イオナイザーの効果を最大限に!正しいメンテナンス方法とは

乾燥する季節になると静電気による付着異物のトラブルをよく耳にしますが、お悩みさんの現場でも加湿やイオナイザーの使用による静電気対策をしているのにも関わらず、ゴミ・異物の付着による製品不良が増加し問題となっているようです。

これは、静電気対策が足りていないのでしょうか?それとも、原因は他にあるのでしょうか?

教えてぇ~!3Cラボ~!!

 

相談者B

この製品にもゴミ・異物の付着が・・・

冬は特に静電気が発生しやすいので、しっかりと対策もしているのになんでだろう・・・

 

ダーク
ムーダー

おやおや、静電気のお悩みですか?

 

相談者B

そうなんです、イオナイザーも取り入れて除電は確実にできていると思うのですが、

なぜかゴミ・異物の付着による不良が増えてきて困っています。

 

 

ダーク
ムーダー

それはきっとイオナイザーだけでは除電ができていないからですよ~ヒヒッ

今なら他の対策品も格安でご紹介しますよ~!

 

クリーン化
オレンジ

ちょっとまったぁ~!

使用しているそのイオナイザー、もしかしたら本来の性能が発揮できていないかもしれないよ!

 

相談者B

えぇ!?どういうことですか?

昨年導入したばかりで壊れているなんてことは無いですよ。

 

クリーン化
オレンジ

実はイオナイザーが真価を発揮するために、力を取り戻す手伝いをしてあげる必要があるんだ♪

今回は、イオナイザーの基本から確実に効果を得るためにしてほしいことまで伝えるよ~!

 

相談者

気になります!ぜひ教えてください!

 

ダーク
ムーダー

くぅ~・・・私の出番がなくて悲しい・・・

次は必ず勝つぞ~!!!!

 

イオナイザーとは

静電気対策は、導電体であればアースを取ることが鉄則で、加湿による湿度管理も有効的です。

しかし絶縁体ではアースは取れませんし、加湿でも静電気の発生を抑えるのには限度があります。

そこで、環境に左右されにくく様々な場所で連続して使用できるイオナイザーが静電気対策として候補に挙がるでしょう。

 

イオナイザーとは、プラスとマイナスのイオンを生成し、それらを帯電した対象物に当てることで帯電電位を中和させ除電する装置です。

両イオンを作り出すことができるため、対象物がプラスとマイナスのどちらに帯電している状態でも除電することが可能です。

 

 

 

相談者

静電気対策=イオナイザーだと思っていたので使用していましたが、仕組みまで考えたことありませんでした・・・

正直まだ理解ができていないので、もう少し詳しく教えてください!

 

 

 

クリーン化
オレンジ

もちろんだよ~!

どうしてイオンが放出されることで静電気を除電することができるのか、イラスト付きで説明するよ~!

 

下の左の図は四角の中にマイナスイオンが2つ、プラスイオンが1つとマイナスの電荷を帯びている状態ですが、ここへイオナイザーより送り込まれたプラスイオン1つがくっつくとイオンの数が同じ、つまり中和状態のバランスがとれた状態になります。

中和状態であるということは、静電気がない=除電されているということになります。

 

イオナイザーの仕組み(株式会社キーエンス様HPより引用 https://www.keyence.co.jp/ss/products/static/static-electricity/step/ionizer.jsp)

 

相談者

なるほど!目に見えないところでこんな働きをしていたんですね!

 

イオナイザーの種類

イオンを放出することで除電しているイオナイザーには様々なタイプがあり、現場や目的に合わせたものの使用が理想的です。

現在日本で主に使用されている3タイプをご紹介します。

 

  1. バータイプ
    イオンを放出する電極針をバー型の本体に配置したイオナイザーで、一度に幅広い部分の除電ができ、長いものでは3mを超えるものもあります。
    製品が流れていく自動化のライン、樹脂シート、フィルムなど幅の広いものや帯電量の多い製品の除電に最適です。

    バータイプ(春日電機株式会社様HPより引用 https://www.ekasuga.co.jp/product/smart-ac-ionizer-asibs-asibl/)

     

