塗着効率

塗着効率とは、「塗装時に使用した塗料」と「塗装物に付着した塗料」の比率のことを言い、「どれだけ塗料が無駄なくワークに付いたか」を表す指標です。

例えば、スプレーガンのカタログで「塗着効率〇〇%」と記載されていれば、それは「この製品を使えば、塗料の〇〇%が対象物に付着しますよ」という目安になります。

実際は使用現場や使用方法により塗着効率は変わるため、使用環境や使用方法での塗着効率を知ることが重要となります。

 

塗着効率の求め方

塗着効率は、塗着効率=製品付着した塗料固形分÷使用した塗料固形分×100で求めることができます。

固形分を計算して求めるのは、希釈率や塗料の種類により塗布量(塗膜量)が変化するからです。

ですので、正確に把握するためには「塗料の重量」ではなく「固形分=塗膜重量」として求める方が適切です。

 

実際に測定する方法

  1. 塗装前に塗料重量(溶剤含む)を測定(0.1g単位推奨)
  2. 塗装する製品の重量を計っておく(0.1g単位推奨)
  3. 塗装後に塗料重量(溶剤含む)を測定し使った分を算出=使用塗料量(溶剤含む)
  4. 乾燥後の製品重量を計り、重量増加分を確認する=塗料付着量(固形分)
  5. 上記の計算式に数字をあてはめて算出

 

付きまわり性とは

静電塗装において、塗料が製品の内側や裏側へ回り込んで付着することを「付きまわり性」と表します。

例えば、網目状の製品を塗装する際、通常のスプレー塗装では表面しか塗れません。しかし、静電塗装なら、塗料が網の側面や裏側にも回り込んで付着させることができます。

このように塗料が奥まで届く状態を「付きまわり性が良い」と表現します。反対に、何らかの理由で裏側まで塗装できない場合は「付きまわり性が悪い」と言われます。

塗着効率のように具体的な数値で表すことはできませんが、塗装の状態を示す指標のひとつとなります。

 

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