重合反応とは、「モノマー(単量体)やポリマー(重合体)を反応させて繋ぎ合わせ、目的のポリマーを合成する化学反応」のことを指します。
少し難しいと思いますので、まずはモノマーとポリマーについて簡単にご説明します。
モノマー(単量体)とポリマー(重合体)
「モノマー」という名前はギリシャ語で1を意味する「モノ」から来ています。
また、「ポリマー」もギリシャ語でたくさんを意味する「ポリ」が元になっています。
ですので、モノマー分子がたくさん集まってできた高分子がポリマーという事になります。
皆さんも良くご存知の洋服やペットボトルの材料になる「ポリエステル」ですが、ポリ(高分子の)+エステル重合体ということになります。
重合反応
モノマーとポリマーについてわかったところで、重合反応についてです。
重合反応は大きく二つに分けられ、反応経路の違いから逐次重合と連鎖重合があります。
逐次重合
逐次重合とは、モノマーまたはポリマーが有する官能基(ほかの分子と結合する余地がある接続部)が反応し、次第に高分子化していく重合反応のことです。
熱や光といった触媒や硬化剤などを必要とせず、反応の進行に伴って分子量が増大していく(どんどん大きなポリマーになる)という特徴があります。
自然に大きくなる、坂道の雪玉のようなイメージです。
連鎖重合
連鎖重合とは、官能基を持たずモノマー単体での重合反応が困難なため、熱や光といった触媒や硬化剤といった物質を添加して反応を開始させると、重合反応が始まるものの事です。
触媒や硬化剤を添加することで次々と連鎖的に反応が進むので、連鎖重合と呼ばれています。
塗料の乾燥方式で言うと、二液重合乾燥タイプや熱重合乾燥タイプなどがあたります。
例えば、両手でしっかり手をつないでいる人達(モノマー)がいるとします。
ここに号令をかけ(塗料の場合、熱や光、硬化剤等)片手を広げて他の人たちとも手を繋いでもらいました。
空いている手ができたので多くの人たちと手を繋いで、より大きな集団(ポリマー)となることができました。
重合乾燥タイプの塗料は、以上のようなメカニズムでポリマーを作りながら硬化していき、丈夫な塗膜を形成するのです。