界面活性剤は、物質の境の面(界面)に作用して、性質を変化させる物質の総称です。
構造としては、1つの分子中に、水になじみやすい〔親水基〕と、油になじみやすい〔親油性〕の2つの部分があります。
この構造が、本来、水と油のように混ざり合わないものを混ぜ合わせるのに役に立ち、洗剤等に添加することで汚れを落とす働きをします。
界面活性剤の3つの性質
1. 浸透作用
水は分子同士が引き合う力が大きいため、水に濡れにくいウールなどの繊維を水へ入れても、なかなか繊維に水は入りません。
これは、界面張力(水の分子同士が引き合う力)が強く働いているためです。
水に界面活性剤を入れると界面張力が下がり、繊維の表面と水がなじみやすくなるため、繊維の中に水が簡単に入っていきます。
これを浸透作用といいます。
2. 乳化作用
水に油を混ぜようとしても分離してしまいますが、界面活性剤を加えると、界面活性剤の親油基が油の粒子を取り囲み、親水基が外側に並ぶため、水と油が均一に混ざり合うことができます。
これを乳化作用といいます。
3. 分散作用
粉状の粒子を水に入れた場合、混ざり合わず表面に浮かんでしまいますが、界面活性剤を加えると粉状の粒子は界面活性剤の分子に取り囲まれて細かな粒子になり水中に分散します。
このように粉末を水に散らばらす作用を分散作用といいます。