
塗装工程で自動塗装機を使用している相談者さんは、最近ブツ不良が多いことにお悩みのようです。
自動塗装機の導入により高品質で均一な仕上がりが実現し生産性も向上していましたが、気づかぬうちに不良が増産されていました。
これでは自動塗装機を導入した意味がなく困っているようですが、一体何が原因なのでしょうか?

自動塗装機の導入で生産性が向上し助かっていたのですが、先週から塗装後の製品に異物が付着する不良が頻発し悩んでいます。このトラブルの理由が分からないので塗装作業もストップしています。

ムーダー
おやおや、それは大変ですね!
きっと製品の表面に付着した異物は空間を舞っているホコリですね!
こちらの対策商品なら、ホコリを一網打尽にします!
(不良の原因が浮遊塵なのか分からないけど、きっとムダが大量だぞ~!ヒヒッ)

ホコリですか・・・弊社ではどこからゴミ・異物がやってくるのか調査し、気流の流れを把握したうえで設備を配置したり製品に付着しないよう対策しているのですが・・・

ムーダー
それでは甘いんです!
この商品ならゴミ・異物をゼロにすることができますよ~
(そんなわけないけど、ヒーヒヒッ)

ゼロに?!それはすごいですね!
ぜひその対策商品をトライさせてください・・・!

ちょっと待てぃ!
「ブツ不良=空間のゴミ・異物」とは限りません!
もしかしたらそのブツ不良、スプレーガンの方に原因があるかもしれないぞ!

えぇ!?スプレーガンが原因!?そんな可能性があるんですか!?
それは初耳情報なのでぜひ教えてください!

ムーダー
なんでいつも負けてしまうんだ・・・
次こそは絶対に勝つぞ・・・キーーーッ!
意外なブツ不良の原因
塗膜の不良には、たれ、ハジキ、ゆず肌など様々ありますが、塗膜表面にゴミ・異物が付着し発生する「ブツ不良」も塗装工程で作業者の頭を悩ませるひとつです。
その原因は、空間を浮遊する浮遊塵や作業者の服や手袋から発生するゴミ・異物などが挙げられますが、他にもスプレーガンが原因として考えられます。
スプレーガンの微粒化が悪く、スピットと呼ばれる塗料の塊が塗装面に付着することでブツ不良となってしまうのです。
ほかにもスプレー時の霧化が安定せずムラっぽくなってしまったりと仕上がりへの影響が大きいスプレーガンのトラブルは、手吹き塗装であればすぐに気付き対応することができます。
しかし、自動塗装の場合、スプレーガンの異常に気付かず、どんどん不良が量産されてしまうこともあります。
このような事態を防ぐために、スプレーガンを定期的にメンテナンスし使用することがポイントとなります。

スプレーガンが原因で塗膜不良が起こることも
スプレーガンのトラブルと解決策
スプレー塗装中のトラブルの原因は多岐に渡りますが、今回は原因が機械・設備にあるケースにしぼり、実際に起こったトラブルや解決方法をご紹介します。
スプレーガン本体のトラブル
・エアーキャップの詰まり
エアースプレーガンの場合、塗料の微粒化に大きく影響するのがエアーキャップと言われる部分になります。
エアーキャップは、スプレーガンの先端にある複数の穴から空気を出すことにより塗料を微粒化し整え、スプレー塗装に最適なミストを作る役割を持っています。
この空気穴にワークから跳ね返ってきた塗料ミストなどが付着し、穴を塞いだり狭めたりすることで、空気の流れが悪くなり他の箇所へも悪影響を与えてしまうのです。

エアーキャップに付着した塗料の汚れ
・塗料ノズルの詰まり
空気キャップと同様に塗料を供給するための塗料ノズルも閉塞する恐れがあります。
二ードルと呼ばれる針状の部品が前後して塗料を出したり止めたりしていますが、この部分が消耗してくると塗料が漏れスピットが飛びやすくなります。
また、塗料経路の詰まりがあると塗料が安定的に供給されずスプレーがかすれたり、途切れてしまったりという場合があります。
解決策
空気キャップや塗装ノズルが閉塞した場合、スプレーガンを分解し洗浄しましょう。
この際、固いもので擦ると傷がつき、塗料の微粒化が悪くなる恐れがありますので、傷のつきにくい専用ブラシなどで洗浄してください。
塗料供給系のトラブル
スプレーガンを確認し問題がなければ、塗料供給系のトラブルも疑ってみましょう。
ホースで塗料を供給している場合、ホースの折れやねじれで塗料経路が閉塞していないか、もしくは塗料圧送の圧力が適正かどうかを確認しましょう。
ホースに異常がなければ、塗料配管内部や継手内部で塗料がコレステロールのように溜まり、塗料経路を塞いでいないか確認しましょう。
また、吸い込みフィルターや経路のフィルターについても詰まりがないか確認が必要です。
ホースだけでなく、ポンプ内部に塗料が付着して閉塞気味になっている可能性もありますので、メンテナンスがされていないようであればメンテナンスを行ってください。
解決策
塗料供給系は、溶解力の強い洗浄シンナーを使用し日常的に洗浄しましょう。
可能であればさらに洗浄力の高い溶剤で定期的に洗うことを推奨します。
ホースの交換やポンプのメンテナンスも定期的に実施することが重要です。

溶解力の強い洗浄シンナーを使用し日常的に洗浄しましょう
エアー供給系のトラブル
スプレーガンも塗料供給系も問題がなかった場合、エアー供給系を確認してみましょう。
現場ではスプレーガンの手元圧力計で空気圧のみを管理しているかと思いますが、空気圧が十分でも空気量が不足している可能性があります。
スプレーガンの種類にもよりますが、一般的なエアースプレーガンだと200~400L/min、HVLPのような高微粒化ガンでは400~600L/minの空気量が必要になります。
空気量は、エアーレギュレーターの圧力計で確認することができ、動作のたび圧力が大きく下がると空気量が足りていないかもしれません。
空気圧が確保できていてもスプレーガンに応じた空気量がなければスプレーが安定せず、品質を保つのが難しくなります。
特に自動スプレーガンの場合、複数台を同時に稼働すると、エアー供給量が落ちてしまうことがあるので注意が必要です。
スプレーガンだけでなく、他のエアーを使う設備を使用することでも、同様にエアー供給量が不足する恐れがあります。
解決策
塗装機には太めの専用配管で空気を供給することをおすすめします。
さらに、急激な空気量の低下対策として空気タンクを活用したり、専用のコンプレッサーを用意したりすると空気量が安定するため、現場の状況によって導入を検討してください。
機械や設備に原因があるスプレートラブルの多くは、日々のメンテナンスにより未然に防ぐことができます。
日常的にメンテナンスや確認を行いましょう。

スプレーガンのメンテナンスは大切なんですね!
私の現場では気づいたときに行っていただけなので、これから定期的に行うようにします!
そこで質問なのですが、洗浄時におすすめな溶剤や商品はありますか?

いい質問をありがとうございます!
スプレーガンのメンテナンスにおすすめな2つの商品を必殺技でご紹介します!

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