ものづくり現場の工程は繋がっており、一部の作業工程にトラブルが発生すると全ての工程に影響が出てしまいます。
お悩みさんの現場では繁忙期に差し掛かったこのタイミングで、洗浄機が故障してしまいました。
まさか故障するとは思わず慌てているお悩みさんがはじめにしなければならないこと、またこれから考えていかなければならないことは何でしょうか?
現場では・・・
洗浄機が突然止まってしまいました・・・
購入してまだ1年と数カ月・・・予想もしておらず、何から対処すればいいのかわかりません(泣)
お客様!私がその問題解決しましょう!
ズバリ!洗浄機を買い替えることです!
ええっ!もう新しい洗浄機を買うんですか?
予算の面で絶対に許可がおりません・・・!
でも買い替えないと業務がストップしたままで、どんどん生産量が落ちてしまいますよ~
それにすぐ壊れるなんて、きっと洗浄機のシステムに問題があったに違いありません!
(実はすぐ壊れる原因を知っているけど、このチャンスを逃すわけにはいかない~ヒヒッ)
まて!ダークムーダー!
故障した=新しい洗浄機へ交換しなければならない、というわけではありません!
故障した際の対応を決めていれば、解決までの時間が何もしないより短くなります。
買い替えなくてもいい方法があるんですね、安心しました!
故障することを想定しておらず、何をすべきか全く分からないので、ぜひ教えてください!
キーーーッ!あとちょっとだったのに~!!
次こそは負けないからな~!!
洗浄機のトラブルに対応できますか?
ものづくり現場の洗浄工程で欠かせない洗浄機の稼働。
もし突然停止してしまったらどうしますか?
ダークムーダーのアイデアのように故障箇所があるごとに買い替えていたら莫大なコストや膨大な時間が発生しますし、どうすればよいか悩んでいるだけでは前に進むことはできません。
少しでも早くトラブルを解決するため、なぜ洗浄機が止まってしまったのか、停止した際に優先してすべき行動は何かを把握しておくことが大切です。
そこで今回は「よくある質問」の中から抜粋して、洗浄機が故障した際の“アレコレ”についてお伝えします!
なぜ洗浄機は故障するの?
洗浄機が故障する原因は様々です。
現場で使用される洗浄機は、超音波を用いたり加温したりと、洗浄性能を上げるために多くの部品で構成されています。
この構成は使用している洗浄剤の種類や洗浄方法により異なるので、故障する原因もそれに応じて異なりますが、一般的には高温で使用するほど部品への負荷は大きくなると言われています。
また、毎日履いている靴が擦り減ってしまうのと同様に、毎日断続的に洗浄機を稼働していれば摩耗による部品の劣化も考えられます。
このように、使用状況や洗浄方法によって洗浄機が故障する理由は異なるのです。
どのような故障が起こる恐れがありますか?
洗浄機が故障する原因は様々であるのと同様に、故障の種類も洗浄剤によって異なるため幅広いです。
ですが、具体的にどのようなトラブルが起こる可能性があるのでしょうか?
洗浄剤別の故障例や二次被害についてご紹介します。
水系、不燃性溶剤系、可燃性溶剤系洗浄剤の場合
使用している洗浄剤によってトラブルは異なりますが、その中でも下記のような故障は水系、不燃性の溶剤系、可燃性の溶剤系の洗浄剤を使用している洗浄機で起こる可能性があります。
- 超音波の故障
超音波の故障は、超音波槽へ部品が落下することでエロージョンと呼ばれる物理的な力が与えられ起きる超音波振動子の脱落や、長い期間使用したことによる超音波発振器や振動子の機能低下が原因で、洗浄不良発生の要因に繋がります。
- 液面センサー(フロートスイッチやレベルセンサー)の動作不良または汚れ付着
センサーは付着した汚れを洗浄液だと勘違いしてしまうため、溜まっている洗浄液の正しい数値が読み取れなくなります。
それにより、超音波が動き続けたり、ヒーターが切れず空焚きしたりなど他のトラブルを招く恐れがあります。
- ヒーター等の加温機器の故障
ヒーターに付着した汚れによる過剰加熱が引き起こす断線や経年劣化により故障し、ベーパー洗浄不良や蒸留再生不良になる可能性があります。
間接加熱している場合は、熱媒油の劣化による配管詰まりやそれによる循環不良も原因となることがあるので要注意です。
- フィルターやストレーナーの詰まり
フィルターの交換やストレーナーの清掃不足が原因と考えられ、循環ろ過不良が起こり被洗浄物へ異物が付着します。何度洗浄しても異物が付着してしまうので、生産性や品質の低下の恐れがあります。
