色を数値で伝える!?色見本帳を使って認識ずれを防ごう!

「ベージュ色で塗装しておいて」と先輩からお願いされましたが、ベージュと一言で言われてもどんなベージュ色なのか分からず困っています。

確認をしたくても、暗いベージュと言われたらどのくらい暗いベージュなのか分からないです・・・

曖昧なまま作業を進めることもできないので確認をしたいのですが、どのように伝えてもらえばいいのでしょうか?

また、どうすれば正確な色を相手に伝えることができるのでしょうか?

誰か教えてください!!

 

 

 

相談者A

先輩から「ベージュ色で製品を塗装しておいて」って頼まれたけど、

どんなベージュ色だろう?

 

ダーク
ムーダー

おやおや?分からないですよね~

ベージュ色であればどれでも問題はないですよ~!

とりあえず塗って、仕事が早いことをアピールいたしましょう!

 

相談者A

そうですね・・・先輩も忙しそうで聞きづらいですし、

仕事も止められないから・・・

 

ダーク
ムーダー

そのとおりです!

さぁ、塗ってしまいましょう!

 

シーファー

まって~!ダークムーダーの言葉に騙されてはいけないのだ!

そのお悩み、シーファーたちに任せてほしいのだ!!

 

塗装グリーン

認識がずれたまま塗装してしまうと、大きなトラブルになり信用問題にも関わります。

それを防ぐためにも、ある“番号”を使えば認識と色のずれをなくし、トラブルを

引き起こすことはありませんよ!

 

相談者

そのような番号があるんですね。

色を伝えるときに活用したいのでぜひ教えてください!!

 

ダーク
ムーダー

またしてもラボレンジャーどもめ!

いいところを邪魔しおって・・・!覚えておけ!

 

色を表す番号

皆さんは「ベージュ」と聞いて、どのような色を思い浮かべますか?

ミルクティーのような茶色っぽいベージュですか?白っぽく明るい羊のようなベージュですか?

色の名前は決まっていても曖昧なので、色名を聞いても想像する色は人それぞれなのです。

 

しかし、製品を塗装する際に各々のベージュ色で塗装してしまったらバラつきがでて大問題になりますよね。

 

認識する色を統一し、円滑に仕事を進めるためには、色見本帳の各色につけられている色番号を活用しましょう。

色番号とは下の写真のように各色の左下のアルファベットと数字が組み合わさったものです。

また、色番号とその番号の見本色が一覧になっているものを色見本帳といいます。

 

これが色番号と色見本帳です。

 

 

 

しかし、色見本帳には複数種類があり、色番号もそれに応じて異なります。

上記の写真の色番号は「一般社団法人 日本塗料工業会」、いわゆる日塗工の色見本帳でのみ有効な番号となります。

「どの塗料でも色を伝えるんだから一緒でしょ?」と思うかもしれませんが、実はそれぞれに違いがあり何に使われる塗料なのか、目的別によって色番号は作られており、その色番号の分類の数だけ見本帳があります。

 

たとえば、

  • 日塗工色番号
  • マンセル色番号
  • RAL色番号
  • 企業が発行している色番号(例:DIC色番号・パントン色番号)

この他にも色番号はありますが、今回はよく使われるこの4種類について説明いたします。

 

 

色番号の種類

 

  日塗工色番号

日本の塗料メーカーが多く加入している「一般社団法人 日本塗料工業会」が発行しています。

塗料用標準色の色見本帳として多く用いられ最新の見本帳には654色が掲載されプロも使用しているツールです。

 

 ② マンセル色番号

マンセル色番号は色を色相(色味の違い)・明度(色の明るさ)・彩度(色の鮮やかさ)の3要素で数値化したものです。

色見本帳によってはマンセル色番号も併せて掲載されていますが、色が厳密には違うので要注意です。

先ほどの日塗工色見本帳の各色の右下のアルファベットと数字がマンセル色番号です。

マンセル色番号も日塗工色番号と同じく塗料の色を伝えるための色見本帳です。

 

 ③ RAL番号

ヨーロッパで使用される工業関係の色見本です。

塗料の色を伝えることには適していません。

 

 ④ 企業が発行している色番号

企業が発行しているDIC色番号とパントン色番号のような色番号で、これらの2つは印刷物の色見本帳です。

印刷用の色見本には塗料で作ることのできない色も含まれているため、色によっては作成できない場合があります。

 

 