  2. ファンタイプ
    本体にファン(扇風機)を内蔵
    しており、発生したイオンが風に乗って吹き出し除電します。
    片手に乗る程度の小型タイプから遠距離からの除電も可能とする大風量タイプまで幅広いラインナップで、用途に応じた選定が可能です。
    樹脂成型の現場やレンズの組み立て工程などで用いられ、複数台設置することで広い範囲の除電ができたり、風向の変更でピンポイントな除電ができたりと幅広い用途で活躍します。

    ファンタイプ(春日電機株式会社様HPより引用 https://www.ekasuga.co.jp/product/fan-type-ionizer-kd-750bb-kd-750b/)

  3. ガンタイプ
    バータイプやファンタイプとは異なり、手に持ち使用するエアーガンタイプのイオナイザーです。
    自動車板金塗装、電気基板、フィルム剥離などの用途で使用され、静電気で付着したゴミを狙って確実に吹き飛ばし再付着を防ぎます。

    ガンタイプ(春日電機株式会社様HPより引用 https://www.ekasuga.co.jp/product/gun-type-ionizer-gh-05l-gh-05u/)

 

それぞれのタイプに特徴があり、性能はもちろん、設置場所や予算といった条件も考慮し、自社の現場に最適なものを選ぶことが理想的です。

 

しかし、多くのメーカーで取り扱いがあるため、最適なイオナイザーを見つけることは容易ではありません。

社内にイオナイザーやクリーン環境について詳しい社員がいない場合、NCCや近くの販売店へ相談することをおすすめします。

 

メンテナンスについて

イオナイザーは使用を続けると、浮遊異物が限りなく少ないクリーンルーム内といえども、電極針の先が汚れていきます。過去のNCCの実験では、500H(連続運転21日)程度から針先に付着汚れが確認されたというデータがあります。

針先が汚れるとイオンの発生量が少なくなるため、それに比例して除電速度も低下してしまいます。

 

また、使用していると針先が自然に摩耗することで除電性能が低下していき、運転状況にもよりますが概ね3年程度で電極針は寿命を迎えます。

 

相談者B

除電能力が低下している状態とはどんな状態でしょうか?

 

クリーン化
オレンジ

例えば、通常1000Vを100Vまで除電するのに1~2秒でできるところが、針の汚れや寿命により30秒かかっても除電できないことがあるよ~!

 

博士
(ラボボス)

そこで、イオナイザーの効果を持続させるためには定期的なメンテナンスが必要なんじゃ。

 

  • 電極針のメンテナンス
    基盤やカートリッジを外し、電極針本体を傷つけないよう気を付けながら表面に付着した白い粉状の汚れを、純水かアルコールで浸した綿棒やウエス等で拭き取ります。通常、電極針は24時間の使用で約2週間に1度の清掃が必要だと言われていますが、使用環境によって汚れ方は異なりますので自社の環境に合わせて清掃頻度を設定してください。

 

  • 電極針の交換
    電極針は使用頻度に応じて摩耗するため、定期的な交換も必要です。特にプラス側とマイナス側で電極針の摩耗具合が異なるとイオンバランスが崩れ、思った通りの除電ができなくなります。除電効果が落ちてきたと感じたら交換しましょう。

 

  • そのほかのメンテナンス
    ファンや吸気口などエアーの供給部には吸着された空気中の汚れなども堆積するため、柔らかいウエス等で純水拭きかアルコール拭きが必要です。また、ガンタイプのイオナイザーの場合、気温変化が激しい日などは特にエアーコンプレッサー内部が結露しやすくなり、クリーンエアーの安定供給が難しくなります。ドライヤーやフィルターを設置することで解消しますが、針先と同様に使用を続けると汚れてくるので定期的にカートリッジを交換しましょう。

 

 

相談者

弊社では全くイオナイザーのメンテナンスをしていなかったので、除電ができていない状態だったんですね!

早速社内で共有し、全てのイオナイザーをメンテナンスします!

 

クリーン化
オレンジ

このメンテナンスが定期的にできればきっと高い性能が維持できるよ~!

除電がどの程度できているのか、メンテナンスした効果が出ているのか静電気は目に見えないので分からないけど、「イオナイザーの性能調査」で確認できるのでおすすめだよ~!

 

相談者

イオナイザーの性能調査ってなんですか?

 

クリーン化
オレンジ

イオナイザーの性能調査を含む現場診断をすることで、”生産環境の不良率ゼロ”へ一歩近づくんだよ!

しくは必殺技で解説するね~!

 

シーファー

ご相談・お問い合わせはこちらなのだ!

 

記事一覧