超音波とキャビテーション現象

超音波とは?

一般に「音」とは、空気の振動をいいます。物が振動すると、その周りの空気も同じように振動します。その振動が広がり、音として伝わるのです。

超音波とは、一般に「人間の耳に聞こえない音」とされています。洗浄分野ではおもに液体(洗浄剤)などの媒体中を伝搬します。

 

 

 

超音波洗浄の仕組み

超音波の物理的作用としては、キャビテーション・振動加速度・直進流等で汚れを剥離、分散させ洗浄します。

 

液体中には無数の気体分子が存在し、20kHzから100kHzほどの強力な超音波が液中に照射されたとき、正・負の圧力がその気体分子に交互にかかりま す。正の圧力で圧縮された気体分子は、次の瞬間に、負の圧力により激しく膨張します。この繰り返しによって圧縮時に気体分子は非常に高い圧力を持ち、その限界で破裂し消滅します。

 

この大きな衝撃的圧力の発生をキャビテーション現象』といい、泡が弾ける時の衝撃波が製品に作用し汚れを落とします。

 

 

 

超音波は長年使い続けていると減衰したり、洗浄カゴや製品の形状・材質などによって効果を失う場合があります。

音圧測定で超音波が機能しているか確認していれば洗浄品質の安定を図れます。

 

 

超音波が機能しないと洗浄不良に繋がります

超音波が機能しなくなる要因については2つの要因が考えられます。

 

まず1つは、超音波発振器の故障です。

 

超音波発振器から発振ができなくなると、振動素子に超音波を伝えることができなくなるため先に説明したキャビテーションは発生しなくなり洗浄不良の要因となります。超音波発振器にはインジケーターなどの発振状態が確認できる目盛りが付いているため、ボリュームを上げてもインジケーターレベルが上昇しない場合は故障している可能性があります。

 

 

 

2つ目は、超音波振動子の故障です。

 

超音波は先に説明した通り一般に「人間の耳に聞こえない音」なので、振動子が故障していても気付かないことが多くあります。特に超音波洗浄槽には複数の振動子が取付けられているため、振動子が脱落したり振動が弱くなったことで洗浄不良に繋がっていることに気付きにくく、洗浄不良の原因が掴めないまま苦労したことはないでしょうか?

 

 

 

 

洗浄ブルー

今回の必殺技で紹介している『音圧計』を使用すれば

超音波振動子の不具合を見付けることもできるのです!

 

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