ゴミ・異物対策の切り札としてクリーンルームの導入を検討される方は多いです。しかしそもそも、クリーンルームとはどんな部屋なのか、普通の部屋と何がちがうのかご存知でしょうか?
クリーンルームの定義 ( JIS Z8122 より)
「コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間」
と、あります。
つまり、クリーンルームは「清浄な空間が保証された部屋」ではなく、「清浄度レベルを保つため各種環境条件等を維持・管理すべき部屋」という事です。
また、クリーンルームの目的は製品などの対象物を汚染から保護することにあるので、単に空間が清浄な状態にあるというだけでなく、対象物を汚染させないという観点からクリーンルームの使用方法やクリーンルーム内での作業プロセスを考える必要があります。
クリーンルームの管理者、使用者はこのことを常に意識し、クリーンルームとしての性能を維持するための定期的な点検、モニタリングを行い、必要に応じて設備のメンテナンスや使用方法、作業プロセスの改善等を行うことが求められます。
クリーンルームの重要な特徴と主な設備
クリーンルームは、入室までの動線に沿ってクリーン度に応じて、前室などゾーニングされていること、出入り口が2重扉になっていることが基本になります。
そして、それぞれのエリアのレベルに応じて室間の差圧をつけて、陽圧管理することが重要になります。
主な設備としてはエアーシャワー、パスボックス、FFU(ファンフィルターユニット)、差圧ダンパなどが有ります。
クリーンルームの種類
クリーンルームの種類はいろいろありますが、基本的な2種類の構造を紹介します。
クラス1000以上に用いられている方法
非一方向流式(希釈)
空気中の粒子を綺麗な空気で薄める希釈方式です。床はベタ床のため、定期的に清掃しホコリを除去する必要があります。
クラス100を実現するために用いられる方法
部屋の空気をよりキレイにすることに加え、舞上る粒子を抑制しないとクラス100の環境は構築できません。
このレベルからは、一方向流式のクリーンルーム構造が必要になります。
一方向流式(置換)
空気をキレイに入れ替える置換方式です。床がグレーチングとなっているため粒子も舞い上がることがありません。