製品や設備に付着したホコリや異物を除去するために拭き取り作業を行っているのですが、除去しきれていないのか異物不良が発生してしまいます・・・。
そのため塗装や再度の洗浄、拭き直しによる生産性低下が起こっているので、ウエスを変えてみたのですが状況は以前と同じままです・・・。
一体なにが原因なのでしょうか?
製品不良を発生させないために拭き取り作業をしたり、
違うウエスに変えたりしてるのに、ホコリや異物が減らないのはなぜだろう?
ホコリが残っているのは困りますね~。
でもウエスなんてどれも同じですから、今のままで問題ありませんよ~ヒヒッ!
本当ですか?!
じゃあ拭取り作業が問題ではないのかな・・・。
おっしゃる通りです。ヒヒッ!
(よしよし、今日も不良品増加だぞ!ヒーヒヒヒッ!)
待つのだ~!
そのお悩み、シーファーたちに任せてほしいのだ!
作業方法によって使用するウエスは変える必要があるよ~!
正しいウエスを選定すれば不良が発生しないから生産効率向上になるよ!
ホコリによる異物不良を解決できるんですね!
ぜひウエスの選び方も含めて教えてください!
またしてもラボレンジャーどもに・・・
今回はうまくいったと思ったのに!キィーッ!覚えておけ!!
ウエスやワイパーの構造
製品不良を発生させないためにウエスで拭き取り、ホコリや異物を取り除くのは一般的です。
しかし拭き取ったはずのホコリや異物が残っていて製品不良を引き起こし、再度塗装や洗浄をするなど生産量の低下や余分な材料の使用、時間の増加など様々な問題に繋がります。
この原因となっているのが拭き取り作業に使用している“ウエス”や“ワイパ”です。
これらは主に拭取り作業用や清掃用品として多くの種類が販売されているため、違いが無いように思われがちですが、種類により素材や作り方が異なるため用途に応じて選定することが重要です。
ですので、適切なものを選ぶためにもウエスやワイパの製法や種類を理解しておく必要があります。
繊維の種類
ウエスといった布製品などを構成している素材がそれ以上ほぐれない最小の単位を繊維といいます。
つまり、「布>編み物>糸>繊維」や「布>織物>糸>繊維」となります。
また、繊維には短繊維と長繊維の2種類があり、特徴は以下になります。
- 短繊維
数ミリから数十センチメートルの短い繊維で、代表格として綿が有名です。
麻や羊毛などと同様に天然素材に分類される綿は、短い繊維をねじりあわせて1本の糸にするため、1本1本の繊維が脱落しやすくなっています。
- 長繊維
実は長繊維には明確な定義がありませんが、繊維1本が長く引き伸ばされた数百、数千メートルの極めて長い繊維を指し、その多くはポリエステルやナイロンといった化学繊維になります。
天然素材の長繊維は絹のみとなり、他の天然繊維は全て短繊維に分類されます。
長繊維は、繊維1本1本が細く強度をもたせるためにねじりあわせて1本の糸にしていますが、1本の繊維が長いため脱落する割合は極めて低いです。
これらの繊維が集まって糸を生成し、様々な布ができあがります。
布の種類
繊維から作られた糸が拭き取り作業や清掃作業に欠かせない「布」を作り出すのですが、布にも種類があります。
1. 編み物
下の画像のように糸の輪へ次の糸を通し、さらに輪を作ることの繰り返しで面を生成します。
編み物の構造には伸縮性、高い通気性、シワになりにくい特徴があります。
2. 織物
下の画像のように縦糸と横糸が90°に交差し隣の糸と密接、平面的に連なることで面を形成します。
織物の構造には低い伸縮性と通気性、シワになりやすい特徴があります。
3. 不織布(ふしょくふ)
繊維を機械的・化学的作用または接着剤や熱で接着、もしくは絡み合わせることで下の画像のような不織布ができあがります。
つまり、漢字の通り「織っていない布」なのです。
不織布はその構造上、通気性、ろ過性、保湿性に優れていますが、繊維が脱落しやすいので注意が
必要です。
上記の3種類が布製品の大きな分類になりますが、どの種類にも天然繊維と化学繊維は利用されています。
布の種類が同じでも繊維によって通気性や伸縮性が変わるため、どのような繊維・構造で作られているのかを把握することが適切なウエスやワイパを選ぶポイントです。
適切なウエスとは?
不適切なウエスやワイパを使って作業をすると不良品を生み出す原因になるため、繊維、素材、布の特徴を考慮しながら各作業に適したものを選定することが必要です。
では具体的にどのようなものが拭き取り作業に最適なのでしょうか?
塗料やオイルをこぼしたような汚れの度合いが高い際には手軽な価格のメリヤスウエスが最適です。
メリヤスウエスを使うほどの汚れではない、またはクリーンルームで拭き取り作業をしたい、場合は不織布の使用をおすすめします。
不織布においては脱落繊維の多さが難点ですが、水やアルコールを含ませたウェット状態で使用することで脱落繊維を少なく抑えることができます。
しかし汚れを拭き取ったメリヤスウエスや不織布で他の製品を拭いてしまうと製品が塗料やオイルで汚れたり、表面がきれいに見えても脱落した繊維が付着していそうで心配ですよね・・・。
そんな不安を解消するために最適な方法が、「CSS-WP-R9」のような長繊維のウエスで拭き上げることです。
つまり汚れを拭き取るためには短繊維のウエスでも問題ありませんが、最後に長繊維のウエスやワイパで拭き上げる必要があるということです。
上記の拭き取り作業の流れを分かりやすくするために印刷工程に当てはめると、印刷のハンについたインクは不織布ワイパで拭き取り、パッと見てきれいな状態でも短繊維が付着している可能性が高いので、仕上げに長繊維ワイパで拭くことでレベルの高い拭き取り作業が完結します。
この様に最適なウエスを作業方法にあわせて使い分けすることで不良品減少が見込め、コストダウンや生産率増加、塗装時間の縮小に繋がり生産効率向上が期待できます。
しかし注意が必要なのは、製品や使用するウエスやワイパによっては必ずとも上記の拭き方や使用方法が正しいとは限らず、正しいウエスやワイパをみつけ使用するだけではホコリによる不良品はなくなりません。
また、選んだウエスがホコリをしっかりと拭き取っているかどうか明確に分からないと不安ですよね。
ホコリの付着状況や作業環境の現状は現場によって異なるため、それぞれの環境に対応した対策を講じるためには実際にホコリを目で見えるように見える化し確認することが重要です。
繊維や布の特徴を理解してぴったりなウエスを使えば、
不良品削減に繋がりそうです。
実はウエスだけではなく作業環境を○○して確認するだけで
さらに不良品を減らすことができるよ~!
○○って何ですか!?気になります!!
ホコリから製品を守りたいので教えてください!
もちろんだよ!
必殺技でもっと詳しく解説するね!
ご相談・お問い合わせはこちらなのだ!