浮遊塵(ふゆうじん)

浮遊塵(ふゆうじん)とは?

微小粒子のように小さくて『漂っている』ゴミや、繊維ゴミなどの気流で舞い上がりやすい塵・ほこりを総称して浮遊塵といいます。

 

また、落下塵が歩行やエアコンなどの気流によって巻き上げられ、この巻き上げられたものも浮遊塵となります。

その後は早く落下するもの、落下までに時間がかかる物、大きさや重さ、形状で違った挙動をします。

 

塗装ブースや乾燥炉のような有機溶剤を使用する環境では、一定の排気量が必要になるため給気量が多く、速い気流が形成されます。

特に夏はスポットクーラーや扇風機を使用する現場が多いですが、気流が乱れることにより浮遊塵が増えるため、ゴミ・異物には注意が必要な時期です。

 

 

 

日常生活を汚染する微小粒子

クリーンルーム以外でも、私たちが普段生活している環境を汚染するといわれる微小粒子があります。

 

これらも、クリーンルームへ持ち込まれてしまうと製品不良の要因となり得るだけでなく、作業者の健康に影響を及ぼすため、その特徴や危険性について知っておく必要があります。

 

大気中の粒子状物質

大気中の粒子状物質は、「降下ばいじん「浮遊粉じんの2つに区別され「大気汚染防止法」では

 

ばいじん」(燃料その他の物の燃焼または熱源としての電気の使用に伴い発生する物質)

粉じん」(物の粉砕、選別、その他の機械的処理または堆積に伴い発生し、または飛散する物質)

 

と定義しています。

 

「浮遊粉じん」は

粒径10μm以下のものを浮遊粒子状物質(SPM)、2.5μm以下のものをPM2.5といい、粒径が10μm以上のものは、痰とともに排出されますが、10μm以下のものは肺の奥まで吸収されるため、人体への影響から規制が厳しくなっています。

 

これらの人体への影響は、じん肺、気管支炎、肺水腫、ぜんそくなど吸収による直接的なものと、大気中の物質による日光の遮断が原因のくる病(骨の発育不良を起こし、O脚や背中が曲がってしまう病気)の発生増加のような間接的なものがあり、環境対策の重要性を感じますね。

 

エアロゾルについて

エアロゾルはコロナウィルスでも注目されています。

日本エアロゾル学会のホームページによると、気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言います。

 

つまり、液体も含んだ微小な浮遊粒子の総称がエアロゾルということです。

 

コロナウィルスの感染拡大においても、飛沫感染なのか、エアロゾル感染なのかという議論がありました。

飛沫は粗大粒子、エアロゾルは微小粒子と考えると分かりやすいです。

 

仮にエアロゾル感染だとすると、換気や空気清浄機がますます有効になりそうです。

 

パーテーションは飛沫には有効ですが、エアロゾルには効果が限定的になる、ということも粗大粒子と微小粒子の挙動の違いで説明つきますね。

 

エアロゾル粒子は、その生成過程の違いから

 

  • 粉じん(dust)
  • フューム(fume)
  • ミスト(mist)
  • ばいじん (smoke dust)
  • などと呼ばれ,また気象学的には
  • 霧(fog)
  • もや(mist)
  • 煙霧 (haze)
  • スモッグ(smog)

 

などと呼ばれることもあります。

 

(出典;環境省ホームページ、日本エアロゾル学会ホームページ)

記事一覧