塗着効率

塗着効率とは、塗料が無駄なく被塗物に付着する指標を表したものです。

 

例えば製品カタログなどに「塗着効率〇〇%」と書かれているもは、その製品を使用すれば「被塗物にはこのくらい付着させることが出来ますよ。」という目安になります。

 

実際は使用現場や使用方法により塗着効率は変わるため、使用環境や使用方法での塗着効率を知ることが重要となります。

 

塗着効率の求め方

 

塗着効率=製品付着した塗料固形分÷使用した塗料固形分×100

 

固形分を計算して求めるのは、希釈率や塗料の種類により塗布量(塗膜量)が変化するからです。

ですので、正確に把握するためには「塗料の重量」ではなく「固形分=塗膜重量」として求める方が適切です。

下記表のように、塗料に含まれている固形分=不揮発分を明確にすることで、気中に排出しているVOCやブースに吹き捨てられる塗料の量も知ることができます。

 

 

実際に測定する方法

  • 塗装前に塗料重量(溶剤含む)を測定(0.1g単位推奨)
  • 塗装する製品の重量を計っておく(0.1g単位推奨)
  • 塗装後に塗料重量(溶剤含む)を測定し使った分を算出=使用塗料量(溶剤含む)
  • 乾燥後の製品重量を計り、重量増加分を確認する=塗料付着量(固形分)

 

例:

  • 塗装前製品重量   A=100g
  • 塗装後製品重量   A’=105.5g

  → 付着塗料重量(固形分)=A’-A=5.5g

  • 塗装前塗料重量   B=150g
  • 塗装後塗料重量   B’=50g  

  → 使用塗料量(溶剤含む) =B-B’=100g

 

塗料の不揮発分は50%とする。

使用塗料量(固形分)=100g×0.5=50g

5.5÷50=0.11×100=11%

上記の条件の場合、塗着効率11%となります。

 

この条件で、塗料(溶剤込)100㎏使用していた場合、塗膜にならずに吹き捨てている塗料(溶剤込)は89㎏です。

ちなみに塗着効率を仮に20%まで上げたら、-34㎏使用する塗料を減らすことができます。

 

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