- 循環ポンプの故障
異物を吸い込んでしまうことでポンプが回転しなかったり、グルグルと回転しているインペラーと呼ばれる羽根部分を摩耗したりすると、循環機能が停止し洗浄液が循環しなくなるため洗浄槽内が汚染されます。
上記に加え、塩素系などの不燃性の溶剤系洗浄剤や水系洗浄剤では、冷却水の循環や不良、および冷却水系統の配管詰まりも起こりやすいトラブルです。
循環ポンプの故障や配管内へのスケールの付着、微生物の発生が原因と考えられ、冷却ができない状態が続き最終的には過昇温エラーが発生し洗浄機が停止してしまいます。
真空機器の場合
可燃性の炭化水素系洗浄剤を使用している洗浄機で真空機器を使用している場合、下記のようなトラブルが起こりうる可能性があります。
- パッキンの劣化等による真空漏れ
これはパッキンが傷ついてしまったり長年使用してきたことによる経年劣化が原因で、真空度が上がらず真空異常で装置が停止してしまいます。
- 真空ポンプの故障
洗浄機の機能停止に繋がるこの故障は、洗浄液の吸い込みやオイル不足によって起こります。真空ポンプの故障は修理にも代替品の搭載にも時間を要するため、生産工程の停止は長引くことを避けられないでしょう。
故障したときの対応を教えてください。
洗浄機が故障し止まってしまったら、生産ラインも止まり焦りや不安を感じますよね。
一刻も早く洗浄機を稼働させたりトラブルに対しての解決策を見つけるために、下記の2点を参考にしてください。
故障した場合、まず何をするべきですか?
はじめに、故障箇所を特定するため調査しましょう。
洗浄機の稼働中に故障してしまった場合は洗浄機にエラーが表示されるので、エラー解除が可能か確認します。
例えば、温度が上昇しない場合はヒーターが機能しているのか、液面異常の恐れがある際はフロートスイッチや液面センサーなどが問題なく動作しているか確かめます。
どちらのケースでも、正常に動いていないと判断した場合は適切な修理やメーカー依頼など次のステップへ進みましょう。
故障した際に自力で解決できるのでしょうか?
故障箇所によってはメーカーの力を借りずに現場内で解決できます。
ですが、故障原因が不明なケースや洗浄機について詳しくない場合、専門家を頼らず無理をして解決しようとすると事態を悪化させることもありますので、心配なときは販売店やメーカーに必ず確認することが大切です。
【自社での解決例】
- 液面を管理し制御している機器類に付着している汚れなどを取り除く
- 加熱機器などのヒーターを交換する
故障を防ぐ方法はありますか?
故障を防ぐためには日々のメンテナンスが重要です。
洗浄機の仕様や洗浄頻度、洗浄量等にもよりますが、適切な管理をしていれば5年稼働できるものが定期的なメンテナンスを怠っていると3年程度でダメになってしまうことがあります。
早い場合、半年程度で壊れる箇所が生まれ、新品なのにも関わらず期待していた成果を達成できない恐れがあります。
私がすぐ壊れる原因を知っていると話したのはこのこと。
バラされてしまっては仕方がない、次こそ覚えておれ~
トラブルを防ぐにはどうすればいい?
故障トラブルを避けるためには、どんなメンテナンス方法がよいのでしょうか?
下記のような内容が考えられます。
- 液面センサー類(フロートスイッチ、液面レベルセンサー)は定期的に汚れを取り除く
- 洗浄機の循環系のストレーナーやフィルターは定期的に清掃や交換する
- 加温設備に電気ヒーターを使用している場合は、ヒーター表面の汚れを取り除く
- 熱媒油を使用し間接加熱している場合は、定期的にオイル交換を実施する
他にも「洗浄装置の故障を防ぐ!2つのメンテナンス方法」でメンテナンス内容やプロによる清掃についてご紹介しているので、ぜひチェックしてください。
付着していた汚れを除去することでトラブルを解決できました!
洗浄機が止まってしまったとき、何をすればよいのか把握しておくことが大切だと身をもって実感しました。
そうですね、まさかの事態への対応策と最悪の事態を防ぐ防止策は、作業に携わる作業員全員が頭にいれておくようにしましょう。
でも、どうしても修理に時間がかかるときもありますよね。
生産を止めたくないので、そのようなときはどうすればいいですか?
わたしにお任せください!
故障時も生産を止めない洗浄機を必殺技でご紹介します。
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