イオナイザーとは?
空気をイオン化させて除電を行う装置をイオナイザーと呼びます。
空気をイオン化する方法には、自己放電式、紫外線方式、軟X線方式などいろいろありますが、ここでは主流の高電圧印加方式の解説をします。
高電圧印加方式は、とがった針先に高電圧を印加し、コロナ放電*1)を発生させ空気をイオン化します。空気をイオン化するためには、概ね4.5KV以上の電圧が必要になります。
*1)コロナ放電(英語:Corona discharge)
尖った電極(針電極)の周りに不均一な電界が生じることにより起こる持続的な放電の総称。この際、針電極周辺に認められる発光部をコロナと呼ぶ。名称は放電で生じる発光が太陽のコロナと似ていることによる。
除電時間とイオンバランス
イオナイザーの性能は①除電時間(静電気減衰時間)と②イオンバランス(オフセット電圧)で決まります。
日本の規格「RCJS-5-1」では、除電時間は1000V~100Vまでの減衰時間が20秒以下、イオンバランスは±50V以下と規定されています。
作業時間や設備の搬送時間内で静電気を除電できる除電時間(静電気減衰時間)の機種を選定しましょう。
搬送スピードが速い場合は、時間内に除電できるようにイオナイザーを複数設置する等の工夫が必要になります。
静電気を中和するためには、イオナイザーで発生するプラスとマイナスのイオン量は同量になっていることが理想です。このバランスが崩れると思ったとうりの除電ができなくなります。
これをイオンバランスといいます。
除電した結果、残留する電圧はイオンバランスの電位になります。
つまり、イオンバランスが小さい方が除電後の残留電圧も小さくなるということです。
完全に中和することが理想ですが、現実には完全中和は不可能です。それはイオンが完全に中性(イオンバランスがOVという)にならないからです。
そのため、高電圧印加方式にも用途や設置環境に応じてDC方式、AC方式など多くの機種が開発されています。用途や目的に合わせて機種や設置方法を決める必要があります。