【今月のお悩み】
日本列島を秋雨前線がウロウロする秋の長雨シーズン。この時期になると、入荷してくる金属加工部品に付着している防錆油の量がグーンと増えた気がするけど、気のせいかなぁ~?
せっかく加工した部品だから、錆の発生はさせたくない。でも、防錆油がベタベタして、後工程に問題が発生してしまうんだ。
何か良い方法はないかなぁ~? 助けてぇ~、 3Cラボ~!
防錆油ベタベタの加工部品をそのまま洗浄機に投入してしまうと、洗浄剤が
すぐダメになってしまうんだ。
洗浄剤の寿命を延ばしながら、キレイに洗える方法はないのかなぁ?
ありますよ! 加工部品を洗浄機に投入する前に、
ある程度防錆油を落としてしまえばいいんです。。
持ち込む油分量が減るから、洗浄剤に掛かる負荷も低減できますよ。
うーん。
言っていることは解かるんだが。。。
エアブローなどしてみても、防錆油の粘度が高いせいか
簡単には落とせないんだよ。
それではエアブローの代わりにスチームを使用してみたらいかがでしょうか?
スチーム?って、水蒸気のこと?
はい!スチーム洗浄は高圧の蒸気を製品に吹き付け洗浄します。
精密洗浄のように完全脱脂はできませんが、
「予備洗浄」には大きな効果があるのです!
なるほど~。でも、水の使用量も増えてしまうし、
廃液処理もしなくてはならないから、簡単に採用はできませんよ。
安心して下さい! スチームは水を加熱し、霧状になったものを
少量吹き付けるだけなんです!
水の使用量も少なく、廃液も減らせるのです。
まさかこんな方法があったなんて!!(驚)
色々相談にのっていただき、ありがとうございました。
予備洗浄で洗浄機に汚れを持ち込まない!
突然ですが、ご家庭で洗い物をする時のことをイメージしてみてください。
汚れが多い食器や、油でベトベトになった調理器具などを洗う場合は、洗剤で洗う前に、水やお湯などである程度の汚れを落としてから、洗剤を使って洗った方が、泡立ちも良く少量の洗剤で洗うことができます。
同様に、工業洗浄工程でも、防錆油や加工油など、製品に付着した油分を多く持ち込んでしまうと、洗浄剤はすぐに効果を失ってしまいます。
そこで重要になるのが「予備洗浄」です。
予備洗浄とは、洗浄剤で本格的に洗う前に、水やお湯などを使ってある程度汚れを落とすことです。
しかし、冒頭の会話にも出てきたように、
●水の使用量が増える
●廃液処理もしなくてはならない
という新たな問題が発生し、コスト増を懸念される方も多いと思います。
そこで、3Cラボが全力でオススメするのが「スチーム洗浄」です。
スチーム洗浄とは、少量の水を使用し、高圧(0.5Mpa前後)の蒸気を製品に吹き付け、圧力とスチームの温度の組み合わせにより簡単に洗浄できる洗浄方法です。
洗浄機にたくさんの汚れを持ち込まないためには
「予備洗浄」の効果を見て欲しいのです!
※ただし、炭化水素洗浄や有機溶剤での洗浄は、スチーム洗浄後に水置換(水分除去)が必要となります。
(ご注意ください)
スチーム洗浄で予備洗浄した場合の効果は?
それでは、スチーム洗浄で予備洗浄をした場合の効果を、具体的に見ていきましょう。
1.洗浄剤の交換頻度が減る
洗浄機への油分の持ち込み量が激減するため洗浄剤交換作業の手間が省けます。
2.洗浄剤の使用量が減る
洗浄剤の交換頻度が少なくなれば洗浄剤の使用量も減りコストダウンに繋がります。
3.廃液量も減る
洗浄剤の交換頻度が少なくなれば廃液処理量も減りコストダウンに繋がります。
また、スチーム洗浄での水の使用量は、シャワー洗浄と比較し1/1000以下程度で済むため経済的です。
4.生産性が上がる
洗浄剤の交換頻度が減れば、洗浄機を長く稼働できるため生産性が上がります。
5.洗浄品質が安定する
洗浄機へ投入する前に予備洗浄付加するだけで、汚れの持ち込みが減るため品質が安定します。
導入前には事前検証を!
スチーム洗浄するにあたり、製品の形状や照射方法によって洗浄度合いが異なります。
NCCでは簡易的にスチーム洗浄ができるデモ機を用意していますので、ご検討の際は洗浄テストを実施し効果の
検証をおすすめします。
問題を解決するために新しい洗浄機の導入も良いのですが、工程を少しだけ変更することで
既存設備を活かしながら大きな改善ができる場合もあります。
スチーム洗浄で高品質の洗浄をすることはなかなか難しいのですが、目的に沿って選択すれば
「効果性の高い洗浄アイテム」として活用できます。
用途にあわせて適用機種を選択できます!
手作業での洗浄からインライン洗浄まで対応できるよう、様々な機種を用意しました。
お客様の用途にあわせて、適用機種の選択ができます。
スチーム洗浄機の選択のポイントは、
『今月の必殺技』をみてくださいね♪