ベルヌーイ流撹拌体(べるぬーいりゅう かくはんたい)とは?
「ベルヌーイ」・・・一度口にしたら、何度か繰り返し言いたくなるこの不思議な言葉・・・。
まずは「ベルヌーイとはなんぞや?」から、カンタンにご説明します。
ベルヌーイは「ベルヌーイさん」だった
そうです。ベルヌーイとは人の名前。本名はダニエル・ベルヌーイ(Daniel Bernoulli )といい、1700年にスイスに生まれ、82歳でその人生の幕を閉じた数学者であり物理学者です。得意分野は『流体力学』。
「空気や水の流れが速くなると、その速くなった部分の圧力は低くなる」
「速く流れるほど圧力は下がる」
という法則を見つけ出しました。これを人は「ベルヌーイの定理」と呼びます。
この定理を、ベルヌーイの友人だったレオンハルト・オイラーがさらに洗練した形にして、今日の流体力学の基礎となったと言われています。ちなみにオイラーは18 世紀の代表的な数学者・天文学者(天体物理学者)。ベルヌーイさんも素敵な友人を持っていたんですね。
撹拌(かくはん)とは?
続いて「撹拌」です。撹拌とはカンタンに言えば「かき混ぜる」こと。よく「かき回す」ことと混同されやすいのですが、「回す」だけでは液体はよく混ざりません。なんで?と思う方は、ドレッシングを思い出していただくと、「あ、なるほどね♪」となると思います。
それから、漢字の読み方ですが、正式には「こうはん」と読むのですが、「かくはん」の方が一般的になっています。3Cラボは楽しく、わかりやすいことをモットーとしているので、馴染みのある「かくはん」を使います。
ベルヌーイ〝流〟撹拌とは?
それでは本日の用語。「ベルヌーイ流撹拌」とはなんぞや?をご説明しましょう。
ベルヌーイ定理の「流体の流れと圧力の関係」に着目した撹拌方法になりますが、実際には数式化できないので”流”としています。
水面は静かなのに、流体の中は驚くほどの乱気流が巻き起こります。具体的に言うと、こんな感じです。
1)沈殿物を吸い上げます(上昇流)
↓↓↓
2)浮遊物を吸い込みます(下降流)
↓↓↓
3)混ぜて遠くに飛ばします(水平発射流)
↓↓↓
4)ものすごい乱流が起こります
最初は静かに撹拌が起こりますが、時間が経つにつれて乱流が激しくなり、容器の中は上へ下への大騒ぎ。「えらいこっちゃ!」という状況になります。これはもう「かきまぜる」という言葉の意味を通り越し、液体が自らの意思で勝手に「かきまざっている(しかも楽しそう)」と思えてしまうのは、私たちだけでしょうか?