「3C」の意味

こんにちは。ラボボスこと原田から、このラボの研究カテゴリーである「3C」について説明します。

 

私たちが呼んでいる「3C」とは、

 

コーティング(Coating 工業塗装) クレンジング(Cleansing 産業用洗浄) クリーン(Clean 生産環境のクリーン化)の頭文字をとったものです。

 

 

まずはコーティング… Coating 工業塗装の分野です

 

NCCの出発点は塗装販売です。ですからまずはコーティング、塗装の話から始めたいと思います。

 

塗装工程はお化粧になぞらえられます。きれいなお化粧をするには、前のお化粧をしっかり洗い流すクレンジングが必要なのは、このラボの研究カテゴリーに産業用洗浄があることとも共通しています。すっぴんとなった顔に化粧水で潤いを与え化粧をするように、工業製品に保護、美粧あるいは機能性を付与するのがコーティングの役割です。

 

 

塗料は半製品と言われます。塗料メーカーから出荷される塗料は完成品として販売されますが、塗膜にするのはそれを購入し、塗装工程を担う使用者です。すなわち塗装技術とは、塗料、塗装機器や設備、塗装環境、スプレーマンの技量など、多くの要素によって形成される複合技術なのです。

 

一方で、塗装工程は飛散する塗料の中を、マスクなどうっとうしい装備を強いられる3Kな現場との印象がついています。ものづくりの工程の中でも管理が行き届きにくく、手のつけられていない、言い換えれば改善余地の大きな工程ともいえます。

 

 

業界は塗料メーカーを「製」、流通させる販売店を「販」、塗装業者を「装」とする製販装一体の業界と言ったりしますが、実際には塗装工程の全てをフォローできる業者はほとんどいないのです。問題が起こっても材料の問題なのか設備の問題なのか、環境の問題なのか力量の問題なのか、その原因を特定しにくく苦労するのが塗装工程でもあります。

 

お客様に塗装設備から材料まで提供する当社は、コーディングビジネスの全領域を研究し、お客様が塗膜メーカーとなる最終の目的に責任を持ちたいと思う。工業塗装分野を研究カテゴリーとするモチベーションがそれです。

 

 

次にクレンジング… Cleansing 産業洗浄の分野です

 

ものづくりにおいて、素材を加工するには、曲げたり・延ばしたり・打ち抜いたり・削り出したり・押し出したり、形を変えるための多くの場面で、それらを優しく容易にするための加工油や切削油、離型剤など様々な化学品が使われます。次の工程に移る前にそれらは洗浄する必要があります。もちろん、加工で生じた素材カスも除去しなくてはなりません。

 

このように、ものづくりでは実に多くの工程に前準備としての「洗浄」が行われています。しかしながら、この産業洗浄を担う業界がないのをみなさんはご存知でしょうか? 

 

洗浄剤メーカーはある。洗浄機メーカーもある。でも、「洗浄業界」と言われるくくりは無いのです。このことはものづくりにおける洗浄があまりにも広域にわたる業種で、しかも多岐にわたる工程で必要とされるからかも知れません。

 

 

洗浄を必要とする素材や形状に応じて、また次工程での物性的な制限などによって使える洗浄剤や洗浄システムは様々です。特定の洗浄剤メーカーや洗浄システムにしばられない自由なポジションによるラボ活動は、最適な組み合わせ提案とソリューションでお客様のものづくりに必ず成果をもたらします。これがクレンジング… Cleansing 産業用洗浄を研究カテゴリーとする理由です。

 

 

最後にクリーン… Clean 生産環境のクリーン化分野です

 

洗浄工程であれ塗装工程であれ、その成果を最大にしようとするときに避けて通れないのは不良の削減です。不良は時間とコスト、環境にもマイナスです。こんなときには生産環境のクリーン化技術が大きな助けになります。

 

クリーンルームを用いるような清浄度の高い生産環境でも、それほど精緻な管理が求められていない現場でも、不良の主要な原因がゴミや異物であるのは興味深い事実です。その意味で私たちは、“クリーン化技術は製造現場に共通のマネジメント技術”だと考えています。

 

生産環境をクリーンにするためには、見えないものを見えるようにしたり、知らせる技術が必要です。気流や静電気、浮遊するゴミや落下塵など、見えないか見えにくい不良原因を “見える化”する方法や測定することで、はじめて適切な対策を講じることができます。

 

意外ですが、クリーンな環境を維持するために必要なのはハイテクな設備や定期点検ばかりではなく、それに関わる人のルールを守る意識や文化です。これらもまた、クリーンルームの設置業者や測定器メーカーでは提供しきれない異なる事業分野にまたがる技術といえます。だからこそ本ラボの研究カテゴリーなのです。

 

最後に、このカテゴリーで長年、現場のコンサルテーションをこなしてきたチーフのことばをお伝えして、いったん筆を置くことにしましょう。

 

 “不良低減の取り組みは、お金は生まないけれど落ちているお金は拾える”

 

私の好きなことばのひとつです。

 

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