色見本の見方

色番号を用いることで、製品の色を見本帳と見比べ確認したり、好みの色をみつけることができます。

しかし色と番号が見本帳に掲載されていても、どのような法則で色に番号がついているのか気になりますよね。

ではここからは、よく使われる日塗工色見本の見方について説明いたします。

 

色番号の構成

先ほどから話をしている日塗工色見本の色番号には2つの特徴があり、その特徴によって色番号が変わります。

1つめは、白や黒のような色味の無い無彩色と色味のある有彩色で下記のように番号の構成が異なることです。



 

無彩色の構成は【アルファベット1文字】【N】‐『数字2桁』です。

 

  • 【アルファベット1文字】 = 色見本帳の発行年(上記の画像だとT)
  • 【N】          = Neutral(ニュートラル)の意味を表すN
  • 『数字2桁』       = 明度区分

 

例えば、オレンジと白色で成り立つ東京のシンボル“東京タワー”の白い部分は、無彩色であるため相当する色は「TN-9.5」となります。

このように、色味のない無彩色なのでこの構成で表されます。

 


有彩色の構成は【アルファベット1文字】【数字2桁】‐『数字2桁』『アルファベット1文字』です。

 

  • 【アルファベット1文字】 = 色見本帳の発行年(上記の画像だとT)
  • 【数字2桁】       = 色相区分
  • 『数字2桁』       = 明度区分
  • 『アルファベット1文字』 = 彩度区分

 

先ほど例にあげた東京タワーのオレンジ色は鮮やかな有彩色となるため、相当する色は「T09-50X」となります。

 

続いて、色番号を構成している1文字目のアルファベットについてです。

1文字目のアルファベットは発行年を表す年記号となり2年毎に発行され、都度アルファベットは変わっていきます。



 

 

三属性表示方式

日塗工番号は色相・明度・彩度を上記のように数値化して表しているので、色をイメージしやすいです。

無彩色は色相と彩度を持たないため、数値の記載はありません。

 

このように色番号は構成されており、色の指定や受注する際には欠かせません。

 

 

色番号と色見本の注意点

番号で色を表せることは便利ですが、注意点もあります。

 

基本的に発行年度が違っても色がずれないようになっていますが、2007年D版からは環境負荷低減のために鉛・クロムフリー塗料に変更しています

2007年版以前とは色の見え方が異なるので、確実に同じ色にしたいのであれば同じ年度の色見本を使用し続けると安心です。

また、同じ日塗工番号でも「S25-262」のように2桁+3桁の表記もあります。これは1995年より前の表記方法の色番号となり、色見本帳に収録する色の数に対する番号表記に限界が見えたため変更されました。現在でも2桁+3桁の色を特定できますが、新しい表記の番号で指定することをおすすめします。

 

 

色見本と調色

見本製品と同じ色に塗装しようとしたとき、ぴったりの色がみつからない・・・なんて経験ありませんか?

そんなときは色見本帳を使用し、製品の色と見比べて近い色をみつけ、その色番号をもとに、塗料を混ぜて調合し、作りたい色を作ることができます。

これを調色といいます。

 

以前は職人の方が目で見て色を合わせる調色を行っていました。

現在はテクノロジーの発達から測色計と呼ばれる色を測る機械を使って色を数値化し、PCのシステムでどの色をどの程度調合すれば見本と同じ色ができるかを自動計算し色を作っています。

もちろん、色によっては目視でしか色が作成できない場合もありますので、その場合は国家資格である“塗料調色技能士”の方に依頼をすることで近似色を作成ができます。

 

このような機械と技術を使って調色作業をするプロに色見本帳を使用して色を指定・オーダーできるのですが、利用する色見本帳について覚えておくべきことがあります。

色見本帳の中でも日塗工色番号に記載されている色は塗料でほぼ全色再現できるため、塗料を注文する際は基本的に日塗工色番号で注文することがベストです。

希望の色が見つからない場合は他の色見本帳から注文することも可能ですが、必ず再現できるとは限らないのでオーダーする際に注意が必要です。

 

 

相談者

色番号を利用すれば正確な色がわかりますね!

これで先輩に確認することができます!

 

塗装グリーン

色番号や色見本を活用することで

離れている人と色を共有したり、

希望色を作ることができます。

 

相談者

色を作ることが調色でしたよね。

ぜひ調色についてもっと知りたいです!!

 

塗装グリーン

お任せください!

必殺技でさらに詳しく調色について解説しましょう!

 

シーファー

ご相談・お問い合わせはこちらなのだ!

 

 

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