前回、『塗装ロボット導入の壁!「ティーチング」はなぜ難しい?』で多軸塗装ロボットに動作を教える方法として、「ポイント to ポイント方式」と「軌道ティーチング方式」の2種類があることをご紹介しました。
塗装を始める「始点」と、終える「終点」を座標系で指定し、その間の動作速度を決め動かす方法が「ポイント to ポイント方式」。
塗装者の動きを記憶させて動かす方法が「軌道ティーチング方式」となります。
さらに、それぞれの塗装方式は、その中でもいくつかのティーチング方法に分けられます。
自動塗装ロボット導入に向けティーチングについて学びを深めていた相談者さんは、詳しいティーチング方法が分からずお困りのようです。

ティーチングには2つの方式があり、それぞれの違いも分かりました。
しかし、実際にティーチングすると想定したとき、どんな設備が必要で、どんな手順で進めていくのでしょうか?

(ラボボス)
たしかに各ティーチング方式の中でも、ティーチング作業のやり方は異なるのじゃ。

そうですよね。
実際にティーチング作業を行う際、スムーズに進められるよう手順ややり方を教えていただけませんか?

(ラボボス)
よし!塗装グリーン出番じゃ!

お任せあれ!
今回は「軌道ティーチング方式」に焦点をあてて2つのティーチング方法をご紹介します!

助かります!ぜひ詳しく教えてください!
軌道ティーチング方式における2種類のティーチング方法
軌道ティーチング方式には、以下の2種類のティーチング方法があります。
①マーカーをもとに動きを軌道データに変換し再現する方法
マーカーを取り付けたスプレーガンやダミーガンの動きをカメラやセンサーで読み取り、それをロボットの軌道データに変換することで、塗装作業者の動きを再現する方法です。
この方法では、基本的に塗装の始点と終点を指定するポイント to ポイント方式でティーチングする産業用ロボットを使用するため、一部分はいわゆるロボット的な動作に、細かな部分は人間的な動きにするといった対応も可能ですが、より専門的な知識が必要となります。
本方法では通常の塗装作業に近い状態でティーチングできるので、自然な動きが再現しやすいメリットがあります。
一方で、ロボットは人間が行うすべての動きを忠実に再現できるわけではないため、注意が必要です。
人間は様々な関節があり自由な動きができますが、人間の関節にあたるロボットの“軸”の数には限りがあります。
そのため、モーションを読み取り軌道データに変換できても、再現不可能な動きがあることを理解しておく必要があります。
また、モーションを読み取るためにはロボット以外にダミーガン、カメラ、動作解析用のPC、ソフト等を購入する必要があります。
それに加え、ロボット動作へ変換するために専用のソフトウエアで解析変換する時間と手間や、モーションを読み取るためのブースといった場所が別途必要となる場合もあり、運用開始までには一定の工数と準備期間を要することもあります。

塗装動作を読み取るためにはロボット以外にダミーガン、カメラ、動作解析用のPC、ソフト等の用意が必要となります。
②ロボットを直接動かしながら各関節のエンコーダの数値を記録する方法
ロボットの各関節には「エンコーダ」と呼ばれる、関節の角度と回転の速度を電気信号として出力するセンサーがあり、ロボットを直接手で動かしながらこのエンコーダの数値を記録していくことで、動作を覚えさせるティーチング方法です。
ロボットは直接動かされることで各関節の動作をダイレクトに記録していくため、ロボットの可能な動きのみを覚えさせることができます。
そのため、非常に高い再現度を実現することができ、モーションを変換した際に起こる人間の複雑な動きが再現できないといった問題も起きにくくなります。
直接ロボットに触れてもいいの?
ロボットを直接動かすことで再現可能な範囲でティーチングできるメリットがある一方、操作のためにいつでも無条件に触れて動かせるわけではないという点に留意しておきましょう。
動作中のロボットに触れることはできない
労働安全衛生規則では「産業用ロボットの運転中は、人とロボットを隔離する」ことを原則としており、動作時に人がロボットに触れることはできません。
これは、誤操作等の不安全行動や、制御回路の異常によるロボットの異常行動といった危険性に対する安全対策の一環として定められています。
ただし、駆動源を遮断せずにティーチングを行う場合や、運転中に検査を行う場合においては、マニピュレータが作動中または作動する可能性があるときに、可動領域内へ労働者が立ち入らなければならない場面も存在します。

労働安全衛生規則により、運転中の産業用ロボットは人と隔離することが決められています。
駆動を遮断すると動かせない
ロボットが停止していても各関節を固定させるためにモーターの動力は繋がっています。
その状態では駆動が遮断されておらず、事故が起きる可能性があることからロボットには触れられません。
ロボットの駆動を遮断すると、関節が保持できなくなり、垂れ下がって手で動かすことはできなくなります。

ロボットを直接動かすことで再現度の高い動きが実現できると学び、うちの現場でも取り入れたいと考えていましたが、ロボットの扱いはやはり難しいですね・・・
万が一、動作中のロボットに誤って触れてしまったらと思うと怖いですし・・・

そうだよね、でも技術が進んだ今はロボットに触れながらティーチングできるんだ!
ロボットに触れながら行う2つのティーチング方法
一般的な産業用ロボットでは、直接ロボットに触れながら軌道ティーチングすることはできません。
しかし、「協働ロボット」と「Lesta LEBOT MV A6」であれば、触れながらティーチングすることが可能です。
協働ロボット
協働ロボットとは、動作速度が250mm/秒以下で、人などに触れて各関節に負荷がかかると停止するような機構が備わっているロボットです。
それ以上の動作で動かすと負荷がかかったと判断し、非常停止するようになっています。
また、協働ロボットも姿勢維持のため、常にモーターが各関節をコントロールしていて、ロボットを動かす際にもモーターのアシストが働きます。
ティーチング動作をコントロールするために正確なバランス調整が重要です。
Lesta LEBOT MV A6
イタリアのLesta社製塗装ロボット LEBOT MV A6 は、駆動源を遮断しながらも、搭載しているエアーバランサーでアームの重さを感じさせない無重力のような状態で作業できます。

無重力のような状態で操作できるロボットなんてあるんですか?!
興味があるので、ぜひ詳細を教えてください!

もちろんです!
LEBOT MV A6の魅力を必殺技でたっぷりご紹介します!

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