私たちが安全だと思い毎日手を洗ったり飲んだりしている水道水や、食品が包まれている容器。
実は、これらのような身近なものからものづくり現場で使用されている塗料や洗浄剤においてまで、様々なものにPFAS(ぴーふぁす)が含まれていることが近年問題視され、規制も始まっています。
お悩みさんの現場でも、海外での厳しい規制の流れを受けて日本でもPFASを含む製品の販売や洗浄剤の使用ができなくなるのでは・・・と不安に感じているようです。
PFASについてニュースで見かけたのですが、うちの現場にも関わりがありそうな内容で今後の製品製造に影響がないか心配になりました(泣)
そうですね、PFASはものづくりの現場とも関係があるので、今後の規制などの対応を注視しなければなりません。
でもPFASについてほとんど何も知らないので、どんな危険性があるのかイマイチ分からず・・・
社内への情報提供や注意喚起ができません。
私にお任せを!
世界的に危険視されているPFASについて、基本だけなく今後の見通しについても解説します!
ありがとうございます!
漠然とした不安だけを感じていたので、詳細を確認してこれからの規制に備えます!
PFASとは
PFAS(ペルフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル物質)は有機フッ素化合物質の総称であり、分解されにくく蓄積されやすいため、永遠の化学物質(Forever Chemicals)と呼ばれています。
水に溶けやすい、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しないなどの性質があり、12,000種類もの化学物質が含まれる可能性があるというので驚きです。
外部からの作用に強く、自然界で分解するのに数千年かかる難分解性物質のため、体内にも蓄積されやすいと言われています。
このことから、腎がん・精巣がん・甲状腺や肝機能障害・高コレステロール値など私たちの健康への有害性も懸念されています。
近年の研究では、PFASの一部の物質への曝露が免疫系を阻害しワクチンの効能を減退させうることを明らかにしており、新型コロナウィルス感染症のパンデミック下において非常に注目されていました。
PFOSとPFOA
危険視されているPFASに分類されている物質は多くありますが、中でも代表的なものが「PFOS(ぴーふぉす)」と「PFOA(ぴーふぉあ)」です。
- PFOS:ピルフルオロオクタンスルホン酸
- PFOA:ペルフルオロオクタン酸
PFOSとPFOAは、水や油をはじき、熱に強く、化学的に安定といった特徴を持っており、撥水剤、界面活性剤、泡消火薬剤、食品包装材などに使用されてきました。
製品の製造工程で多く使用され便利な存在でしたが、健康や環境に悪影響を与えることが判明し、世界各国で製造や使用を規制する動きが広がっています。
具体的には、国際条約で製造・使用・輸入が禁止されたことをはじめ、2000年代初頭にはアメリカやオーストラリアでは段階的に生産や使用が禁止されています。
日本でも化審法により、PFOSは2010年に、PFOAは2021年に製造や輸入が禁止となりました。
その中でも特例があり、消防署や石油コンビナート、基地、空港などにある消化装置で法律により規制される前に作られたものにおいては、PFOSやPFOAを含む泡消化薬剤が使われているものがあります。
これらは、国が定めたルールに基づいて、漏れることが絶対にないよう保管されていますが、万が一漏れてしまった場合には、速やかに回収などの適切な処置が行われるよう、厳格な管理体制が敷かれています。
PFASの性質・用途
PFASは、私たちが日常的に使用する、調理器具・容器包装・消火剤・塗料・防汚剤など様々な消費者製品に含まれています。
では、具体的にどんな製品に含まれているのでしょうか?
輸送・建設分野
車体・船体・気体の製造、シーリング応用、燃焼エンジンシステム、安全装置、暖房・換気・空調・冷房、塗装
一般消費者製品分野
カーペット、衣類、調理器具、食品包装、洗浄剤、ワックス、研磨剤、化粧品、トイレタリー、スキーワックス
エネルギー分野
太陽光、風力、石炭火力、原子力、プロトン交換膜(PEM)燃料電池、電気分解、リチウムイオン電池
電子機器・半導体分野
電線とケーブル、コーティング、溶剤、洗浄剤、電子部品、フォトリソグラフィー
こんなにたくさんの製品の中にPFASが含まれているなんて!
知らずに使用していました・・・。
そうですね、ですがこの状況を改善しようとPFASに関連する規制が始まっています。
私たちの安全・安心に関係する大事なポイントなのでしっかり抑えましょう!
日本の水質管理における規制
厚生労働省は、私たちの健康を守るため、2020年に水道水1リットル当たりに含まれる有害物質PFOSとPFOA濃度が2つ合せて50ナノグラム超えないようにという暫定目標値を設定し、全国の水道事業者等に要請しています。
環境省も同様に、公共用水域や地下水などでPFOS・PFOA濃度を合算値で50 ng/L以下とする暫定目標値を定めています。
現在は法的義務を伴わない「暫定目標値」ですが、いずれは水道法上の「水質基準」の対象に格上げする方向で検討が進められており、将来的には水質検査や改善などの対応を水道事業者に義務付けられるとされています。
PFOS・PFOA濃度の数値を公表している市町村もあるので、お住まいの地域の数値をぜひ確認してみてください。
PFAS規制は今後どうなる?
日本では、PFOSやPFOAの使用などの制限だけでなく、飲料水中の濃度も暫定目標値を定めるなど、PFASに対する動きが強まっています。
一方、海外に目を向けると、EUでは原則製造や使用は禁止され、アメリカでは2024年4月に飲料水に含まれるPFOS・PFOA濃度の新しい基準値をいずれも1リットル当たり4ナノグラムと日本より厳しく規制されています。
また、12,000種類以上を超えるすべてのPFASについての規制も検討されており、もし発行した場合には移行期間の後、製造・上市・使用・輸入の制限が予想されています。
持続可能な社会の実現に向け、社会全体が環境問題に関心を高める中、日本企業もPFASへの対策を求められることでしょう。
工業用洗浄に着目した今後は、フッ素系洗浄剤のほとんどにはPFASが含有されている確率が高く、今後使用が制限された際には影響を受ける恐れがあります。
今からPFASについて情報を継続的に集め、規制が始まるタイミングで慌てないよう洗浄剤の見直しを進めましょう。
PFASはこれからさらに規制が厳しくなる可能性が高い化学物質です。
規制が開始するとき、慌てて洗浄剤の切り替えを検討しても十分な時間が確保できず、求める仕上がり品質を実現できる洗浄剤を見つけられない恐れもあります。
PFASについて全く知りませんでしたが、便利な反面、世界中で規制されているような危険な化学物質であることが分かりました!
弊社で確認したところ、フッ素系洗浄剤を使用しておりPFASが含まれているようなのでこれから洗浄剤の切り替えも検討していきたいと思います。
そこで、PFASを含まない洗浄剤はありますか?
もちろんです!
私が必殺技でご紹介します!
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