ISO14644-17はこれまでの規格と何が違う?
これまで制定されて来たクリーンルーム関連規格 ISO14644には第1部~第17部までがありますが、
今回は、清浄度クラスとSCPクラスを規定している 14644-1と14644-9の関連性について注目していきます。
ISO14644-1 : 浮遊粒子の濃度による空気清浄度の分類
ISO14644-9 : 表面粒子の濃度による表面清浄度の分類
といったように 14644-1と14644-9には、測定時間(落下塵カウンターの場合はウエハでのサンプリング時間)の規定がありませんでした。
これは、気中や表面の清浄度を最終的な結果で判定する規格となっているためです。
新たに制定されたISO14644-17は
ISO14644-17 : 粒子の堆積速度
新たに時間の概念が組み込まれ、クリーンルーム内の不良の原因になり易い工程に粒子が堆積するリスクを数値で見える化し、目標が達成されない場合の粒子堆積速度を低減するための方法も提示しています。
つまり粒子が「いつ」「どのくらい」堆積したのか、時間で管理する決まりができたのがISO14644-17なのだぁ~?
その通りだよ、シーファー!
だから粒子がいつ落下して堆積したのか、きちんとカウントする必要があるんだ!
なるほどなのだぁ~
どうやってカウントしたらいいか、シーファーわかったのだ!
お!すごいぞシーファー!
何度も紹介しているからもうおなじみだね。
そう!簡単に堆積粒子をカウントして数値化できる
「落下塵カウンター」を使うんだ!!
時間を決めてサンプルしたシリコンウエハを「落下塵カウンター」で測定したデータを、時間当たりに計算して導き出されるものがPDRです。
工程内をシリコンウエハで6時間、落下塵をサンプルしてみると・・・
落下塵カウンターでの測定結果が以下のようになりました。
落下塵カウンターはISO14644-9に準拠しているのでSCPクラスに換算した表示を行います。
※落下塵カウンター測定画面 イメージ図
10µmのPDRは、SCPクラスに換算した値を、測定時間の6時間で割れば求められます。
R(10) = 44762ヶ/m2 ÷ 6 hr =7460ヶ/m2・hr
PDRが7460で、PDRLは10000と言うことが分かります。
ISO14644-9とISO14644-17の関連性を理解して、皆さんの現場にあった粗大粒子対策の指標を
確立し、効果的な対策を行ってください。