乾燥速度が速く、乾燥させるために必要な熱エネルギーが少ないといわれています。
下記の表に工業用洗浄で使用されている洗浄剤を、乾燥性が良いと言われているジエチルエーテルの蒸発速度を100として比較した蒸発・乾燥速度をまとめました。
洗浄剤 |
蒸発速度 (ジエチルエーテル=100) |
フッ素系溶剤(HFO系) | 120 |
フッ素系溶剤(HFE系) | 83 |
塩化メチレン | 71 |
トリクロールエチレン | 28 |
アルコール(IPA) | 9 |
水 | 0.2 |
表に記した洗浄剤はどれも水より蒸発速度が速く、蒸発・乾燥に優れていることが明確です。
しかし、アルコールとHFO系フッ素系溶剤を比べると蒸発・乾燥にかかる時間に大きな差があります。
このように洗浄剤も乾燥と関係があり、選定も乾燥作業において重要であるといえます。